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美容師ジプシー

私は現在、美容院難民。
美容院は星の数ほどあるのに、って思うでしょう。

でもお気に入りのカラーとトリートメントを取り扱っており
カットの腕がよく、家からそれほど遠くない距離。
そして施術者との相性がいい。
これで探そうというと意外に難しい。

初めて髪を切ったのは母に連れられていった美容院。
おしゃれに目覚めるうちに、だんだんそこのセンスが
昭和すぎることが無理になって離脱。

その後いろいろな美容院に行ったと思う。

産前は10年以上同年代の美容師さんに切ってもらってた。
でも今はもう通っていない。

通勤経路にあったから転職してからアクセス悪くなり、
産後の育児が過酷&仕事復帰してしばらく行けなかった。
でも近所の美容院ではやっぱり満足する人に出会えず、
慣れたあの人に切ってほしいなと思い、何とか時間を作って
通うの再開した。でもなかなか難しく、半年あくことも。

ある時、帰り際のお見送り時に挨拶したら冗談ぽく
「どうせまたしばらく来ないんでしょ(笑)」って言われた。

多分そのとき結構アップアップだったんだろうな。
スッと冷めてしまって。

子どもを見ててもらえるわずかな時間で行き来できる
近所の美容院と二股状態は、感じよくなかったかもしれない。

だけど、それでも切ってほしいから無理してたのになー。

「どうせ」っていう言葉がゆとりのない心に鋭く刺さり、
そんなこと言われるなら時間と労力さいていかなくていいや。
糸がプツンときれたまま行かなくなってしまった。

今思うと「そんなことで?」って感じなんだけど。
本当に余裕がなかった。

新しい美容院に行くのはエネルギーがいる。
心身ともに調子いい時しか新規開拓できない。
私の第一関門はいつも「初対面トーク」なのだ。

美容院で会話も楽しむ人もいると思う。
うちの母なんて月2回に分けて違う美容院いってる。
その理由が、本命店のカットが下手すぎるから。
そこは控えめに言ってすごく腕が悪い。
毎回、母はヘンテコな髪型にされて帰ってくる。
それでもう1件にメンテにいってる。
なぜ店を替えないのか?無駄じゃないのか?
それは、腕が悪い店のほうが楽しいから。
店主と年代が近くお話するのがとにかく楽しみ。
それだけ。技術とかどうでもいいの。
地域の美容室はそういうニーズもある。
年を取ると物理的にお友達が減っていくからね。

反面、私はあまり意味のない会話が好きではない。
だから会話を楽しみにして通う動機はほぼない。
意味のない会話とは。

例1「今日お休みですかー?」
わかってる、わかってるよ。
そのセリフが「とりあえずビール」ぐらいの軽いノリであろうことは。
なのに(仕事中に来るわけないだろう)って思っちゃうんですよ。

例2「お子さんは今日あずけてきたんですか?」
(一人で置いてくるわけないでしょ)と思ってしまう。

色々話をふられて(興味ないから雑誌よませてー)と
思いながらも、にこやかに聞いてしまう私の悪い癖。
本当に要領が悪い。

あと、何かと一生懸命ブローの説明されませんか。
ドライヤーは後ろから前に~ってヤツ。
もう何百回も聞いたよーって。
ただ朝はそのようにする時間的余裕がないのだ。
だけど、一生懸命な相手にそんなこと言えない性格なので。
毎度初めて聞いたような顔で相槌を打ってしまう。

そんなことばかりしていると何が起こるか。
「きれいにしてもらってよかった!
でもなんか疲れたな。。。美容院やっぱ疲れる」

誰のせいでもなく起きる怪奇現象。

(お金払ってリラックスしに行ってるのに気疲れっておかしいでしょ)
自分の中のもう一人の自分が呆れている。
だってこういう性格なんだもん!

髪のオーダーだけ聞いたら理想通りカットしてくれて、
シャンプーがうまくて、余計なこと聞いてこなくて、
静かに過ごさせてくれる人いないかな。

余談:
タイトルは美容院ジプシーのほうがいいのかなと
思ったけど、カットは技術者と一対一の関わりになるので
こっちにしてみた。

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