なぜセリフのニュアンスを抜くのか
前回の記事では「わたしを大事にしながら演じる方法はないのか」について考えた。宮崎は「ニュアンス抜き」という方法を稽古場で選択しているが、なぜニュアンスを抜くのかについて今回は書きたいと思う。
コンプレックスは武器になりえるアングラ演劇もどき(白塗りをして踊る演劇を当時行っていた)をやめて、現代演劇がやりたいと再スタートした大学3年生の頃、そもそもセリフを言えるということ自体がわからないという地点から形式についての思考をはじめた。例えば「わたしは猫でない」と書かれた紙があった