たぬ@海外精子バンクのドナー精子で親になった無精子症患者
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無精子症の私がdonor-conceived childrenの親になるまで(9・完) ドナー利用に対する批判について
不妊治療は「親のエゴ」なのかドナーの利用に限らず、不妊治療には、「親のエゴ」だという批判があると聞きます。
私は、それを否定できませんし、否定しません。私の子どもが欲しいという思いには、妻が苦しんでほしくない、自分も妻が苦しむ姿を見たくないし妻に恨まれたくないという思いは含まれていたと思います。
でも、それはドナーの利用や不妊治療の問題ではなく、およそ、子どもを生むことについての問題です。全ての子
無精子症の私がdonor-conceived childrenの親になるまで(7) 治療の終わりと子どもたちを待つ日々
治療の終わり赴任先のクリニックの知識や能力、設備には当初からかなり不安はありました。
日本の有名クリニックの医師や設備の水準を知っている中で、それと比較すべくもない医療のクオリティの低さと、反対の意味で比較すべくもない医療費の高さに、海外の医療事情の厳しさを思い知らされました。
それでも、通院していたクリニックは、赴任先の中では破格と言える安い診療報酬で受けてくれていたので、予算に限りがある中で
無精子症の私がdonor-conceived childrenの親になるまで(5) TESE(精子採取のための手術)の不成功
TESEの不成功幸せな1か月
転院先のクリニックでは、TESEに先立って検査を行いました。
新婚旅行の初日、クリニックから電話があり、検査の結果、精子があるのでTESEを実施すると伝えられた私は、妻と抱き合って喜びました。
新婚旅行からTESEまでの1ヶ月弱、私と妻は、私の無精子症が見つかる前のような、本当に晴れやかで幸せな気持ちで楽しみました。
後に、妻は、この幸せな1ヶ月弱は、私たちが普通
無精子症の私がdonor-conceived childrenの親になるまで(4) TESE(精子採取のための手術)の実施まで
TESE実施の決定と転院TESE実施の決定
確定診断から約1ヶ月後、私は、Micro-TESE(精子採取のための手術。以下「TESE」)の可否の検討結果を聞くため、再度男性不妊外来を受診しました。
担当医は、カンファレンスの結果、私のTESEを実施することになったとして、TESEの日程を予約させてくれました。
私の希望は辛うじて繋がったのです。
そのときの病院帰りは、妻と、「はじめて、病院か
無精子症の私がdonor-conceived childrenの親になるまで(3) 遺伝子(Y染色体AZF-b領域微小欠失)異常の発覚
遺伝子異常の発覚男性不妊外来の受診
紹介先の総合病院の男性不妊外来は混雑していてなかなか予約が取れず、はじめて受診したのは、最初の検査から約3ヶ月後のことでした。
紹介先では、まず、原因を調べるための詳細な検査をすることになりました。健康保険適用の検査と適用外の検査を受けて、保険適用外の検査の高額さに驚きました。
遺伝子異常の発覚
検査結果を聞きに行くときは、妻も付き添いました。
コロナ
無精子症の私がdonor-conceived childrenの親になるまで(2) 妻との出会い~無精子症の発覚
妻との出会いもともと、私は、自分が無性愛者なのではないかと思っていた程度には、パートナーとの交際に興味がありませんでした。しかし、30歳が迫る中であらためて将来を考えたとき、自分が生涯独りでいられるほど孤独を好んでいるわけではないことに気付き、いわゆる婚活を始めました。
正直に言えば、私が本当に欲しかったのは子どもであり、パートナーではありませんでした。もちろん、パートナーをないがしろにするつも