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演技のまわり道

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演技ということがわからなくて、2019年から書き始めました。演技や戯曲を書く中での問いや、影響を受けたものについての雑談noteです。
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2021年7月の記事一覧

なぜセリフのニュアンスを抜くのか

前回の記事では「わたしを大事にしながら演じる方法はないのか」について考えた。宮崎は「ニュアンス抜き」という方法を稽古場で選択しているが、なぜニュアンスを抜くのかについて今回は書きたいと思う。 コンプレックスは武器になりえるアングラ演劇もどき(白塗りをして踊る演劇を当時行っていた)をやめて、現代演劇がやりたいと再スタートした大学3年生の頃、そもそもセリフを言えるということ自体がわからないという地点から形式についての思考をはじめた。例えば「わたしは猫でない」と書かれた紙があった

自分を大事にしながら演じる方法

宮崎です。先日、アゴラの事務所でお喋りをしていて、宮崎さんは演技をするってことに興味がないんですか、演じることが恥ずかしいと思うんですか、というような質問を俳優の日和下駄さんにされて、演技をしてます!みたいな演技が演技だと思われるのに違和感があります、と答えたけれど、演技をしてます!って顔をして演技をすることが嫌なのってどうしてですかと、続いて言われた。ああ、どうしてなんだろうと思って考え込んでしまって、今に至る。 シェイクスピアなんかのフィクション度の高い劇は大きな声で堂