疲れた時のパン食べ放題の話
りら山りら子は、鎌倉パスタというパスタ専門店が好きである。
三年ほど前のこと、今の仕事に転職するかどうかでものすごく悩んで、悩みすぎて疲れて、商店街のアーケードをとぼとぼ歩いていた時に、ふと惹かれて入ってみたのが始まりだ。
鎌倉パスタでは、パスタの他に、パン食べ放題というメニューがあって、それを注文すると、店員さんが焼きたてパンを持って来てくれる。
店員さんの持つ鉄板には、数種類のパンが乗っている。
しかも、焼きたてで、ものすごくいいにおいがするのだ。
そんな状態で、「焼きたてパンいかがですか?」と聞かれれば、「じゃあ、一つずつ」と言わざるを得ないではないか。
しかも、しょっちゅう焼き上がっているので、お皿のパンがなくなったと思ったら、また次の鉄板がやって来てしまう。
パンがいらない場合は、机の上のプレートを裏返せばいいのだが、裏返すタイミングが見つからない。
蓋を閉めるタイミングが難しいという、わんこそばも、こんな感じなのだろうか。
店員さんと攻防を繰り広げて、やっと見つけたタイミングでプレートを裏返すと、お腹はいっぱいで、心も満たされていた。
パスタとパンなんて、炭水化物の二乗、ダイエットの敵なのだが、どうしても疲れたとき、ふと入りたくなってしまう。
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