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その2:美しい情景を盛るうたとおどり集

前置き
著作権が切れた文献を無料公開している「国立国会図書館デジタルコレクション」。10年以上以前、近代デジタルライブラリ—時代からウォッチしている私が、何の専門知識もなくご紹介しております。
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「美しい情景を盛るうたとおどり集」大正14年

主に尋常小学校で習う唱歌の楽譜・歌詞と、それを彩る振付が紹介されている本ですがこれがアホみたいに長い。目次抜き本文だけで228ページもある。踊り狂えることうけあい。

まずは軽いジャブから。みんな知ってる(と思う)「鳩ぽっぽ」
歌は置いといて、踊りを見てみよう。

準備:圓陣 中心向キ
動作:「ぽっぽっぽ」
左足ヲ左方ヘ出スト共ニ両手ヲ側方ヨリ斜上拳シテ手首ヲ下ニ折ル右足ヲ引キツクルト共ニ手ヲ斜下方ニ下グ……二回

情報過多。
なんだよ漢詩かよ。多分やってることめちゃくちゃ単純なんだろうけどものの見事にあたまに入ってこない。指南書としては致命的だよ。「ぽっぽっぽ」って鳩が鳴いてるだけなのに情報を詰め込みすぎだよ。

とまぁ、228ページもあるのにこんな調子で紹介していてはキリがないので、この「鳩ぽっぽ」がこの本におけるスタンダード、と理解していただいて、特徴のあるものだけ見ていきたい。

尋常唱歌「金魚」
「金魚」というタイトルなのに冒頭が「つんつんとんでる赤とんぼ」。しかし作詞は童謡界の三大詩人・野口雨情先生。さすが。すごすぎてよくわかんないや。金魚なのに「皆なで並んで 水飲んでた」も、野口先生ならではの千里眼。違った、観察眼。
ちなみにこの挿絵だけでは何の事だかよくわからないのでちゃんとあの解説もついています。「鳩ぽっぽ」の時に「絵つけろよ」って思ったけど、思い違いだった。

突然現れては消える杖。「たからもの」の跳躍感。

唐突な絵心

屋根から電波来てる。「シンジュダマ」の絵だけ影が入って劇画風。

腕のビリビリ感。あと「子がある」の解説の「動揺スル」って、何すりゃいんのかわかんなくて震える。

コンテンポラリーダンス

ぜひどなた様か、「踊ってみた」やってください。
本日は以上です。

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