もう二度と会わないかもしれないね
会うことも、連絡をとることもない知り合いというのは、自分にとって死んでしまったのと同じことなのかもしれないと思った。
毎日のように顔を合わせていて、挨拶や、ちょっとした会話はするけれど、わざわざ連絡をとったり、休みの日に遊ぶことはなかったようなクラスメイト。卒業してしまえば、もう二度と会うことはないのかもしれない。わたしが過ごしてきた日常の片隅にたしかにいたはずの人たちが、卒業を境にいとも簡単にいなくなってしまうふしぎ。
今どこで何をしているのかわからない人たち。
わたしが今どこで何をしているのかも知らない人たち。
生きているかすらわからないのだから、もうわたしの中では死んだのと同じことだ。
だけど、死んでいるかすらわからないのだから、わたしが死ぬときまでわたしの中では生きている人ともいえるのかもしれない。
どこかで生きていますか。
文化祭で着ていたロリータが似合っていたあの子。
テストの日、消しゴムを貸してくれたあの子。
寺の娘なのにギャルだったあの子。
同じキーホルダーを持っていたあの子。
わたしの絵を褒めてくれたあの子。
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