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【ポエム】なぜ人は車輪を再発明するのかわかった

いいかい学生さん、車輪をな、車輪の再発明をいつでもできるエンジニアになりなよ。なりなさんなよ。

車輪の再発明(しゃりんのさいはつめい、英: reinventing the wheel)とは、「広く受け入れられ確立されている技術や解決法を(知らずに、または意図的に無視して)再び一から作ること」を指すための慣用句。
wikipedia

エンジニアの *jQueryの話なんですけど、非エンジニアの方も大丈夫なポエムです。なにひとつエンジニアリングの話ししてない。

※ jQuery: 歴史ある便利な工具箱。便利だけど使わん道具もあり重たい。ピンとこなければ「松花堂弁当」や「刺し身5種盛り」などに置き換えて読んでも大丈夫。

脱 jQueryを進めていたんですよ。単調で考えることは少ない。すると徐々に脳がオートパイロット化する痛飲し記憶がなくとも帰宅できるように、作業の内容が意識に上らずとも指がキーボードを叩きはじめるのだ。似た処理は一つにまとめる。処理にはわかりやすい名前をつける。思う以上に無意識でできることは多い。

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意識を無意識に明け渡すとタイピングの音は、馬の足音に変わり、一面のライ麦畑を進む、荷馬車の荷台に背をつけて寝転ぶ自分がいる。荷馬車の幌はたたまれ、デメテルの恵みで山積みだ。五穀に囲まれ見上げる空は青い。真っ青だ。小気味良く揺れる荷台の振動。なめらかに回る4つの車輪。

「車輪?」

なにか歪だ。雲の無い空がかげる。この車輪の振動。知っている。背中がじっとりと濡れる。真っ赤だ。朧気な不安が輪郭を描きカタチを帯びる。ここはどこだ。自分は何を生み出している?

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心象風景は消え認知を取り戻し、気がつけば、インディーズのjQuery があった。真っ赤な血染めのキーボード。真っ青なスクリーン。あんなに嫌っていたjQueryと同じものを自分が作り出すなんて。

邪悪。『気がつけば』というのは嘘だ。止めることもできたはずだ。意識と無意識に境界はない。エゴとアルターエゴにも。どう言い訳しても再発明したのは自分だ。

jQueryの肩代わりを書く。書くことでメカニズムを識る。識るは楽しい。ミミクリ(模倣)も楽しい。その心の隙きにつけ込んでコードの海で死んだjQueryの亡霊が戻ってくる。

いつでもサポートお待ちしております。凍える荒野を行く旅人の足を前へ進めるのは、いつだって心地の良い熱を持った風だから・・・