目力のあるヒロイン①

 日本のアニメやマンガは,実際の人間とは違う描き方をしているので,まあ実写とは違うのは当然で,特に「目」は,大きく書かれるのがデフォルトである。

 しかし,その中にも,それこそ「目を引く」キャラたちがいる。

 少々新しいところから,ちょっとお気に入りの「目のでっかい」キャラを何人か紹介。

1 大塚彩華(ブスに花束を)

 このキャラは,主役ではない。ヒロイン「田端 花」の友人であり,そのイケメン彼氏「上野陽介」の古い友達というポジションにいるギャル系の脇役である。しかし,性格は明るく,上野君への好意も多少は抱きながらも,花ちんの恋路を積極的に応援する,暖かい役どころである。
 特徴的なのは,典型的なギャルではないものの,黒く焼けた肌と,ギャルっぽい外見に,キュートな大きい目は,もう一人のワキである「鶯谷さん」とは対照的なアクティブさを見せている。
 彼女自身の恋路があまり語られないのは残念な気もするので,ぜひ,高校デビューした「恋愛マスター」新橋君には頑張ってほしい。

2 Miss Stocking(パンティ&ストッキングwithガーターベルト)

 ハチャメチャお下品アニメのヒロインである。パンティも顔の作りは似ているのだが,初めて見た時に,ちょっとドキッとしたのは,長い髪に大きな目のストッキングの方だった。まあ,見る人を選ぶ,ポプテピピック の元になったようなアメリカンカートゥーン風純日本アニメの主人公なので,内容はさておき,キャラとしては愛くるしい役担当ということで,一見の価値ありである。

3 田中さん(クラスメイトの田中さんはすごく怖い)

 このマンガはいわゆるインディーズに近い作品である。一話ごとの長さも短く,紙媒体での発行はもしかすると薄い本状態かもしれない。そんな 作品のヒロインであるこのキャラは,同級生である主人公に対して何かときつい目を向け,主人公をびくつかせているのだが,ふとした折に見せる かわいさやポンコツな感じがとてもよいのである。また,田中さんの特徴は,大きい目もそうだが,扉絵に描かれた絵だけ,まゆ毛が太くなっている。本編ではあまり強調されていないので,太眉ファンからすると,少々欺され感があるのだが,キャラの面白さは秀逸なので,ぜひ読んで見ていただきたい。

4 田中信子(モブ子の恋)

 このマンガは,不器用な大学生の二人が,本当にもどかしい時間を経て,徐々に恋を暖めていく,ほんわか系ラブストーリーである。そのヒロイン,通称「モブ子」の表情は,白目の少ない大きな目の動きが特徴的で基本、コミュ症の男女の話であるため,あまり言葉が交わされない中,目はとても雄弁にヒロインの意思を表現していて,時折見せるドラマティックな展開を,とても豊かに見せてくれる。

5 猫猫(マオマオ:薬屋のひとりごと)

 いわゆる「中華モノ」に属する長編マンガのヒロインである。元医師の父親からの薫陶を受け,薬品や医学に優れた素養を持ちながら,後宮勤めや奚として働きながら,彼女に微妙な愛情を見せる「壬氏」とのなんとも言えない和やか愛情話,そして颯爽と事件を解決するヒロインの活躍が描かれる。彼女の変人っぽいところや,その生い立ち,そして家族関係から来るやや暗い性格などが,彼女のつぶらな瞳を目立たせることで,絶妙に暗黒面に落ちずにいられる作品になっている。

6 音無サン(Tenちゃん時:ギャルとオタクはわかりあえない)

 これもまた,ちょっとニッチな作品(完結済)である。高校に通いながら地下アイドルを続けている,普段は気の弱い根暗なヒロインが,熱狂的 なファンである同級生に正体がバレつつも,絶妙な間隔で関係を保ちながら,展開されていく,ちょっと不思議なストーリーになっている。そして、このアイドルバージョンのヒロインの描き分けは,アイドルと高校生という事もあって,きちんとできており,アイドルサイドでは、かわいさが際だつ絵柄になっている。時にサブヒロインの早乙女さんを翻弄しつつ,一緒に悩み,一緒に青春する音無サンが,早乙女さんに向かって「Ten」として愛を送るシーンは,とても暖かい。

7 夜凪 景(アクタージュ)

 いろいろ言いたい作品ではあるがそれは置いておいて,メインヒロイン夜凪景は,一目見れば強く記憶に残る,印象的な描き方がされている「大きい目」のキャラとしては出色の出来であると言えるかもしれない。俳優として成長するストーリー自体,「目」の動きがキャラとして表現されているし,景自身のちょっと虚空を見るような焦点の合わない顔や,生活面 ではポンコツだったり,服装のチョイスが造作にまったく似合わないダメさ加減などが,景の整った,知的美人としての表情を嫌味のないものにしている。硬軟のバランスがとても好印象を与える作品である。決めポーズでアップになった時の景の顔はちょっとドキッとさせられる。

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今回のところは,7人ほど思いつくままに上げてみた。まあ,最初にも書いたとおり,目の大きいヒロインと言っても,マンガなので当たり前と言えば当たり前だし,ちょっと思いつくだけでも五十嵐色葉,古見硝子,村山片栗子,星野海咲,山田杏奈,鷹野瞳,ソラ,高嶺花・・・いろいろ挙げられるけれども,今回は,ライフ並みに大きい目をしたヒロインたちの紹介としてみたということで,気が向いたら②を書こうと思う。

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