舞台fatalism_考察

Sept主催の舞台「FATALISM ≠ Re:Another story」に関する考察ブログとなり、ネタバレを含みます。
また、本編を知っている前提で書いてますので、ご了承ください。

公式サイト

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fatalism=運命論、宿命論
世の中の出来事はすべて、あらかじめそうなるように定められていて、人間の努力ではそれを変更できない、とする考え方。
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本編見た後だと、この単語の意味にめちゃくちゃ苦しめられます。

以降、考察となります。

考察

■オープニング

本作はアポロ登場→音楽+暗転→アポロソロと進んでいきます。
私の経験上でしかないので、あくまで推測ですが、暗転や音楽が入らずに、演者が舞台上に出てから始まる舞台は数少ないと思います。
そして、アポロ様が出てくるタイミングは、お客さんが見るぞという空気にもならない間に登場されます(これも私の感覚値かも)。
暗転や音楽によって、お客さんの見るぞという集中力を舞台上に集めず、"アポロ"だけで集中を集めるいうことは、それだけこの作品において、アポロの存在または、アポロが最初に起こすアクションが重要だと感じました。
そして、アポロが次に起こしたアクションは歌。この作品における音楽(=アポロ)の重要性を示すオープニングだと感じました。

■アポロ=音楽

アポロ音楽の神であることは公式の人物紹介でも記述さらています。
また、作中に出る人物は、アポロが何者か知らないわけですが、
アポロは自分のことを「人から生まれた」「この世の音は全て拾える(三羽鳥の話に入ってくるシーン)」と言っていたり、現代組・未来組の人生には一切干渉していなかったのに、ライブシーンだけ出てきます。
本作は「アポロ=音楽」と考えて、舞台を見ると、アポロの言動や行動に一貫性があり、ストーリーとしての最重要人物であることが窺えます。

■アポロ→雛菊への干渉

雛菊たちが生きた世界は神である絵空様が作った世界で、3国しかないのであれば、象徴ズがいなくなったことで戦争が起こり、この世界線も未来組と同様に人類は終わりを迎えたということ。
人がいなくなってしまえば、音楽は消えるのでアポロの存在または存在意義も消えてしまうのかなと思いました。(チェーンソーマンの悪魔的な)

■雛菊が世界与える影響

雛菊が複数の世界線を”ただ見守る”なかで、雛菊は転生後(莉乃/陽織・エイナ)の世界線でも自ら命を断ちます。
その過ちの愚かさに気づかせたくて、アポロ様は絵空様の前に雛菊を届けたのかなと思いました。
人間の中でも雛菊に固執するのは、特に雛菊・エイナの世界線で自ら行動を起こして運命を変えようとしなかったことにより、人類が滅亡(=音楽の消失)したため? 
雛菊(莉乃/陽織・エイナ)はほとんどのシーンで、自ら歌おうとせず、人から言われて歌い始めます。
最後に自ら生きたい・舞いたいと言い。自分から行動することで、絵空に許される(正解と解釈してもらえる)ということなのかもしれません。
命あっての音楽であり、命を手放さないために自ら行動を起こしているか。
雛菊の捻れの原因は自らの命を軽んじていたことにあるのかなと感じました。

■神から雛菊に与えられた罰

雛菊は冒頭シーンで、自ら命を諦めてしまったことにより、”ただ見守るだけの”を受けていたのが本作なのかなと。
だからこそ、現代や未来シーンで、AI(シン含む)に自ら干渉し、行動することで、未来が繋がっていったのではないかと思いました。

■WORLD BROKER

雛菊・蓮が、神に接触後、神の使いとして様々な役割を与えられる中で、
神との接触がほとんどなかった藍備は、アポロ様の作った世界でどのように生きるのか。
タイトル的に直訳すると世界の仲介人になるわけだけど、ただ大好きだった雛菊と蓮を一途に思い続けていた藍備が、次回作で神から何を求められ、どんな決断をするのか。今からはちゃめちゃ楽しみです。