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就活の嫌だと思うところ、学生側からも発信していきませんか?デモ - 2020年11月23日/東京都千代田区・中央区

2020年11月23日(月祝)、東京都千代田区・中央区で行なわれた『就活の嫌だと思うところ、学生側からも発信していきませんか?デモ(就活デモ2020)』の記録

 このデモは、就職活動(就活)の嫌なところやおかしなところを学生・若者の側から発信し、大学の就職予備校化、不透明な選考プロセス、差別などを世の中に示し、社会を変えていくことを目的としている。
 現在の就活制度に代わる完璧な対案があるわけではないが、まずはおかしいことにおかしいと言うことから始めたいと、学生(就活生)と社会人(一年目)が企画し、全くはじめてでデモを実行したという。この「就活デモ2020」は社会運動に全く関わったことがない、それこそ「うぶな」学生が怯えながら声をあげたアクションだ。

 実は10年ほど前にも、同じように就活に苦しむ大学生らが就活に異議を唱える「就活デモ」が行われていた。2009年に北海道の大学生が勤労感謝の日に行った「就活くたばれデモ」がきっかけで、2010〜2011年には東京や他の都市で同時多発デモが行われるほどに広がった。
 当時はリーマンショックによる日本経済の大幅な景気後退で厳しい就職内定率を記録しており、「新卒一括採用」など日本独特の就活制度の弊害が学生たちを直撃していた。
 安直な考えかもしれないが、「就活デモ2020」の背景には新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退がありそうだ。それは時代の変わり目と言ってもいいのかもしれない。10年の時を超え、突如2020年の勤労感謝の日に「就活デモ」が復活した。

【動画】

就活の嫌だと思うところ、学生側からも発信していきませんか?デモ(#就活デモ2020) - 2020.11.23(8分27秒)

【写真】

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 約30人のデモ隊は日比谷公園・中幸門を銀座方面へと歩を進めた。丸の内にあるリクルート本社ビル前を通過し、そのまま外堀通りを真っ直ぐ進み、神田橋交差点を左折、経団連会館すぐそばの神田橋公園まで3.5kmを行進した。


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[呼びかけ文]
内定を得るために、面接官に忖度し続ける今の就活。内面も外見も望ましい就活生を演じ、大学生活を就活に費やすことを強制される。ほんとうの自分も学生生活も奪われていく。もうこんな就活はうんざりだ。おかしいことにはおかしいと声を上げよう。
11月23日、東京から反撃の狼煙が上がる。
https://syukatudemo2020.hatenablog.com/entry/2020/08/14/203604


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[シュプレヒコール]
ノック3回誰が決めた!?
手書きのESいまだに出さすな!
手書きのES時代遅れ!
コミュ力ってなんだ!
自己分析ってなんだ!
スーツ強制するな!
真夏にスーツ着させるな、オフィスで水着着るぞ!
夜10時に電話かけるな!
深夜に電話かけてくるな!


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[シュプレヒコール]
トランスジェンダー差別やめろ!
人間の価値を性別で判断するな!
女子学生も地方学生も差別するな!
就活セクハラいますぐやめろ!
真冬にスカート履かせるな!
パンプス強制ふざけるな!
面接で恋愛経験聞くな!
面接でおっさんの性欲を発散するな!


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[シュプレヒコール]
生殺与奪の権を面接官に握らせるな!
平日に面接して学校の邪魔するな!
このイベントは採用には関係ありません、嘘付くな!
就活ルールを守れ!
新卒一括採用やめろ!
顔のいい奴だけ採用するな!
大学で何勉強したかも見ろ!
ルッキズム反対!
人間の価値を就活で判断するな!
学歴差別するな!
交通費よこせ!
就活をぶっ壊す!


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[シュプレヒコール]
不安を煽って商売するな、リクルート!
学生はお前たちの商品じゃないぞ、リクルート!
就活生の涙で食う飯はうまいか、リクルート!
セクハラ対策に力を入れろ、リクルート!
就活で金儲けするな、リクルート!
生殺与奪の権をリクナビに握らせるな!
非効率な就活マナーやめろ!
変な就活マナー宣伝するな、リクルート!
まともな就職先を用意しろ!
就活奴隷商人、リクルート!
まだここにない奴隷との出会い、リクルート!
学生はお前達の商品じゃないぞ、リクルート!
まともな求人を案内しろ、リクルート!
見下すな、リクルート!
リクルートは大学生活を返せ!


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[シュプレヒコール]
学生の人生をもてあそぶな!
大学で勉強させろ!
大学は就職予備校じゃねえ!
大学生活を返せ!
就職活動、早過ぎるし長過ぎる!

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[シュプレヒコール]
経団連よ、就活生の声が聞こえるか!
若者の涙で食う飯はうまいか、経団連!
労働者から搾り取った金で食う飯はうまいか!
経団連、もうええかげんにせえ!
経団連、そろそろ一括採用やめてもええんじゃね!
経営者は就活生の声を聞け!


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【経団連会館前での街宣スピーチ集】

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 デモ終了後に経団連会館前へ移動し行われた抗議街宣でのスピーチの書き起こしを以下に掲載する。


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[スピーチ 書き起こし]-1
私たちは「就活デモ」です。就活におかしいところがあると感じ、このデモを企画し、今こうして経団連会館前で宣伝活動をさせていただいております。
私たちは、本当にデモもはじめてで、企画するのもはじめてで、本当に不慣れなんですが、それでも言いたいことがあると感じて、今こうやって声をあげています。
経団連の皆さんは、ソサエティ5.0とか、SDGsとか、きれいごとをよく言うと思うのですが、本当にそうなのでしょうか。
本当は、経済合理性や生産性だけで人を判断して、そうでない人、障がいを持っている人や、一般の枠に当てはまらない人を排除している、私はそういうふうに感じました。
昨日、経団連が教育界に喝を入れた、教育界に関する提言を発表したというふうに話題になりましたが、本当に喝を入れられるべきなのは、どちらなのでしょうか。
学校は経営者の都合のいい人材を作るところではありません。学びを深めるところです。その学びの過程を通じて、人としての深みが出てくるし、それがもしかしたら生活、労働の役にも立つかもしれません。そういうことを訴えたいというふうに考えております。
人前で喋るのが苦手でつたないですが、やっていきたいと思います。
経団連の皆さまが言う、ジェンダー平等も本当のジェンダー平等なのでしょうか。
「優秀な」女性、優秀な「カギカッコ付き」の女性だけを採用して、それ以外の圧倒的な非正規雇用の女性は切り捨てている。私は、個人の意見として、そういうふうに思います。
就活に関連することで言えば、経団連に所属するような大手企業でも、就活セクハラや、もはや性暴力と言えるような事件も起こっています。
そういった問題に対して、本気で取り組んでいると言えるのでしょうか。どうも、ジェンダー平等とポーズだけ口にして、実際に本気で取り組んでいるのか、その本気度は疑わしいと言わざるをえないというふうに思います。
経営の役に立つからとか、会社のイメージに沿うからとか、そういった理由ではなくて、人権とか、その人の生きる権利、その人の尊厳を尊重した経営をやっていただきたいというふうに思います。


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[スピーチ 書き起こし]-2
自分はあんまり就活しなかったんですが、でもやっぱり、大学の中で就活のイベントがあるっていう状況で、3年生からみんな始めて、大学生活もモタモタするっていう、そういう状況には自分も違和感を感じていました。
特に、人材っていう言葉がすごい飛び交ってて、やっぱ人材っていう、人を材料にして、そういう告知とかに自分はものすごく違和感を持っていました。
お前はどういう人材なんだ、どういう人材になれるんだ、っていう、企業にとっての価値、要するに自分自身にとっての価値じゃなくて、企業あるいは、大企業とか、資本とか、そういったものの価値になれっていう、そういう強迫観念を絶えず学生に対して晒し続けるような状況に、今私たちは置かれています。
学生生活を送りたいっていうのもそうですけど、ちょっと話がずれるかもしれないですけど、まず大学っていう時に、大学の学費が高いっていうのも、一つの大きな問題としてあるように思います。
自分自身、奨学金借りてて、大学の学費が高くて、奨学金借りる。そして、その奨学金を借りて、借金を持つっていった中で、そういった中で、自分のどういうふうに今後将来をやっていくかってことが、すごい選択肢が狭められるっていう、やっぱそういう意味で、大学とここにいる経団連っていうのは、ある種、手を結んで学生を追い込んでるっていう状況も一つあるかなと自分は思っています。
借金をして、大学に入って、その借金のために、こんな理不尽な就活に巻き込まれて、それでなおかつ、こういうふうに就活した先で働かざるをえない。借金を返すために働かざるをえないっていう、そういった中で、たくさんの自分と同じ世代の人が苦しんでいるっていう状況に、自分はすごく胸が苦しいし、自分自身もそういうのは嫌だなっていうふうに思っています。
経団連なんて、特に、大学に対して、要するに、良い企業人になれっていう、ほとんど大学に押し付けている。それが文科省とも一緒になって、自分たち学生に押し付けている。
そういう意味で、経団連は許せない。経団連なんて無くなってしまえばいい。
これ私の本音ですけど、他の人は違うかもしれないですが、それくらいの気持ちで今日はこのデモに参加させていただきました。


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[スピーチ 書き起こし]-3
2年前、東洋大学で竹中平蔵の反対アクションをした船橋と申します。
こうして次の世代が、竹中平蔵問題も一緒だと思うんですね、さきほど「人材」って話がありましたけど、生産性で計り、役に立たないものはいらない、役に立つもの、自分たちの奴隷としてかくまっていく、こうした世の中に異議を申し立てていく、そして、若い人がこうして出てきたっていうことは、僕はすごく嬉しく思いますし、それに対していつでも賛同し、常に一緒に闘っていきたいなと思います。
昨日、NHKで『こもりびと』を観た方いらっしゃいますか。すごく悲しい就活の事情が描かれてました。皆さんすごく苦しんでます。とても無学な人だったり、何も知らない人であっても、すごく苦しんでます。
そうした中で、僕たちは別にへりくだる必要はなし、負ける必要はないし、屈する必要はない。こういった社会がどうやっておきてるのかってことを知り、どうしたらいいのかってのを考え、変えてく力がある。そういったことを大学とか、学びってのは、そういった力を持ってます。決して市場価値だとか、生産性を上げるだとか、良い人材になるとか、そういうために大学に行くわけではありません。
自分を知り、社会を知り、それをどうやって変えていけるのかって、そういうことのために大学はあります。
そういったことを大学3年から、むしろ1年からリクルートを通して、潰そうとしてくる。教育もそうやって自分たちの生産性に合うような教育を再編していく。こうした世の中に皆さんで声をあげて、異議を申し立てていきましょう。


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[スピーチ 書き起こし]-4
自分は東京の大学生で、今3年なんですけれども、ちょうど夏ごろから就活が周りにも始まりまして、インターンであったりだとか、会社説明会であったりだとか、っていうので、そういう就活が始まって、自分もインターンとか、いろいろ参加したりとかあるんですけど、複数社にESを出してっていう中で、コールの中にもありましたけれども、手書きで郵送しなければならないっていった会社もいまだに残っていて、本当にこれになんの価値があるんだろうな、と。
電子メールじゃないですけど、電子データとして送られるのと何が違うのか、字のきれい汚いみたいなのはあるかもしれないですけれども、今どき取引先に手書きの手紙を送るみたいな、そういうことも全然ないわけですし、そういった中で、本当になんの価値があるんだろうな、みたいなことも思いますし。
で、志望する業界っていうのが、たまたま筆記とか筆記試験みたいなのが、わりとウエイトが大きいところでありまして、3年の夏から筆記試験対策みたいなことを周りの学生も含めて、自分もやってるわけですけれども、本当に時間の無駄だとしか思わないっていうのがあるんです。一応、やってはいるんですけど、そこでゼミとかで研究とかしたりするのがすごく妨げられてるっていうのが正直な話で、就活イベントでいろんなとこ行ったりとか、あとはインターンで休日潰されたり、授業出れなかったりっていうことも全然ありますし。
やっぱり、一こ上の先輩の話とか聞いてても、二つ前の先輩とかと比べても、全然話が違うじゃないかみたいな、コロナがあってっていうのもあるんですけれども。
我々の世代としても、最近、航空会社とかの話とかも、わりとニュース出てきてますけれども、航空会社にせっかく入社できたにも関わらず、出向という形で、いざ働かされるのは全然関係ない店頭販売みたいなことさせられるみたいなことも全然まかり通る時代になってるわけですね。だから、仮に今就職をどれだけ頑張ったとしても、今後の経済、景気の状況、あとは会社の状況次第では、自分が志望してなかった、キャリアアップとかいろいろ言われますけれども、思い描いてなかったようなところにいきなり変わってしまう。それまで、どれだけ頑張って積み重ねてきたとしても、そういうふうに、いきなり自分に抗えないような力で、動かされてしまうっていうのが、今の就活であったりとか、働き方の現状だと思っています。
そういった意味で、現に就活している身としては、すごく虚しさ、というかですね、虚無感みたいなものがある感じですね。
こういった就活のあり方であったり、働き方全般に対して、我々学生から、そして仮に卒業した後においても、実際労働者になった時にも、声をあげ続けていく、そういったことが僕らに求められているんではないかと、そういうふうに思うわけであります。


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[スピーチ 書き起こし]-5
皆さんに聞きたいと思います。今の就活おかしくないですか?
(おかしい。)
それが全ての学生が言える答えだと思います。
大学とは本来高等教育を学ぶところです。ところが、現状では1年生のうちから就活の準備をしなきゃいけない、資格の準備をしなきゃいけない。そういうふうな状況になっています。
給料は上がっていないのに、そうした状況や学生が学ぶ環境は年々悪くなる。これ、原因、経済界からの圧力、相当言われています。でも新卒の給料が、じゃあ上がるかと、正社員にお金がより回ってくるだろうか、非正規じゃなくてちゃんと安定した雇用が確保されるのか。そういうこと、一切なってないじゃないですか。
それでいて、優秀な人材がこない。大学は何をやっているんだ。学生はもっと頑張ってほしい。それはちょっとできないですよ。
SDGsだとか、先ほども言われてましたけど、崇高な理念、理解していらっしゃる方もいるかと思います。SDGsだとか、そういう崇高な理念を掲げてらっしゃる企業もいると思います。
でしたらもう少し、学生や労働者や就職活動をする人たちの身になって考えてもいいのではないでしょうか。
繰り返しますが、学生の本分は高等教育を学ぶことです。
その後のキャリアに、そのキャリアのために、多大な時間を割くように経済界から圧力をかけられる。この状況は本当におかしいと思います。
強く改善を求めて、私のスピーチを終わりにします。


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[スピーチ 書き起こし]-6
私は去年就活をしました。大学4年生の1月ぐらいに、じゃあちょっとそろそろ就活始めないとやばいなっていうことで就活始めようと。
じゃあ、この会社を受けたいと思って、いろんな就職関連サイトに登録したんですね。
そこで思ったのが、結局どのイベントにどのタイミングで出せば入れるのかが全然わからない。
ルール上は6月から面接が始まることになってる。でも話によると、2月にあるこのイベントに行かなければ入れないとか、夏のインターンからほとんど採るから6月からの選考では数人しか採れないよとか。そういう本当ベースの嘘か本当かわからない情報が飛び交ってました。
これって多分、いつから就職活動を始めるとかっていうルールを経団連が決めはしたんだけど、実際それが抜け穴だらけになって、インターンとか説明会っていう名目で早期選考が横行している。せっかく、いつからいつまでに就活をしてどういう基準で採るとかっていうのを、経団連で決めたんだったら、それはしっかりと徹底して頂きたいなというのが、僕の意見です。
なので、早く早く始めれば始めるほど得だよとか、じゃあもう2年生から始めてる俺すげーなみたいなことは、こういうのなしにして、いつからスタートで、いつ終わりで、その中でこういうルートで採りますよっていうのをちゃんと明確化するようなルールにしてほしいです。
恐らく、これをするだけで大分学生が、どのタイミングからどこに向けて何を頑張ればいいのかが明確になって、相当無駄なコストが減ると思います。
なので、ちゃんと、どういう就活したいのかという目的像を明確化して、そしてそれに基づいてルールを作って、それを徹底できるように、しっかりと頑張ってほしいです。
これが僕から経団連に言いたいことです。


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[スピーチ 書き起こし]-7
私は一昨年から去年まで、冬に就活をしていました。
私が言いたいことはとても簡単で短いです。
一つ目は、パンプスは痛いです。
二つ目は、リクルートスーツは寒いです。
三つ目は、大学は学問を学ぶ場所であって就職の予備校ではないです。
四つ目は、人は物ではないです。
以上です。ありがとうございました。


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[スピーチ 書き起こし]-8
先ほどおっしゃっていた方がいたんですけれども、僕も紙のESを重視するような業界で、もう何十枚も紙のESを書きました。
毎回紙のESを書いて、下書きしてボールペンで書いて、ちょっとでも誤字ったらまた書いて、それを郵便局に駆け込んで速達で、もう何回この無駄な作業をしたでしょうか。
字のきれいか汚いかで何がわかるんでしょうか、ということと、あとは自己分析っていうものがあります。
自分の小さい頃の経験や、その大学で学んだ事とか、サークルとかそういうのを合わせて、自分はこういう性格だからこの会社が一番いいんだってことを書かせる作業ですけれども、おかしくないですか。
なんで、その受ける企業のために自分の人生があるってことにしなくちゃいけないですか。
しかもそれを何十社にも対しても同じことをやる。本当に馬鹿らしいなと思っています。
経団連の皆さまにおかれましては、こうした意味不明の就活マナーを是非とも改善していただきたく、こうして声をあげました。


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