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星野 道夫さん

星野さんの本を読まなければ、アラスカや極北の自然に触れることはなかっただろう。
行ったことのない場所の風景、一生のうちにおそらく行けないであろう極限の地の空気を、本を開けば想像することができる。
本を読むことの醍醐味の一つだ。

星野さんがたくさんの文章で、アラスカの景色や自然のこと、そこに住む人々のこと、そしてかつて住んでいた人たちのことを記しておいてくれたおかげで、いまわたしはそのことを知ることができる。
もう、感謝しかない。

星野さんが高校生のころ、毎日電車に揺られている今この時も北海道でヒグマが生きていることが、気になって仕方がなくなったそうだ。
気付かないとなんでもないことだが、本当にそうなのだ。
今この時も、アラスカや北海道でクマが生きているし、どこかの大海原でクジラは悠々と泳いでいる。どこかの山では雪が吹雪いているし、どこかの草原では小さな花が蕾をひらき始めている。
そのスケールを自分の中に持つということ、地球や、自然という視点を持つことが、どれだけわたしを安心させてくれることか。

いつだってなにがあったって、わたしは地球の上で生きているんだ、アラスカのクマと同じように。

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