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新潟プライドパレード2022 in新潟市 - 2022年10月23日(日)/新潟県新潟市

秋山理央

2022年10月23日(日)、新潟県新潟市中央区で行なわれた『新潟プライドパレード』の記録

 新潟県内初のプライドパレードが県庁所在地の新潟市で開催された。
 新潟駅前の弁天公園を出発したパレードは、萬代橋を渡り古町エリアを通行し他門川公園まで約2.3kmのコースを行進した。スピーカーを積んだ先導車を先頭に、参加者40名は「LGBTQIA+(わたしたち)は新潟(ここ)にいる」という横断幕を掲げながら歩き、抗議の声をあげた。

【動画】

新潟プライドパレード2022 in新潟市 - 2022.10.23 新潟県新潟市(14分55秒)

【写真】


パレード中のスピーチ-1
わたしたちは『新潟プライドパレード』です。
雨の中、いろんな人たちが、仲間たちがここに集まり、一緒に歩いてくれています。
性的マイノリティ、LGBTQ、I、Aとは誰のことでしょうか。
わたしたちです。わたしたち、今ここにいます。
マイノリティなんて、LGBTQなんて、都会の話でしょ、まったく違います。
新潟にだって、地方にだって、どこにだってわたしたちはいます。ここにいます。
そして同時に、わたしたちの仲間となってくれる、味方となってくれる人たちも新潟にいます。
だから、『新潟プライドパレード』のテーマは「LGBTQIA+(わたしたち)は新潟(ここ)にいる」と決めました。
ここにいます。ここで生きています。

いまだに差別が続いている中、偏見が続いている中、それでもここでわたしたちは生きています。
生まれた時に勝手に割り当てられた性別をつけられて、それでも自分も偽れないから今自分で生きています。
恋愛して当然でしょ、って言われている世の中の中で、それでも恋愛しないわたしたちがいます。ここにいます。
トランスジェンダーって言ったって、男性だけ女性だけじゃないです。
ここに男でも女でもないノンバイナリーのトランスジェンダーがここにいます。今あなたの目の前にいます。
なにか変わりがあるでしょうか、あなたの家族、あなたの友人、あなたの知り合いとなに一つ変わらない同じ一人です。同じ個人です。
それでも周りとなにか違う、なんだか周りと合わない、ちょっとずれているかもしれない、それだけの理由で仲間外れにされている人たちがいます。
レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クィア、インターセックス、アセクシュアル、それだけじゃありません。クォイもグレーもデミもたくさんいます。トランスだってバイナリーだけじゃないです。ノンバイナリーがここにいます。
多様性をうたうわりに、いまだにこの社会は差別を許さないと言ってくれません。
どういうことかわかりますか。
新潟市でパートナーシップ宣誓制度が導入されました。
それでも、その制度を利用できない、利用しない人たちがいます。
なぜだと思いますか。
そこに自分が当てはまらない、そこに自分は対象外なんだと、疎外感を感じて、利用できない人たちがいます。
そして、本当に欲しいのは、パートナーシップ制度じゃなくて婚姻なんです。結婚なんです。
国が法律がわたしたちを守ってくれないから、こうして自治体で独自の制度を作っていますが、それが正しいんでしょうか。違うはずです。
わたしたちの生き方、わたしたちのあり方、わたしたちの生活を、なぜ国が制限するんでしょう。
なぜ国がわたしらしくいることを邪魔するんでしょう。
こんな雨の中一緒に歩いてくれている仲間たちがいます。味方たちがいます。
ここに、新潟市にわたしたちはいます。
クィアはいます。レズビアンはいます。ゲイもいます。バイセクシャルも、トランスジェンダーも、インターセックス、DSDも、アセクシュアルも、クィアも、みんないます。
新潟にいます。
だから、わたしたちは今ここで歩いています。



パレード中のスピーチ-2
差別はなにひとつ終わっちゃいないです。
抑圧も偏見もなにも終わっちゃいないです。
黙ったままでいたら、なにも変わんないから、もうここで、もう我慢できなくて、ここに立ち、ここで旗をあげ歩いています。
わたしたちはここにいます。
わたしたちの話です。

LGBTQ+への差別はいまだに続いています。
同性婚できないのなんて差別ですよ。
ただただ自分で生きたいだけなのに、法律が、国が、あなたの性別違うじゃんって否定してくるのも差別じゃないですか。
わたしは今もまだ続いている性的マイノリティへの差別、人権侵害をなくすために、今ここを歩いています。
わたしたちは『新潟プライドパレード』です。



 パレードとは全く関係ないのだが、新潟県内のアーケードには横型の歩行者信号機が設置されていることがある。同県の柏崎や長岡でも横型が設置されていたのを記憶しているが、他の県では見た覚えがない。雪対策なんだろうと勝手に思っているだけで本当のところはよくわからないのだが、この信号機を見ると私は新潟を感じる。
 当たり前のことなのだが、日本各地へ行くと街や風景の違いに気づく。その地域独自のものや特徴な町並みが見られたり、あるいは全国展開のチェーン店が乱立していたり、どのようなものであっても人々の生活を感じられ大変興味深く思う。
 そこへ突如パレードが出現するということは、言ってしまえば街にとっては異常事態なのである。この日常と非日常の巡り合いは非常に刺激的で、私はその瞬間を写すために各地へ10年以上通い続けている。それぞれの街が違うように、それぞれのパレードにも違いがあり興味が尽きない。


パレード中のスピーチ-3
クィアはここにいるぞ。
新潟にだっています。都会だけの話じゃありません。
全ての場所にある話です。
わたしたちの話です。

わたしたちは今もここにいて、ここで生きて、ここで傷つけられながらも、それでも今必死に生きています。
わたしたちはここにいます。
これは作り話じゃありません。
新潟にでもある話です。新潟の話です。
わたしたちの話です。


 率直に言って街の反応は冷たかった。大雨が降り、強風に進行を阻止され、それでも初開催のパレードは完遂し自らの存在を示した。
 プライドパレードは祝祭としての華やかで明るい部分ばかりがクローズアップされるが、このようなマイノリティ当事者としての抗議活動という側面も当然内包されている。以下は主催者によるツイートだ。

新潟プライドパレード(@niigata_pride)のツイート
プライドパレードは多数派に楽しんでもらう/認めてもらう為のお祭りでも企業PRのための媒体でもなく、今ここで生きている私達の姿や今起きている差別・人権侵害に目を向けさせるための社会運動です。
「新潟でプライドパレードをやる」と決めてから今日まで、そしてこれからもこの軸は変わりません。

https://twitter.com/niigata_pride/status/1583795123787558912

 抵抗することから始まったプライドパレードの歴史を考えると抗議を行うスタイルに不思議はない。ほかのところでは、青森県庁前で抗議の声をあげている『青森レインボーパレード』が思い浮かぶ。新宿の『東京トランスマーチ』も抗議の要素が強いパレードだ。数は少ないが抗議を打ち出しているパレードも存在している。


 今回初開催の『新潟プライドパレード』は11月13日(日)に、早くも2回目のパレードを長岡市で行う予定だ。
 細長い形をした新潟県、じつは日本で5番目に面積が広い都道府県で、一番離れた端から端まで直線距離で約240km、最北端の駅から最西端の駅まで線路距離で276kmもある。このように新潟県は非常に広いため、開催地へのアクセスの問題があり、新潟市(人口1位)と長岡市(人口2位)でのダブル開催を決めたという。
 それに加え、パレードに参加したいけど自分の生活圏だと参加できない人のことを考え、県内の2ヶ所で開催し参加する場所を選べるようにしたという。このような参加者への配慮は思っていてもなかなか実行することは難しいが、それをやってのける『新潟プライドパレード』の底力を感じる。



【おまけ-新潟旅行記】
 アメリカの#BlackLivesMatter 運動に連帯し黒人差別反対を訴えたデモが2020年6月に新潟市で行われたのを撮影に行って以来、久しぶりの新潟だった。(以下が新潟BLMデモの映像。)

 新幹線を降りて駅前を歩いていると、オレンジ色のニット帽、オレンジ色のマスクなど、やたらとオレンジ色のものを身につけた人が何人もいた。なんだろうなと思っていたが、案内所に入りコインロッカーの場所を聞くと今日はサッカーの試合があって駅前のコインロッカーは全て埋まっていると告げられた。オレンジ色の人たちは地元サッカーチーム『アルビレックス新潟』のサポーターだった。
 駅前にコインロッカーはなく、徒歩で10分くらいの距離にあるショッピングセンター万代シテイにならあると教えてもらい、今回は荷物をそこへ預けることにした。新潟には何度もデモの撮影で来ているので、万代シテイはよく知っている。
 2年前に万代シテイの2階にある「みかづき」でイタリアンという焼きそばの上にミートソースがのっているB級グルメに出会った。

 食べてみるとなかなか美味しくて、イタリアンに何故かひかれてしまった。調べると「みかづき」と「フレンド」という2つの店があることがわかった。次にいつ来れるかわからないから「フレンド」のイタリアンも食べておこうと、最も近い「フレンド」がある長岡駅へ行くことにした。JR信越本線の普通電車で75分、距離にして63kmである。

 長岡駅に着いてイタリアンを食べた。どちらのほうが美味しいということはなく、どちらも美味しい、イタリアン美味しい。それがわかった。
 もちろん今回も、パレードの解散地のすぐそばのイトーヨーカドーに「みかづき」があったのでイタリアンを買って食べた。その時、割引券をもらったので、ついでにチョコレートソフトクリームも買って駅へ向かいながら歩いて食べた。パレードが始まる頃に降り出した雨はゴール手前で止んでいたが、気温は低く寒かった。信濃川から吹く風は容赦なくソフトクリームで冷えた体に突き刺さった。

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秋山理央

全国各地のデモや抗議などを自腹で記録しています。サポート頂けますと活動資金になります。よろしくお願いします。