「生活体(せいかつたい)」の演劇
演劇には、人間が生きていることを描く力があるとどこかで信じている。しかし、それは、ただ普段と同じように「やる」ということだけでは叶わないような気が、わたしはする。「ドラマ」ということだけではなくて、なぜ演劇なのか、ということ、それ以上に人間とはなにかということ、を考えなくては、本当の人間なんて描けないと自分に課してしまう。
青山真治監督作品の「ユリイカ」の中では、二人の子どもが一切喋ることなく、映画自体でも、会話の数は決して多くはない方だと思う。音楽や生活音の力、逆に喋る言