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記憶を表現する、ということ

これはりりの頭の中を自分なりに言語化したもの。
7月30日に行った写真展「Old.」に出展した作品について。


写真展「Old.」とは

shiho. shiho.lilas
そうた/大志万 創太 souta_923camera
りり riri_pic_

関西のカメラマン3人で主催しました。
『古い記憶の断片』というテーマをもとに、フィルムかオールドレンズを使用したもののみを展示するという写真展です。

今回は出展者の方も募り、よりさまざまな作品をみることができました!

人の記憶に触れる瞬間

私は今回人をテーマに撮影するにも関わらず世界観やストーリー、カットへの意味づけなどを作り込み過ぎず概念のようなもので撮影をしました。

「思い出してしまう記憶」
というテーマを掲げ、人の記憶に触れる瞬間を断片的に集めていく、そんな作品にしました。

例えば、お揃いの時計とか、記念日だった日とか、一緒に歩いた海沿いの道とか、あなたの香水の香りとか。

朧げになっているはずの古い記憶が、そんな瞬間に思い出してしまう。
思い出したくない記憶から心に広がる苦味。
いいことも悪いことも、当時の感情が蘇る。

でもそれも今となってはよかったと思える、温かい心までを写真に閉じ込めたくて、たくさん考えて撮影しました。

今回私はスクエアチェキを使用したのですが、画角が固定されることやレタッチをできないことから構図の作り方や光の加減を調整しながらの撮影でカメラマンとしてもとても勉強になる挑戦でした。

幸いそのスクエアチェキは印刷するデータを選べるものだったのでいろんなパターンを撮影した上で10枚に絞って印刷を行いました。

搭載されているフィルターなどを使うかどうかなども迷いましたが、色味などの情報ではなく、写真に詰まっている空気感やチェキならではの質感からよりリアルな記憶を感じてもらうために何もつけずに印刷しました。

リアルに感じてもらう、という点ではもうひとつ被写体の顔が見えないように撮影しました。
絶対的な情報を減らすことでみている人の記憶に触れる部分だけを収められるよう切り取り方も工夫して、チェキという限られた大きさの中で記憶を表現できたと思っています。

何ページか実際展示したアルバムの写真を載せておきます📕🔖


展示にあたって

今回「フィルムかオールドレンズを使用したもののみ」と言う縛りを持たせることを決めてから、まずどちらを使用するかを迷いました。

私はよくオールドレンズを使用して撮影を行なっており、ありがたいことに好評をいただいていたので、今回はあえて誰もが使えるチェキというフィルムカメラで挑戦することを決めました。

チェキというものが持つ力を最大限破棄させるため、自身のテーマやカットわり、展示方法まですんなりと決まっていきました。

枚数に限りのあるフィルムカメラだからこそ、より「断片」を表現することに適していると思い、ではその「断片」を展示するには何が一番いいだろうか、と考えたときに、アルバムを思いつきました。

一般的にもパートナーとの記念日や、お友達の誕生日などに手作りアルバムをプレゼントされるかたもいらっしゃいますよね!

そのようなアルバムは楽しかった思い出の「断片」を集めていて、かつその「断片」から当時のことを思いだせる、まさに今回の私のテーマにぴったりだと思いアルバム形式で展示することを決めました。

なかなか写真展でアルバムで展示される方はいらっしゃらないかなと思うので、他の2人の創意工夫が凝らされた横に並ぶとなんだかシュールな気持ちでした笑

ポツンと置かれるアルバム展示笑

ですがアルバム形式にしたことによって写真を見ながらその世界観に没頭できる、という感想もいただきそのような利点もあるのだなあと新たな発見でした!

最後に

たった5時間の展示であったにも関わらず、たくさんの方に足をお運びいただき本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

規模は大きくなかったですがゲスト出展をしてくださった方の作品に感銘を受けたり、同じテーマでも全然違う表現をするshiho.とそうたの2人の作品と並べたり、自身の中でも新たな挑戦をすることができた写真展でした。

お越しいただき誠にありがとうございました!

最後に少しだけ宣伝笑

2024年春にweb写真展『flores』を行う予定です💐
まだ先にはなりますが今回はたくさんのカメラマンと共に面白い展示になる予感…!!

webなのでどこにいても見にきていただけると思うのでぜひ楽しみにお待ちください💭

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