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日本語の奥深さと「年中行事」

冬至があと少しですが、冬の風景を表す言葉を調べてみました。冬に向かっての雨は「氷雨」(ひさめ)。霰(あられ)や霙(みぞれ)のこと。霰の語源は荒雨が転じた説が有力のようです。私は「氷雨」の歌は知っていましたが、霰や霙のような荒々しい(私の解釈です)状態のことを表すとは、今日まで知りませんでした。「雹」(ひょう)は本来、夏の季語であり「氷雨」(この場合はうひょう)が訛ったものともいわれています。

これから雪が降ろうとする時を告げるようにして鳴る雷が「雪起こし」。今にも降り出しそうな鈍色(にびいろ=はいいろ)の空の様子が「雪催い」。そして空がどんよりと暗くなることを「雪ぐれ」(雪暗い)というらしい。「蛍雪」のあかりに対して、この時期特有の空の暗さを表現する言葉です。「雪模様」「雪気」「雪空」も、雪が降りだしそうな空模様のこと。

どの言葉をとっても、美しく日本語の繊細さがよくわかります。色々な風景を日本人は細かく繊細に感じ表現していたんですね。国語の授業で習うとただ覚えることに必死で、情景を思い浮かべるまでにはいかない(そんな時間がない)けれど、改めて見てみると日本語は奥ゆかしいですね。日本に生まれてよかったなとしみじみ感じます。

人との付き合いにおいても、日本人は欧米人には感じられない物を感知する能力がたけていると聞きました。

コロナで様々な困難に遭遇している時こそ、日本人としての感性を思い出し乗り越えていきたいと感じた今日この頃です。

あと少しで「冬至」です。柚子湯につかり、古来の日本人から受け継いできた力を思い出し、年末に向かっていきましょう。


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