退屈

 空白が四方にのびる
 空白は内部に向かう
 時は眠る
 沈黙。

 沈黙が耳を塞ぐ
 沈黙が声を奪う
 沈黙を挨拶が破る
 挨拶。

 日が昇る頃無造作に
 日が沈むころ無造作に
 挨拶がこだまする
 こだま。

 あちらの壁でもはねかえり
 こちらの壁でもはねかえり
 鳴りやむことなく繰り返し
 鳴りやむことなく繰り返し
 鳴りやむことなく繰り返す。

 鳴りやむ。

 前触れなく、痛みもなく、終わりがくる。
 そして、

 こだまのない空白が
 私の四方にのびる
 私の内部へ向かう

 いきていても
 しんでいても
 おなじこと。