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私は音楽で会話をする。アドリブの人生を豊かに生きる。


ピアノが好きです。

3歳からピアノを10年間ほど習っていました。
一番弾いていて楽しかったのはピアノの習い事を辞める直前の発表会で弾いた、ドビュッシーの「夢想」。
まさに夢の中にいるような、
幻想世界が鍵盤の間から作り出されていくような
素敵で不思議な曲でした。

その後社会人になり、1年ほど
ジャズピアノを習いました。
これまた楽しかったです。
ジャズピアノ譜にはアドリブという欄があり
楽譜でありながら、曲のその部分は何も書いていないのです。

「その部分は、自由に弾いて良いよ」という意味です。


私はそのアドリブ部分を自分の好きなようにアレンジして弾くのが好きでした。
思えば楽譜通りにかっこよく弾くよりも、昔から聴いた曲を耳コピして好きなように弾くことが好きでした。

ストリートピアノでガンガン弾かれる方みたいに上手くはありません。
アルペジオのゆっくりとしたアレンジしかできません。
だけど楽しい。

なぜ、指が動くのか
なぜ、音が分かるのか

本当に謎なのですが、私は言葉で会話をするよりも
ピアノで弾く旋律で、感情や思いを表現する方が
私の中の全てを伝え切れる感覚があります。

いまは認知症で私のこともよくわからなくなってしまったおじいちゃんが好きな「シャボン玉」という童謡。
ピアノで弾くといつも拍手をしてくれました。


人生はジャズピアノ譜のアドリブの部分のようなものですね
どこに、どんな環境で生まれ落ち、いつ死ぬのか
そこは決まっているかもしれないけれど
あとは思いのほか、自由にやっていいんです。

この「自由」とは
地球を遊び歩いたり、恋愛を楽しんだりすることや
お金を際限なく使えることのような外部的なことではなく

自分を縛るネガティブな思い込みから解放され
既にあった本当の豊かさを思い出すこと
このことを指すと私は考えています。

私は◯◯だから愛されない
◯◯をもっと頑張ればきっと報われる
皆んなから好かれるために◯◯しなければ

といった条件付けをやめて

存在するだけで素晴らしい自分自身に
「よく頑張っているね。今のままでOKだよ」
と声をかける。
ご飯が美味しいこと。
雨の日もあれば、晴れの日もあること。
大切な人が心の中にいること。
ぐっすりと眠れる日があること。
たまにだけれど、自分を取り戻し元気になれる日もあること。
私がいまここに生きている、ということ。


豊かさは実はすぐそばにあったんですね。


私が弾くピアノで誰かの心が安らいだり
喜んでくれたら
こんなに嬉しいことはありません。

だって私も音楽をすることで豊かになり、安らいでいるのですから。

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