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ちらつくDC問題が気になり過ぎた「ザ・フラッシュ」※全編ネタバレ感想

あらすじ

フラッシュことバリー・アレンは母親のノラの死を防ぐために時間を遡るが、スーパーマンによって倒されたはずのゾッド将軍が復活してしまう。バリーは若い頃の自分、ブルース・ウェインことバットマン、そしてスーパーガールの助けを借りることとなる。

※この映画はネタバレなしだとほとんど語れなくなってしまうので、今回は感想全部がネタバレです※





各キャラについて

バリー・アレン

主演のエズラ・ミラー自身の昨年からの問題にはモヤモヤと思うところはあるのだけど、今回は一旦置いといてバリー・アレンというキャラについて。フラッシュのキャラは「ジャスティス・リーグ」で既に披露されているので、オリジンとなる母親への物語はすんなりと入り込める。最初の『ベイビーシャワー』な戦闘は笑った。現代バリーがやや落ち着いてきたのに対し、18歳バリーが終始テンションが高くウザさも倍増していて面白かった。このへんの演じ分けはさすがエズラ。

しかし正直バリーのキャラが今回厚みを増したか?と言われると微妙な感じ。ただこれは今回の物語の根幹であるマルチバースの展開による影響が大きいように思う。(マルチバースとDCの問題については下項目で)まあ母親を取り戻したい、というシンプルな部分だけに目を向ければこれくらいでいいのかな。フラッシュはメタ・ヒューマンの中では比較的共感を得やすいキャラということを今回再認識。コミュ障ではあるけど、若く純粋で善の意識に真っ直ぐな感覚の持ち主、というのは何となくスパイダーマンを思い起こさせた。でも撮影中はまだエズラ騒動前だから意識してなかったとはいえ、「ヒーローは心のケアが得意じゃない」っていう言葉があまりにもブーメランで、「お前が言うんかーい!知ってる!!!!」と画面に向かって大声でツッコミたい気持ちでいっぱいになりました。

バットマン
(ベン・アフレック/マイケル・キートン/カメオのあの人)

私はベンアフ版のバットマンも大好きなのだが、ベンアフ自身が「今回がバットマンを演じる最後」と明言していたのは寂しかった。最初のアクションシーンはカッコ良かったけどさ・・・。このあたりは製作過程で分量がどのくらい決まっていたのかは分からないけれど、マイケル・キートン版バットマンが老体に鞭打って最初から最後まで大活躍!これはこれでめちゃくちゃ楽しかった。マイケル版オリジンを感じさせる懐かしいマントの造形やクラシックなキメキメアクションの演出がカッコ良いし、何より改めてマイケル・キートンは声がいい(惚)バットマンと言えば声の良さなのだけど、マイケルは自然に低いのが丁度いい。バリーにそんなオンボロ機器で?と言われたり、設計をメジャーで測るというお爺ちゃんぽいネタも可愛かったが、今回のザ・フラッシュはマイケル・キートンの功労なしには出来上がらなかったのは間違いない。改めて本当にお疲れ様。そしてありがとう。
[追記]今作を見た後でキートン版バットマン見直したけど、ティム・バートンのセットや小道具の完成度が凄すぎてそっちばっかりに目が行った。

最後にカメオ出演でジョージ・クルーニーが出てきたのはフイた。ご本人は乳首バットマンを黒歴史認定してたけど、心境の変化があったのかしら。サービスありがとうございます。

スーパーガール

サッシャ・カジェ可愛い。最初に予告で顔だけ見た時は若い男性かと勘違いしてたのだけど、黒髪でショートカットのスーパーガールは新鮮。ただ、これもDCの問題なんだけどいかんせん「ジャスティス・リーグ」の続編が立ち消え状態のままなので、次の展開のないその場しのぎの繋ぎの強キャラになってしまっている。スーパーガールのオリジンは本人からちょっとだけ語られるだけだし、ゾッドに能力奪われて死んだり生き返ったりであとはどうなったか分からず終了…て、いくら何でも雑すぎない?スーパーガールよね?!?!これはマイケル版バッツも同様。いくら今回だけのキャラとはいえ(よね?)2人とも扱いが酷い。何かこう…救済はないんですか。ドラマ版とか?(それはそれで余計なバースが広がる)

マルチバースのCGについて

マルチバースのシーンのCG酷すぎない?これは海外からも「2000年代初期のようなCGのクオリティ」と批判が出てたようで、ムスキエティ監督がコメントしていた。

”私たちはフラッシュの視点で考えています。全ての光やテクスチャが歪んでいるんです。(中略)それがデザインの一部だったので、少し変に見えるなら、それは意図的なものだった

FRCの記事より引用

歪んでいるのがデザインの一部・・・?うーん、いや歪んでいるのは別にいいんだけど?CGについて詳しくないから、何とも言えないけどちょっと予算が無かったんじゃ?と穿ってしまう。マルチバースのシーン以外のCGが違和感なかったので、余計にギョッとする感じだった。歴代のDCキャラが出てくるシーンは面白かったけどね。息子にカル=エルという名前を付けるほどスーパーマン大好きニコラス刑事!おめでとう!(拍手)

DCユニバースの問題

今作の最大の問題はDCユニバースが頓挫しているということ。カビルさんはスーパーマンを降ろされ?た、ベンアフは次作バッツはやらない、ワンダーウーマン3は製作中止、サイボーグ役のレイ・フィッシャーはワーナーと対立して出てこない、MCUと違ってDCは次に繋がる道が見えないため、アクアマンもエンドロール後に酔っぱらってみるしかない・・・という何とも寂しい終わり方。元々フラッシュは1人だけだと強さが分かりづらいヒーローなので、補足するDCの現在の強ヒーローが必要なのに過去バッツとその場キャラ(スーパーガール)だけではワクワク感が少なすぎた。欲を言いすぎなのかもしれないけど、どうしてもMCUが凄いだけに比較してしまう。

とは言えDCの行く末はこれからも気にしていくので、ムスキエティ監督、次のバットマン何卒よろしくお願いします!




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