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ジェフリー・ディーヴァー 「魔の山」 (本のご紹介)

ジェフリー・ディーヴァー 「魔の山」 (本のご紹介) (文藝春秋 2021年)

やっと、読み終わった…(積ん読の日々に、遠い目で思いをいたす)

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不審死を遂げた父親の謎を追い求めつつ、懸賞金ハンターとして生計を立てる、コルター・ショウ。

町の教会襲撃事件の容疑者の若者二人を追うが、その容疑者は冤罪だったと知る。ところが、ショウが二人を見つけるも、眼前で一人が飛び降り自殺を図ってしまう。不思議なほど穏やかな表情で…。

責任を感じたショウは、事件を追い続ける。そのうち、「オシリス財団」と言う謎の組織とのつながりが見出される。自殺した容疑者は、生前、この団体のセミナーを受けていたというのだ。

情報は操作され、内情は全くつかめない。意を決したショウは、セミナーを受講する体で、財団に潜入するのだが…。

圧倒的なカリスマ性を誇る、財団の指導者、イーライ。その一方、財団内で繰り返される、数々の事件。

ショウは、財団の真相に迫ることができるのか。繰り返される事件を、これ以上防ぐことはできるのか。そして、死んだ父親の謎の行方は…。

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ネタバレしないよう、面白みを要約するのが難しい(単行本カバー折り返しの「紹介」よりは、(ネタバレ防止の観点からは)よくまとめられた、と自画自賛しておく。

ディーヴァー・ファンの皆様で、これから本書を読むことが“決定”している方は、カバー折り返しの紹介は見ず、このまま本書に突入してほしい(笑)。
たまたま(な筈)だが、今日の日本でホットな話題となっている。その意味でも、お勧め。

本書は、コルター・ショウ三部作の2作目。次作で様々な謎が明かされることが期待される。3作目も既に出版されているので、早いうちに取り掛からなくては。

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ところで、ディーヴァーは多作の作家さんとして知られる(ライム&サックス・シリーズ次回作も、9月に日本で出版予定とのこと。400頁ほどの書籍を、年1,2冊仕上げている)。加えて、ディーヴァーの主要作品を一手に引き受け翻訳している池田真紀子さんという方も、実は傑人なのだと知る。もはやディーヴァーと一心同体、微塵の違和感も感じさせず、あっという間にディーヴァー・ワールドへと引き込んでいく。真のプロフェッショナル。

(おわり)

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