畠中詔摩の日記

Alphatique代表の畠中詔摩です。Alphatiqueの軌跡、私個人の興味や趣味…

畠中詔摩の日記

Alphatique代表の畠中詔摩です。Alphatiqueの軌跡、私個人の興味や趣味に関する話題も、ジャンルに関係なく毎営業日綴っていく予定です。ご支援のほど、よろしくお願いいたします。

最近の記事

金の価値 2024/03/05

金のスポット価格がドル基準で史上最高値を記録しました。金に対する人々の見方は多岐にわたります。消費者にとっては美しさと永遠性を象徴するアクセサリー、電磁気学系の研究者には耐食性などその優れた物理的性質から重宝される素材、投資家にとっては安全資産として位置づけられます。金価格の上昇は、金の代替通貨のような側面から、通貨の信頼性が低下した時に見られます。例えば、2020年のコロナ危機時にマネーサプライが急激に膨張した際や、ロシアの軍事行動が地政学的リスクを高めた際に金価格は上昇し

    • ハンク・ポールソンとリーマンショック 2024/03/04

      ハンク・ポールソン元米財務長官の回顧録を読んでいます。彼は、2000年代初頭にゴールドマン・サックスのCEOを務めた後、2006年から2009年まで米国の財務長官を務めました。その任期は、リーマン・ブラザーズの破綻と重なります。リーマンブラザーズの破綻は資本主義の崩壊を危惧させるほどの衝撃を与えました。 リーマン・ブラザーズが破綻した背景を簡単に説明しますと、2000年代初頭のITバブルの崩壊と9/11テロによる経済の冷え込みを受けて、当時の米中央銀行総裁アラン・グリーンスパ

      • 三島由紀夫 2024/03/01

        訪れた書店で様々な本が並ぶ様子を眺めるのは楽しいものです。世の中の流れを感じ取ったり、小賢く一丁前に選書のセンスを評価したり、そんな風に私は書店を楽しみます。私が特に注意深く観察するのは三島由紀夫作品のコーナーです。小学生の頃に『仮面の告白』を手に取った時、最初は『何で俺は同性愛のおっさんの性癖を聞かされてるのか』と思いましたが、読み進めるうちに、三島由紀夫作品の魅力に引き込まれました。三島由紀夫の文体は、派手でありながらも過度な装飾による中二病臭さがない綺麗な文章です。三島

        • 4年に一度のうるう年 2024/02/29

          2024年は4年に一度のうるう年であり、本日2月29日が存在します。4年前の2月29日付近の数週間を振り返ると、コロナウイルスの脅威による経済活動の停止や、3月6日にロシアが追加の減産を拒否し、OPECプラスの協調減産が崩壊したことで、金融市場、特に原油市場が大きく動揺していました。原油価格は天に踊り地に伏して乱高下し、一日に30%もの暴落を記録したこともありました。オクラホマには大量の原油が余剰となり、WTI原油先物がマイナス価格に転落したので、タンカーを派遣して原油を引き

        金の価値 2024/03/05

          退寮につき、掃除の決行 2024/02/28

          私が通う大学では、入学後の最初の一年間は寮生活が義務付けられています。そして、一年が経過し、私は3月に退寮を控えています。自分の欲求に惑溺しやすい私は『結局、また汚れる』という虚無主義を常套手段に、掃除を避け続けてきました。そんな毎日が積み重なり、部屋は怠慢の匂いでむせ返っていました。何とかしなければなりません。退寮という、逃れられない事実が私を動かし、今日掃除を決行するに至りました。掃除中に、『いっそ、大学の寮を自治寮にしてしまえば、掃除しなくても良いんじゃないか』と一瞬考

          退寮につき、掃除の決行 2024/02/28

          十九歳の理想としての親 2024/02/27

          大学の同輩から、『お前は結婚して子供が出来たら子供をどう大切にするか?』と質問されました。私自身全くイメージが湧きませんし、子供を大切にする方法は千差万別で、正解などありません。しかしながら、世間でしばしば見受けられる、子供の学歴や収入といったステータスのみが、自己に輪郭を与えうる、そんな親にはなりたくないです。そんな親は『三十代になった時、シャネルのスーツが似合う雰囲気を持った女性になりたい』としか、思い描けない空虚な存在と大差ありません。 私は、消費社会に付随する、なんと

          十九歳の理想としての親 2024/02/27

          東京理科大研究室訪問 2024/02/26

          東京理科大学の電子システム工学系の研究室を訪れました。この訪問は、修士の友人が私を招待してくれたもので、彼が案内してくれました。研究室では、トライボロジー発電の分野やナノチューブの製造工程など、さまざまな研究テーマについて学ぶことができました。特に印象に残ったのは、重厚な機械設備の数々と、それを駆使して行われている先端的な研究活動です。友人が研究しているEIT(電気インピーダンス断層撮影)について語られたとき、その話は私の心に深く刻まれました。遠く感じていたEITの世界ですが

          東京理科大研究室訪問 2024/02/26

          史上最高値更新 2024/02/22

          日経平均株価が史上最高値を超えました。株価は実体経済をとらえていないと、しばし批判を受けますが、株価とは経済に対する態度であり、心理状態の反映に他なりません。それがセンチメントとして現れ、経済の先を行くのは、実に自然なことです。センチメント、これがまた厄介で、なおかつ重要なのです。 経済の合理性を前提とすれば、金利を下げることで民間の借入が促進され、金利を上げることで企業はバランスシートを強化する傾向にあるという単純な関係が成立します。しかし、人間は単に経済合理性に基づいて

          史上最高値更新 2024/02/22

          『ボボボーボ・ボーボボ』から紐解く東洋思想 2024/02/21

          実家に帰省し、書斎を眺めながら物思いにふけると、『ボボボーボ・ボーボボ』という漫画が目に留まりました。『ボボボーボ・ボーボボ』は週刊少年ジャンプにて連載されていた漫画でして、アニメも2003年から2005年まで放送されていました。作品のキャッチフレーズは『不条理ギャグバトル漫画』であり、端的に言って狂ってるんですね。第12話のあらすじを記載します。以下あらすじです。ボーボボ(主人公)たちは田舎へ帰省していた。まごころ込めて植えた割り箸畑から、メルヘンチック遊園地が獲れたが、そ

          『ボボボーボ・ボーボボ』から紐解く東洋思想 2024/02/21

          連続性から逸脱したおっちょこちょいな奴 2024/02/20

          ジムからの帰途、自転車のタイヤがパンクしました。4月から数えて、これは既に三度目の出来事です。私は普通に生きているつもりですが、なぜか私は常に些細なトラブルに見舞われるようです。生活の中で外の世界が、様々な角度から絶えずめんどうな状況を持ってくるので、私の日常の反復は破られます。端的に述べるならば、私は通常の生活を送る能力が不足しているおっちょこちょいな奴ということでしょう。毎日同じ時間に寝て、掃除をこなし、仕事場に行き、いつもと同じ道を帰る。このような連続性の中で生きること

          連続性から逸脱したおっちょこちょいな奴 2024/02/20

          ヘルスケアワラント 2024/02/19

          週末に、ESG金融商品の開発に向けた簡単な資料を作成しました。資料の文章から、価格決定モデルの構築、価格計算のためのプログラミング等、一日で一気に全部やり切りました。価格決定モデルは調子に乗って解析型とモンテカルロシミュレーション型の2パターンつくりました笑。小さな達成感に浸ってます。 提案するESG金融商品は、従業員の福利厚生と企業価値を結びつけるための新しい方法として、「有休消化率」と「株価」を権利行使のトリガーとするワラント、「ヘルスケアワラント」と名付けました。この

          ヘルスケアワラント 2024/02/19

          海藻とCO2 2024/02/18

          東京海洋大学で海洋系の研究をされている方と話す機会があり、興味深い話を伺いました。その方は、CO2問題を海藻で解決できるとおっしゃっていました。気候変動の緩和が急務とされる今日この頃、海が陸よりもCO2を多く吸収していることから、海草生態系の保全や再生いわゆるブルーカーボンが、気候変動対策においても非常に有効だということです。ブルーカーボンという言葉は、海洋生態系に蓄積される炭素を指し、陸上の森林に蓄積される炭素、いわゆるグリーンカーボンとは対照的な概念だそうです。彼は「時代

          海藻とCO2 2024/02/18

          運転免許 2024/02/15

          読了後の感銘深さから、『南総里見八犬伝』の聖地巡りを計画したものの、電車での移動は思いのほか長く。運転免許のない私は、友人の助けを借りることにしました。このような時、運転免許があれば便利だと感じるものの、自動車に乗る頻度や、免許を取得するための手間を考えると、心の中の検閲官はなかなか免許取得のゴーサインをくれません。10年前くらいでしょうか、『ドラえもん』の物語を通じて、免許取得を誘起するトヨタ自動車のCMを思い出しました。ジャン・レノがドラえもんを演じてたやつです。物語は、

          運転免許 2024/02/15

          時速1500キロメートルで回る地球 2024/02/14

          すっかり昼夜逆転してしまいました。私の1日は10時間の睡眠と16時間の活動で構成されており、地球が自らの軸を一周する24時間とは異なる26時間のリズムで刻まれています。なので、何も対策を講じないと、毎日起床と就寝の時間が2時間ずつずれてしまいます。私にとって、地球はなかなか難しいです。地球の一周は約40,000キロメートルですから、1日を26時間とする場合、地球の自転速度をどうにか頑張って、時速約1500キロメートルまで減速させる必要があります。時速1500キロメートルだと、

          時速1500キロメートルで回る地球 2024/02/14

          サウナ 2024/02/13

          流山おおたかの森にあるスパメッツァおおたか 竜泉寺の湯に向かいました。そこにある、ドラゴンサウナと名付けられた五台のサウナストーブから一斉に熱風が吹き出されるロウリュを体験しました。熱風は火傷を負うほどの熱さで、汗は滝のように流れ落ち、その後、『サウナ→水風呂→外気浴』の一連の作法に習い水風呂に身を沈めて皮膚を一瞬で冷やし、外気浴へ。普段感じる温度の+-2偏差の外れ値を通過した皮膚は感覚が研ぎ澄まされており、皮膚の内と外の領域を強く感じ、何とも言えない多幸感に包まれました。サ

          サウナ 2024/02/13

          デジタル化 2024/02/09

          先日、ファイザーのIT部門でシニアアナリストを務める方と話す機会がありました。大学で生物学を専攻した後、1993年から1998年まで金融機関でクオンツとして活躍し、ファイザーでの職務に就かれたとのことです。クオンツの業務は私の専門領域でもあるため、まずは、その時代に金融界で流行していた様々な裁定取引の戦略についての話から始めました。具体的には、現物と先物を使った裁定取引、ADR(米国預託証券)を活用した裁定取引、プットコールパリティに基づく裁定取引などが話題に上がりました。こ

          デジタル化 2024/02/09