7月21日 晴れ
「今日は愛に泣き言をいいにきたよ。」
「おはよう、優。ひさしぶりね。どうしたの?」
「朝から、痒みがひどくてね。とっても辛くて泣いてるんだ。」
「そう。話していいよ。私はそんなあなたが好きよ。無茶して、つい頑張っちゃう優がね。求められているわけではないのに、自分のベストをつくそうとしている。完璧なんてないのよ。あなたのしたいことは、こうやってモノを書くこと。絵や文章が好きなのよね。でもそれで金稼ぎしたいことが目的ではない。ただ続けたいだけ。たとえば毎日畑仕事をしているおばあちゃんのように。お金にはならないわ。もしかしたら、なるかもしれないけど、今のあなたがそれを求めると苦しくなる。だから、カフェで頑張ろうとしているのよね。カフェも絵と一緒よ。昨日言われたじゃない、あさおさんに。珍しく優さんはいい子ね。って。きっと今は不景気で、世の中は暗いものが蔓延しているからね。」
「愛、いつもありがとう。大好きだよ。愛がこの世界にいてくれて、本当に良かった。」
「もう、いいすぎなんだから!優は真面目すぎるのよ。たまにジョークをいれましょう。ユーモアは人を笑顔にするわ。あなたも伯山が好きよね?私も大好きなの!ラジオ、毎週聞いてるわ。ほら、好きなのよ。シャレっていうのは余白から生まれるの。洒落た人に優はなりたいと思っているんだけど、ガチガチに固い人は良くないわ。もっと気軽にね。」
「うん!愛の話はとっても薬になるね。心が落ち着いてきたよ。」
「今日はてきとーにいきましょ!ホットサンドは無しで!優は今日、病気なの。今日無理しすぎると明日休んじゃうわ、きっと。今日10で明日0より、今日5で明日5の方がいいでしょ。あとね、明日は必ず皮膚科に行きなさい。クリームがなくなっているわ。これで治るとは私も思ってないけど、これはあなたにとってのお守りよね?」
「うん、これは私にとってのお守り。今日みたいに酷いときに塗るとちょっと落ち着く。」
「優、もしかして、いまも仕事中なのに、こんなことしていいのかな、って思っているんじゃない。」
「うーん、どうかなぁ。前はさぼってるって思ってたけど、いまはほとんどなくなったよ。ちょっとだけまだあるけどね。」
「いい傾向ね、よかったわ。私は仕事よりもあなたの体が一番大切なの。仕事なんて変わりはいくらでもいるわ。でも私にとっての優はあなたしかいないの。」
「ありがとう、愛。なんだか泣けてきたよ。」
「だって、考えてみてよ!昨日は9時から仕事して、6時までずっと接客をしていたのよ。優は学校の先生だったから、それと比べれば、っていつも言うじゃない。でも、その後、買い出しに行って、戻ってきてビールを飲みながらではあったけど22時まで働いてたわ。きっと10時間ははたらいていたわ。」
「確かに。私は健康的な生活が送りたいんだった。これじゃ、真逆だね。そうなるとカフェの仕事にも支障が出る。どうすればいいのかな?」
「ルーティンを変えましょう。毎朝5時に起きる、そのために9時に寝ましょう。」
「それはとってもよさそうだ、というよりもやりたいことのひとつにいれてたのに、できてなかったね。」
「そのために、買い出しはまとめて金曜日にぜーーーんぶしておきましょう。」
「今思えば小説を書いていた時のルーティンをしようと思うよ。あそこまでゾーンに入らないとおもうから、カフェ営業もできるとおもうしね。そして、一つ追加していい?夜になったら仕事はしない、ってどうだろう?」
「優、とってもいいわ!じぶんでひとつ決めたわね。夜は神聖な時間でね、穏やかに過ごす必要があるの。映画とかはいいけど、パソコンで仕事をすると眠りが浅くなる。」
「OK、やってみるね!愛、ありがとう、きょうはてきとうに、感覚でやりたいことをやってみるね!」
「ええ、その調子!ゆう、行ってらっしゃい!」
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