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ユニバーサルデザイン・コーディネータと「観察」

会社(株式会社ゆめみ)の「勉強し放題制度」を活用して、ユニバーサルデザインコーディネータ検定+座学(UDデザイン・コーディネータ)を受講してきました。

ユニバーサルデザインコーディネータは、実利用者研究機構(ジツケン)が発行している資格です。

実利用者研究機構は、「いつも答えは、実利用者のそばにある」という考えの元、「関わる人全員のためになる、現実的で効果的な方法」をコンセプトに研究開発と教育を行う専門機関。横尾良笑プロジェクトの「ソーシャルソリューションと企業における問題解決の融合による持続可能な社会貢献モデル構築事業」の一環として設立。

ブランドメッセージに関しては、講座の中で説明がありました。
「人は違って、あたりまえ。マジョリティ+マイノリティ。つかう人、ぜんいん。」

UDデザインとは?

ジツケンでは、「改善または特殊化された設計なしで、最大限可能な限り、すべての人々に利用しやすい製品と環境サービスのデザイン」と定義されています。講師が言っていたのは、「全員が嫌でないところを探り、心象悪くないポイントを見つける仕事」だそうです。

間違えやすいポイントは、ユニバーサルデザインは、障がい者専用品ではないということ。またユニバーサルデザインは、「比較」を重視する考え方だといい、今より使いやすいと感じる人を増やすことが使命。そして、テクノロジーの進歩によって、ユニバーサルデザインも変化して、より改善すると言っています。

例えば、室内照明のスイッチ。

昔は、裸電球を自分でスイッチを切った時代があり、それだと、子供や背の低い人には不便でした。それから、誰でも届くように、壁にスイッチがつき、昨今では、センサーやボイスによって、仮に手の不自由な人にも、スムースに電球のスイッチを切り替えられるようになりました。

一方バリアフリーは、誰が使うと便利か、誰の課題を解決しているのか、明確。基本的にバリアフリーとは、視覚障害者と車椅子の方向けのデザインだそうです。この点は、案外知らなかった。

UDデザインとバリアフリーの違い

上記にも書きましたが、特定の障がい者のバリアを除くための専用品がバリアフリーの考え方で、使える人をより増やしていくのが、ユニバーサルデザインの考え方となっています。時に、バリアフリーがユニバーサルデザインになることもあります。

例えば、ライターの例ですが、ライターの発明は、第一次世界大戦あと、ドイツが負傷した兵士のために作ったものだったようです。ライターによって、今まで両手が必要だったマッチよりも手軽に、片手で火を起こせるバリアフリー商品。今では、多くの人がライターを使っていてユニバーサルデザインとも言えます。

使えない人を使えるようにする、それでも使えない人には、「バリアフリー」でサポートするということだそうです。大前提ではありますが、「使いやすさ」は、その利用者が決めるもの。

ジツケンの実例

座学の中で、実例を何個かあげていたので、こちらでも紹介させていただきます。

みずほ銀行のATM
https://www.mizuho-fg.co.jp/csr/customer/barrierfree.html

株式会社かんぽ生命のハンドブック
https://jitsuken.com/j-news/press20171002/

富士レークホテルの取り組み
https://www.fujilake.co.jp/UD/

ユニバーサルデザイン・コーディネータのスキルとは?

講座の中で、スキル自体を「知識」「経験」「考え方」と定義していて、ユニバーサルデザインコーディネータとは、この3つの「考え方」の幅を広げることだと理解しました。

仮に開発において言えば、ユニバーサルデザイン的な視点を入れることで、ある状況や環境によって使えなかった人が使えるようになるだけでなく、今まで使っていた人にとっても、より魅力的になることが前提となっています。これは、なかなかレベルが高い。

講座内のワークショップでは、以下の課題をグループで解決するというものでした。

前提条件
・あなたは、明日から全盲になります
・近所のスーパーで、アルミではなく、ラップを購入する(アルミとラップは商品的に似ているので)
・スーパーの店員には聞いてはいけない

グループワークでは、詰め替え用のラップを開発してアルミ商品との差別化、ラップ用のケースは、デザイン性を高めて付加価値をつけて販売、という話をまとめて、発表しました。いわゆる、健常者の方々にもメリットがある答えを模索していきました。

検証・分析が大事

ユニバーサルデザインコーディネータに必要なスキルは、「認知科学」「人間工学」的思考、身体特性を踏まえた視点、サービス商品の改善のための行動観察調査。

講座内で、『ギネス世界記録』で世界一知能指数が高い人間に認定された、マリリン・ボス・サバントの言葉を引用していたので、最後に記しておきます。

「知識を得る為に人は勉強しなければいけないけれど、知恵を得る為には人は観察しなければなりません」

ユニバーサル・コーディネータの講座と検定を受けて、改善は「観察」することから始まることを改めて実感しました。

今回の講座は3級でしたので、さらに上の級も受けていこうと思います。

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