【詩】雪月花【絵から小説】
弛まぬ風のうねりと
生命の息吹を失くした木々
私は此処にいるのだと
上手く息を吸うことも叶わずに
悲鳴は透明になって夜に沈んでいった
私がやがて異質な血を吐き
道端で生き絶えたとしても
あなたはそれを拾って
優しく胸に抱いてくれるでしょうか
ただここで
呼吸をしていたい
それだけ、なのに。
なんと醜悪で禍々しい欲望が
この世に渦巻いているのでしょう
あなたのその静謐な手で
穢れた私に触れてくれるのならば
あなたのその憐憫な言葉で
私を満たしてくれるのならば
私は喜んで紅の花を咲かすでしょう
触れたくて、触れたくて、たまらない
あなたの傷を残酷に握り潰したのなら
その潤んだ涙を私はそっと愛するでしょう
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