riri

すべてフィクションですが、みなさまの日常と重なる部分があるかもしれません。短編小説です…

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すべてフィクションですが、みなさまの日常と重なる部分があるかもしれません。短編小説です。 少しでも心に寄り添える、そして、さらけ出せる文章が書けたら良いなと思い、はじめました。 気軽に読んでもらえると嬉しいです。

最近の記事

はじめてのこころの病院

予約取消 何度見たかわからないこの画面 いざ予約の朝がくると怖くて仕方がない こころの病院は、 当日でも予約のキャンセル可能だった つらいつらいつらい でもきっと私のつらさなんか大したことないんだ こんなことで行ったら迷惑がかかる 真剣に死と向き合った 死ぬ段取りまで考えた その日は夢の中で首を吊った 苦しかった 何度も何度も目が覚めて苦しかった 一晩中、こころの病院に行っていいか ネットに聞いてみた 受診の基準とされる症状は全て当てはまった そん

    • モヤモヤ虫

      どこにでもいる 不意に現れる しかも、一度現れるとなかなか離れない んー、この虫だけは、本当に厄介だ 「A子って、なんか、  悪い意味じゃないんだけど、地味だよね〜」 ブーン ああ、きた いやいや、気にしなければいいんだ 気にしないスプレー プシュー 「じゃあまたねー!」 『うん、また明日ー』 夜ご飯何にしようかな、、、 ブーン 地味 悪い意味じゃない地味ってなんだろ、、、 でも "地味"って言葉がネガティブって分かってるから 悪い意味じゃない

      • 最期の手紙

        本日は貴重なお時間をさいて、 お越しいただき誠にありがとうございます。 この度は、みなさまに多大なるご迷惑を おかけいたしましたことをお詫び申し上げます。 皆さまにお伝えしたいことがありましたので、 手紙を残すことといたしました。 私がこのような決断を下したことについて あの時、話を聞いてあげれば、、 もう少し気にかけてあげていれば、、など、 ご自身を責めるようなことは 決してなさらないでください。 私は、本当に素晴らしい方々と出会い、 親切にしていただき、 本当

        • 過去の呪縛

          ダラダラと過ごした休日の昼下がり 何もせずに1日を終えるのが癪で ふらふらと駅近のカフェにやってきた 「これひとつ、あ、トールサイズで」 コーヒーは飲めないし、 ほかのメニュー選ぶのも面倒だし、 と心の中で言い訳を並べながら 密かに気になっていた 季節限定のフラペチーノを頼んだ 昔は迷わずフラペチーノを頼んでいたし その写真をSNSに投稿していた 今だって流行り物が気になって試したいのに どこか恥ずかしい気持ちが、好奇心を侵食しつつある いい大人なのに、と思われて

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