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コンビニの悪魔

こんにちは。初ギプスです。学校の文芸部の人数が少なくて部誌がペラッペラになりそうだったので一時間ちょっとで書いた超短編です。スピード感と異常なテンションが根底にありますね。

↓本編

コンビニの悪魔

俺たちは採石場で働くおっさんだ。しかしコンビニに入った途端、俺たちは悪魔と戦うことになる。

「源さん、今日も疲れましたねぇ」
「何言ってんだ耕三、まだ午後の労働があるだろう」
「うひゃっ!そうでしたねぇ」
今日も昼食は安い麦茶と量だけのスタミナ丼で済まそうと思っていたその時だった。
「外は暑そうですねぇ~、源さん陽炎ができてますよ」
「こんな暑い日には冷てぇもんが…くっ、耕三!」
「源さん!何があったんで…これは!明治エッセルスーパーカップ超バニラ!!!!!」
「助けてくれ!耕三!俺はこいつを買い物カゴに叩き込んで、夏の日差しで少し柔らかくなったのをレジで貰った木のスプーンでかきこみてぇ!そんな悪魔と戦ってるんだ!あぁ、カップの中から広大なバニラアイスの海が、そんな夏が手招きしてやがるよ…」
「源さん…源さん!しっかりしてくだせぇ!!!
あんたは何のために午前中、灼熱の採石場で働いてきた!あんたは娘の友達が来たときに娘が『お菓子一つ出せなくてごめんね』って言ってたのを忘れちまったのか!七つの娘の、申し訳なさそうな顔を、忘れちまったってんですか!源さん!」
「すまねぇ…ひろこ…お父さん情けねぇよ…ありがとう、耕三。おかげであの時の胸を引き裂くような気持ち、思い出せたぜ…」

俺は明治エッセルスーパーカップ超バニラという悪魔に勝つことができた。午後の労働も、ひろこのことを思えば辛くはない。俺は、ひろこにとってのヒーローでなくてはならないのだから。

明治エッセルスーパーカップ超バニラ
株式会社明治から発売中

夏暑く冬寒い採石場の性質を活かして何の商品でも作れるようにできていますね。
アニメ化、映画化、待ってます。
そうでなくても、人気があれば続きます。少しずつ切ない家庭環境が判明していきそうで嫌ですね。

それでは、失礼します。

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