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雪よ、届け。【#サンタさんにおねがい】

雪が見たい。


と、強く願った。




私が小さい頃から暮らしていた街では、
毎年ホワイトクリスマスになった。

雪の気配を感じると、私はいそいそと窓を開ける。
冷たい空気を顔いっぱいに浴びるためだ。

寒いのは嫌い。

でも、雪が降りそうな空にはなぜかワクワクする。


白い息がどこまでも広がって夜に溶けていくのを、目で追いかけるのが好きだった。








“こっちは雪が降ってるよ”

というと、

“すごいね。ホワイトクリスマスだ”

と、文字の向こうの彼はいう。



静かに静かに、途切れることなく落ちてくる雪。
真っ暗な闇さえ白く染めていく。
まるで心の中さえ、まっさらにしてくれるかのように。
こうやって手を伸ばせば、触れた瞬間に消えてしまうというのに。


見上げれば、
永遠に続くかのような雪花に目眩がした。


この雪、君へ届け。




そんな淡い思い出。


もしサンタクロースが、
願いを叶えてくれるのなら。

見渡す限り一面、真っ白にしてほしい。

すべての色や音を消し去って、
静謐な世界にただ1人。
窓の外に雪の気配を感じながら、
お気に入りのカップにカフェオレの湯気を立たせて、ひんやりと満ちていく夜にそっと笑みを浮かべることにしよう。



🌟才の祭スピンオフ「サンタさんにおねがい」(12/22まで)に参加しました❗️

せっかくのサンタさんなので、
自分では叶えられないものにしてみました。

あなたのお願い、なんですか?



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