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(初心者が)2023 Challenge The Izu Velodrome 第3戦に参加してきた話

ベロドで行われたチャレンジ・ザ・伊豆ベロドロームに参加してきた。

上記リンクは道連れにしたオタクの記事なので合わせて読んでみてほしい。


Challenge The Izu Velodromeって何?

要するにタイム計測会である。
1kmTT,200mFTT,4kmIPといった主要なTT種目の計測と、スクラッチ(第1戦)・テンポ(第2戦)・ポイント(第3戦)といったバンチレース、チームパーシュート・チームスプリントといった団体種目が開催される。
これらの種目終了後も、営業時間内であれば練習走行が可能。
それでいて参加料は基本3,500円、団体種目(TP/TS)参加時は追加料金がかかるが安い。シクロクロスより参加料が安いのだから驚き。

一般競技者にとって伊豆ベロドロームのような250バンクを走ることができる機会はほとんどない。
昨年、友人がこの大会に参加しており、面白そう…ベロド良いなぁ…と思ったのも今回の参加理由の一つだ。


友人二人を道連れに。

昨年の11月、ピストに興味を持っていた友人を煽りまくり、FUJI TRACK ELITEの中古車を買わせることに成功。

それから間もなく、もう一人の友人にも同じ車体を購入。
当時はみんな北海道に住んでいたため、雪が解けたらみんなで函館競輪場に~、慣れてきたら計測会に~…

と思っていたら、雪が解けた途端2人とも関東へ転職。
/(^o^)\ナンテコッタイ
経験者の手引きなしに二人が走行会に行くとも思えず…
一緒にバンクを走る機会は永遠に失われたかと思われた。
だが、どうにか二人にトラック競技の楽しさを伝えたい…

じゃあ俺が本州に行って二人と走ればいいんじゃね???(思考停止)

というわけで二人を伊豆ベロドロームへ連行。
何故一般的な競輪場ではなくベロドにしたか、それには理由があり。

・比較的カントのキツい250バンクを経験しておけば一般的な333や400では恐怖心がなくなるということ。
・屋内バンクなので外乱(風や雨)による落車の可能性が低く、落車しても地面を滑走するため(他者を巻き込むような)大きな怪我をしにくい
・屋外バンクと異なり他の選手の走りを見て学びやすい(アリーナ内から見上げることで走行ラインが確認しやすく距離も近い。
単純に俺が走ってみたかった。

という点が挙げられる。
勘違いしてほしくないのだが別に初心者二人に嫌がらせがをしたかったわけではなく、国際規格の競技場でトラック種目を楽しんでもらいたかった…
という点をご理解いただきたい…


で、経験者ヅラしてるけど君は???

と、ここまでいかにも経験豊富です!みたいな顔をして友人を引きずり込んできたが、実のところ私もほぼ初心者

ピストでの実走経験は
・2016年5月(車連主催の強化合宿)
・2016年7月(国体北海道ブロック予選)
の2回のみ( ˘ω˘ )

しかもどちらも借り物の自転車で参加したレベル。
もちろん250バンクを走るのも初めて。
これでよくもまぁ経験者ヅラしてられるな。


機材について

流石にベロド行くのに自分のピストが無いのも困るなぁ…
ということで2年ほど前の展示会で実車を見て一目惚れしていたCinelliのVIGORELLIを購入。
選んだ理由はフレームの色。ギラギラしたものが好き。
パシュートジオメトリーというのを差し引いてもスタック(478)、リーチ(359)、共にかなり小さく、他のバイクと比較検討しようとするとアテにならんサイズ感だと思う。
見た目の問題もあるのでシートがある程度出るXSを選んだが、Sサイズの方がジオメトリが好み…XSだとシート角寝てるしフロントセンターが短い。
あと他の友人にSサイズとMサイズ買わせてから気づいたけどXSのみシート角が寝ている為、チェーン引きを緩めるとタイヤとシートチューブが擦れる。設計ミスか?。

今年の全日本でもこのVigorelliが走っていたのが後押しになった。
「街乗り系ピストで大会出るのってどうなんだろ…」と悩んでたので全日本クラスでも使用選手がいるのは心強い。

構成としては
クランク:ROTOR ALDHU 24 170mm+p2m+bdop
大ギア:Miche 58T,54T
小ギア:Novacorona 12T,13T+DURA-ACE 14,15,16T
チェーン:IZUMI SUPER TOUGHNESS KAI(厚歯用)
ペダル:Speedplay ZERO 50mm(Wahoo名になる前の旧型)
スプリントバー:Alpina 300mm×KCNC ARROW2 150mm/17°
パシュートバー:ZIPP VUKA AERO&SKI BEND×SL SPRINT 100mm/12°
上記のパーツ構成で持ち込んだ。

クランクに関しては個抜きで長いクランクが流行っている事、ケイデンスやパワーを計測しておきたかった事などからロード用のクランクであるALDHU 24にbdopの110to144アダプターを噛ませて運用。
3本ローラーでモガいた時もケイデンス190くらいまでは問題なく回せた為、クランク長170mmを持ち込んだ。

この他にFC-7710の165,167.5mmやデュラのギア板(50-55T)、Visionのエアロクランク165mm(Hooglandが使ってたやつ)など色々な機材が手元にあり、それでローラー乗ってポジション合わせしていたのだが直前になって「パワーメーター使いたいな…」と思って全部入れ替えるという博打を打った。

ホイールはVisionのバトンを友人からレンタル、ディスクは普段TTバイクで使っているSUPER-9を使用した。


いざ伊豆ベロドローム!

8時40分から試走開始…とのことだったのでその前に到着する予定だったが道間違ったり車の上に積んだ自転車が道路の高さ制限に引っかかりそうで停車したりとちょっと遅れて到着。

ベロド到着後はチェーンやギアをセットアップ。

競輪場の発走機より出るのが難しい

その後は試走&発走機の練習。
競輪場によく置いてある発走機やロードTTでの手持ちの場合は自分のリズムで出られる感覚があるが、ベロドの発走機は車体をガッチリ固定し、発走ブザーと同時に固定を解除するシステムになっているので感覚が異なる。
電子計時用なので当たり前だがスタートのブザーが鳴るまで車輪はしっかりと固定されている。
なので遅れて出る分にはどうにかなるが、ほんのちょっとでも早く動き出すと車体が前に出ず「あれっ…?」みたいな感じになる。
実際、練習でそうなってしまいちょっと転びそうになった。

競輪場の発走機はロック板を乗り越える時に勢いがつくので初速を乗せやすいが、ベロドのは走路にタイヤが接地しているので、上手く発走し初速を乗せるためには全身を使った重心移動が必須。
思ってたより難易度高いぞこれ…
結局後述の1kmTT本番でも上手く出られなかった…


第一種目:チームパシュート (54-14T)

緊張感溢れる面々

さて、この日最初の種目はチームパシュート。
メンバーは前述のピストを買わせた友人二人とぼく、そして愛知の強いオタク(手首の骨折明け)
愛知のオタクは僕より実戦経験豊富なので先頭交代やペースなどをどうするかだけ話した。

ピスト初体験の友人二人は、ある程度ロードバイクに乗り慣れているし、脚力(FTP)だけなら僕より圧倒的に強い。運動神経も悪いわけではないので、10分も試走すれば問題なく乗れるやろ!
と思っていたのだが試走段階で一人がカントの下の方で落車しほとんど試走できず、もう一人もそれを見て怖くなったか周りの人が多くて怖かったのかスピードがほとんど出せていない状態。

そのため試走を終えた友人二人に伝えたのは
・無理に車間を詰めない(1車身程度空ける)
・タイムよりも安全重視
というチームパシュートにあるまじき内容だった()

申し込みした時は目標4分50秒、当日朝の自分の体調からすると5分10秒程度かな…なんて想定していたのだが大幅に下方修正。
怪我無く無事に完走することを目標にする。

スタートは4人全員無事(?)発走
250m(1周回)終了時点でこんな感じ。

赤いFUJIに乗っているヒバチ君がスタート直後に千切れる。
一走のさまー、二走のぼく、四走の肇ちゃんはコグが14Tだが、ヒバチ君のみ15Tだったのが影響したかもしれない。

1250m(5周回)終了間際

肇ちゃんは三走を抜いて前に出てきたがぼくらに追いつきそうで微妙に追いつかない、ヒバチ君は40mほど後ろで独走状態。
ペースを下げて4人まとめるか、肇ちゃんを引き上げて3人で走り切るかとても悩んだ。

6周回目途中で先頭が僕にスイッチ。ぼく-肇-さまーの3人で巡行を開始。
元々4分50秒で走り切るつもりのギア設定(3.86倍)だった為、ほんの僅かなケイデンスの上げ下げで速度が変わってしまうのでペースコントロールがとても難しかった。
ケイデンス90で約44km、ここから87まで落とすと追いつかれるし、93まで上げると後ろが離れてしまう。

この写真は比較的3人がまとまっていたタイミング

最終的には落車もなく無事(?)ゴール。
タイムは驚異の5分43秒。伸び代しかねぇな!!!!!
あまりのタイムに(悪い意味で)驚きの声が上がっていた。

会場への到着が遅れ、試走時間があまり作れなかったことが何よりの反省点だろう。
本来、初心者向けの試走時間が20分×2回取られており、合計で40分程走れる予定だったが、1回目は準備がそもそも間に合わず、2回目も固定ギアに慣れるのが精一杯でそもそもスピードを出す練習ができていなかったと思われる。
あと言わんでもバック踏んで減速できるやろと思って何も教えていなかった結果、出走前の整列に手間取り大変なことになっていた。
CSC職員の皆様には大変ご迷惑をおかけしました…。

終わってから考えたけど一・二走に初心者二人、三・四走に経験者の方が良かったかもしれん。
いかに僕らが前を引くかしか考えてなかった。(発走準備で手間取るとかいきなり千切れるとか微塵も思ってなかった)


第二種目:1kmTT (54-14T)

Hooglandの55秒とかいうやべー記録を見たばかりで割とモチベ高く挑んだこの種目。

当初の予定よりもDHバーは高めのセッティング。もう少し下げたかった。

7年前に函館で計測した際は1分15秒。
流石に屋内バンクだし、完璧ではないにしてもポジションもある程度作ってあるのでそこそこのタイムが出せるやろ…という気持ちで出走。

スタートは前述の通り失敗。全然初速が乗らない。
そして1kmTT走るのが久しぶり過ぎてペース配分がわからない。
友人たちには「1kmTTは前半500mで出し切るくらい、初めから全力やで!」って言ってたくせに自分はスローなスタートを切る。
結局巡航速度に乗せるまで1周以上を要してしまった。
スプリット順位も
0-125m区間が29位(14.138)
125-250mが30位(8.407)
250-375mが20位(7.854)
と、スロースタートだったのが数字にも表れている。

もう一つミスがあり、周回数を間違えかけた。
400バンクの走行経験だけが頭に残っていた為、2周半(625m)で終わろうと中盤にペースを緩めてしまった。
「あれ、こんな短かったっけ?」と思いながら走っていたのだが1000m÷250mなので当然4周走る必要がある。
2周回目終了時、「残り2周回」の表示板が視界に入り「あっ、やべっ、何やってんだ俺」と踏み直したものの、気持ちが一度切れたからか、ペースを戻せず500-750mが16.262秒、750-1000mが17.351と持ち直せずに終了。

結果的だけ見るとPBとなる1分11秒865
しょうもないミスさえしなければ10秒切るの余裕やろこれ…ペースさえうまく保てれば8秒台も出せるかな…というのが正直な感想だ。
前日に我が推し、二ノ宮ゆいさんに「頑張って!」と応援していただけたので、自己ベストを更新できたのは素直嬉しいしニノミィに感謝しかないのだが、一発勝負とは言え全力を出しきれずに終わった感があるのは悔しい。

ヒバチ君はDHポジションで走れていた。あとは速度や。
肇ちゃんは何故か最後までベースバーで完走。DHバーに慣れよう。

第三種目:200mFTT (54-12T)

結論から言うと何もかもがダメ
競輪選手養成所に通う小堀敢太(元京産、会えたりしないかなと思ったけど流石に無理だった)にギア を聴いた際「250なら重めのギア踏みますね、58-12T使ってます。」なんて言われたのを真に受けて勢いで12Tに換装。
冷静に考えたらコイツ屋外バンクで1kmTT1分3秒台出してる猛者なので参考にならんレベルやんけ…という事に走り終わってから気づく。

イメージでは
1周半で速度を乗せ(目安50km/h)1センターの一番上へ
→駆け下ろしで勢いを乗せ2センターへ(目安60km/h)
→フィニッシュラインから1センターへ向けてトップスピードで進入(目標65km/hオーバー、ケイデンス120くらいまで回して上げられるだけ上げる)
→200mモガいて11.2秒

のつもり…だったがそもそもギアが重すぎて1周回終了時点で全く速度が乗っていない。40km/h程度しか出てなくて「あっ、ヤバい、助走距離足りんぞコレ」と焦る。競技会と違ってプッシュされないからそら初速乗らんわな。

計測開始時にスプリンターレーンに入っていない。

その後も2センターで約55km/h、ホーム側パシュートラインで60km/hと話にならないレベルの速度。
まともに踏み込めないまま計測開始。

ラスト100m地点ではかろうじてスプリンターレーンに入っている。

200mの計測開始までの走行ライン取り(パシュートライン-フィニッシュライン-200mライン)は悪くなかったのだが、速度が出ておらずビビってしまい、スプリンターレーンに車体を収めることができなかった。
というかポジションが合わず、速度も乗っておらず、力が入らないからか走行ラインが外側に膨らんでしまった。

結局タイムは12.3秒
まともにモガくことすらできずに終わった。
無難に54-13Tでスタートすべきだったな…

60km/h超えの地点のはずだったが想定より遅く、カントの上が使えていない。

正直この日一番気合を入れていた種目だけに最も不完全燃焼感が強かった。
この日の為だけにALPINAの300mm幅のハンドル買ったのに…
目標タイムは11.2秒だったが1秒以上遅く、マジで恥ずかしかった。


観戦:ポイントレース

アウト側スタートのさまーちゃん

友人がポイントレースに出る為序盤だけ観戦。
2回目のポイント周回が終わる頃に一足先にベロドを離脱し、羽田空港へと向かった。


反省点

・ウォームアップ不足
どの種目も出走直前までバタバタしていて体を温めることができなかった。幸い3分程度はローラーに乗れたので心拍は80%程度まで上げられたが借り物のローラー台だった為負荷のかけ方がわからず、くるくる回すだけになった。
当日はベロド内の気温も20度を超えてくれていたおかげで、ケガはなかったが気温がもっと低ければ筋肉へのダメージも大きかったと思われる。

・過信
特に200mFTT。一度も使ったことがない54-12Tを当日突然使う、今まで天地返しで使っていたステムを地面と水平に使う、などなど。自宅でのローラートレーニング時にやらなかった事を現地でやり始めたのはアホとしか言いようがない。
ハンドル位置に関してはALPINAのバーがドロップ量多い形状の為、かなり前傾姿勢になり、前後タイヤへの荷重のバランスが崩れ、上体に力も入らず話にならない結果に終わった。

・友人の車体の検車
同行の二人とは当日朝に品川で合流、事前に車体の状況を確認することはできていなかったのだが…。
一人は
「ホイールについているコグの歯数がわかっていない(15Tが2つついていると思っている、そんなわけないだろと確認したところ14T/15T)、ホイールがエリプスだったので安心してたら前輪をFFWDのロード用ホイールに差し替えて持ってきた為固定用のスキュワーがない
もう一人は
ホイールの固定が緩い(チェーン引きをつけていない為、ホイールがずれてフレームとタイヤが擦っていた)、コグのロックリングをしていない(ロックリングがなんなのか理解していなかった)」
という状況であった。

前者に関してはギア比は自己責任なのでまぁしょうがない、スキュワーに関してはコミッセールから注意処分となった。
後者はどちらも重大インシデントの原因となる整備不良。
「ロードバイクと違って構造もシンプルだし、知らべたら情報出てくるし、そもそも自分でホイール買ってコグ付けたみたいだから大丈夫やろ…」
と思ってたらめちゃくちゃヤバイ状態で、事故が起きなかったのが奇跡。

ロックリングに関しては帰りに車のサイクルキャリアに載せる際「この黒いのなんですか?」と聞かれ固定されていない事が発覚した。
これ競輪場の走行会でやらかしてたら下手したら出禁レベルやぞ…

もし今後走行会に参加するなら、工具や備品揃えてちゃんと整備してくれ…
お節介だけど事前に口酸っぱく注意しておけばよかった…チェーン引きがフールプルーフになる事をここで改めて認知した。


総括

金色に輝くNovacoronaの13T、このギアでハロン走ってれば…

というわけで無事に初めての伊豆ベロドロームへの挑戦が終了した。
やはりイメトレだけでは理想通りに走れないな…というのが正直な感想だ。

スピードを乗せられなかった結果カントの一番上まで使えなかったのが一番の反省点。
朝の試走時に「コケて他の選手巻き混んだらヤベェな…」と思って上まで上がらなかったのも悪かった。
どうせなら朝のうちに速度乗せて一番上まで上がって確認しておくべきだった。
カントを上手く使っていれば54-12Tでももう少し踏めたと思われる。

終わってみれば楽しかった記憶しかない都合の良さ。

元北大サイク部兼競技部の先輩(イナーメ佐野さん、あっちは俺の事なんて覚えてないだろうけど)や元北大競技部の友人(シマノのガースー、数年振りに会った)見るのは中学生の頃以来?な北海道出身の大学生(慶應の中谷君、大きくなったなぁ)等、久しぶりな方々が多く、楽しいイベントだった。

今回同行した友人二人もこれを契機に是非トラック競技、ひいては自転車競技をもっと楽しめるようになってくれてるの嬉しいな…

というわけで自身7年ぶりとなるトラック競技はなんとも言えない結果に終わった。
是非また来年、リベンジしたいところだ。

改めて今回参加した選手と関係者の皆様、ありがとうございました。(ご迷惑をおかけしました…)

ほなまた。

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