好きな主人公令嬢5人(ただし順不同)

1 グラディス・ラングレー

 なろう物「大預言者は前世から逃げる」の主人公。あまりネタバレはしたくないので,あらすじは語らない(以下同じ)けれど,前世を複数持っていて,その一つが日本人というちょっと盛りの良い,転生主人公である。

 自分の好みは「チート魔導師」なんだけど,この人は魔導師ではないし,魔法バンバン魔物ガシガシ,アイムバーサーカーってな感じに突き進む系の人ではない。前世にいろいろあったおかげで,自分好みの人生が送れなかったと嘆き,今度は!っとばかりに,授かったいろいろを最大限駆使して,ゴーハッピーな人生を歩む物語の主人公である。でも,よく考えたらこの人は「大預言者」なので,いろいろ未来が見えてしまうのはチートと言えるかもしれない。

 そしてこの作品,脇がまた面白い。いつものように王族や貴族,そして後から出てくるムニャムニャ・・・それぞれが個性豊かな上に,主人公への絡ませ方が上手で,作者すげーって思う。まだ連載中なんだけど,このまま落ち着いていけば,サザエさんばりの長編になっても,全然苦じゃない作品になってる。

 だって困ったら転生させちゃえば良いんだし・・・ピュー

2 ユリア・フォン・ファンデッド

 なろう物「転生しまして,現在は侍女でごさいます」の主人公。自らは偉い位置にいるわけでもなく,現王女の筆頭侍女というちょっと地味?(筆頭女官のどこが地味?)な位置からの視点で物語は始まる。

 でも,実はこの物語,主人公はちゃんと主人公しているのである。まあちょっとバラせば,「ピュアで不器用な年上の恋愛ストーリー」なのだ。

 読む内に分かる,なんて難しいことはなく,ちゃんと始まって続いてゆくんだけど,まあ,じれったい。年の割に「前世がムニャムニャ」なので,なかなか進まないんだよ,これが。さらに,お相手はこの世界の中の人なんだけど,やっぱりチョットばかり人間関係をこじらせている騎士様,こっちはこっちでなかなかに人を見る目があって,実は荒ぶる何とかなところもあるのに,主人公への態度は,まあそれはそれは甘い。

 この恋愛のじれったさを軸に,王女や,「このゲームの主人公」なんていうありがちの話題がからまって,すいすいさは平均以上なんである。よくある貴族物とはちょっと違うストーリー展開を,このバランス良く前世と今世をミックスさせた思考回路を持った主人公の語り口で聞く,安心感をぜひ味わっていただきたい。

3 アイリス・ラーナ・アルメリア

 なろう物(って,みんなそうじゃね?)「公爵令嬢の嗜み」の主人公。

 この主人公は,悪役令嬢としてド派手に登場し,ドツボにはまって落ちる展開から,もう一度上がっていくという,壮大?いえ「やっぱりありがち」なストーリー展開の安定感抜群の主人公である。

 そして,この主人公もなろう物としては珍しい,魔力なしである。まあ,世界観が魔法をあまり必要としない場所ってのもあるんだけどね。しかし,これもまたありがちな,魔力がなければ「前世の知識があればいいのよ」って訳で,この人の前世は某「合格難しい資格」の一つの知識を豊富に持ってます。そう,今世ではそれだけで,主人公,「国家体制」を作り上げます。

 すごいでしょう?これがねえ,結構面白いのよ。そしてこの作品も脇をしっかりいい男でまとめ,悪役は比較的楽に,大変な場面があっても,誰かがサッと駆けつけてくれるので,読んでてストレスはちゃんと解消されます。そして,これもまたまたまたよくある「前世では人間関係不幸」な主人公の人見知りと,相手のストレートな表現を誤解する自己評価低めの性格が,何とも仕事のキレッキレな感じと対照的で面白いです。

 この作品は完結しているので,続きを渇望する状況にはならないので,安心の作品となっております。

4 アデル・フォン・アスカム

 知る人ぞ知る,と言うより,ご存じ「私,能力は平均値って言ったよね!」の主人公。

 この主人公,ちゃんと令嬢なんである。そして,話のかなり早い段階で,大きなエピソードがあって,子爵家を継ぐことになるんだけど,そのことで逆に主人公は自由を求めて旅立つんだよね。

 この作品,アニメもコミカライズも好きなんだけど,敢えてこの作品を挙げたのは,この作品に関してちょっと気になる風評があるからなのだ。
 この作品を読んでいると,本当にそこかしこに「無駄に力の入ったオヤジギャグ」が出てくる。数もそうだけど,おじさんが読んでてちょうど分かるくらいの古いギャグ,そしていわゆるダジャレだけじゃなく,○○の決めゼリフとか,当時のキャッチフレーズとかCMとか,結構カバーする年代も広くて,ブレーンの知識の広さには感心するんだ。

 もちろん,原作からこの調子なので,アニメ化してもこの調子は外せない,というか,この作品からこの「『つまんねえ親父ギャグ』で脇役が反応できなくて,アセアセする主人公」っていうシーンがなくなると,炭酸の抜けたコーラみたいになっちゃうんで,何かね,「変な地口でツマンネ」とか,「親父ギャグイラネ」とか言われると,ファンとしては,「そここそ,じっくりと楽しんでほしいんだけどな」と残念に思うんである。

 現在も続いている作品,アニメは本当に最初のちょこっとしたエピソードをワンクールに上手にまとめた作品になってるので,「ワッホーワッハー」言いながら見てほしい。

 そして,そんなギャグばかりではなく,王道のなろう物「主人公超チートの魔法が使える最強剣士,だけどちょっとおバカ」ストーリーなので,安心して読んでいられる作品である。途中からむにゃむにゃがムニャして,仲間が○○したりする上に,それがあとからちゃんと絡んでくるので,

「「「・・・!!!」」」

を探して,生きていけばいいさと叫んでほしい。

5 エレイン・ラナ・ノリス

 やっぱりさいごもなろう物,「地味で目立たない私は,今日で終わりにします」の主人公。

 この主人公は,公爵令嬢でありながら,前掲3のアイリス同様,初っぱなにどーんとかまされて,令嬢らしからぬ人生を歩み始めます。とは言っても転生者ですから,人生ちょっとダウンストリーム食らったくらいで,へこたれるもんではありません。さらにこの人は,すでに令嬢時代から前世に目覚めていますので,その知識で修羅場を事前に察知した上,逃れられない運命と悟って準備しているんですね。

 まあ,こう書くと唐突に見えますが,やっぱりこういう始まりは面白いですね。ジャケ買いじゃありませんが,ちょっと2,3話読んだところで,こうした展開になると,やはりハマりますね。

 そして,この作品も脇役というかサイドストーリーも上手に作られていて,時に王族,時に商人,さらにはいかにも日本人的な脇役が最初からいて,でも,押しつけがましい感じではない,ちょい絡みなので,すんなり読み進められます。

 まあ,これもまたラブストーリーとしては,ピュアじゃな。一人そうしたしがらみの場である貴族社会からむにゃむにゃして,生きる主人公。しかし,結局は運命からは逃れられず・・・

 この主人公,格好いいですぜ,親方。


ちょっと書きたくなってから選んだのだけれど,今読み返してもちゃんと自分の好きな令嬢は書けてるのに一安心。もちろんマイルのようにすでに有名なキャラクターもいるけど,もっと推したいので,ご一読あれ。

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