空にひと粒【炭酸刺繍】
この世界に生まれ落ちて
ただ息をしている
ただ、それだけの
何も見えない
何も色付かない
星はいつも遠く瞬いて
雲はまだこの手に掴めない
昇る朝日は
私をすり抜けていく
浮かんでは消えていく
言葉は泡のように
私の居場所を教えてくれたのは
君の声
ほんのひと針でいいんだ
神様なんて信じていないよ
縫い付けられた痛みさえ
私が私であるための
たったひとつの光
ガラス玉のような君の目が
曇ることのないように
弾ける音が
夏の向こうから
聞こえた気がした
┏○)) ペコリ
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