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武術的老子解説

原文

太上は、下、これ有るを知らず。
その次、親しみながらこれを誉む。
その次、これを畏れる。
その次、これを侮る。
信、不足を為せば、不信を為すこと有り。
悠としてその言を貴ぶ。
功成り、事を遂げて、百姓、皆、我自然なりという。

解釈

最も優れた君主は、国民がその存在すら知らない。
2番目に優れた君主は、親しまれてその行いを誉められる。
3番目に位置する君主は、畏れられる。
4番目に位置する君主は、馬鹿にされる。
国民を信頼しない君主は、不信感を抱かれる。
いつも変わりなく、国民の言うことを大切にする。
そういう君主のもとでは、事業を起こし、成功した国民は決まってこういう。
「私たちの実力だ」と・・・・。

コメント

武術において技をかけられた相手はこう言う。
「今のはちょっと油断した!」
これこそが、技の極致だ。
相手がこちらの技の存在自体を認識していない。
自分が油断したから負けたと思わせるのが技だ。
「ちくしょう!やられた!」
こんなセリフを相手に言わせるのは真の技ではない。
なぜなら、技はいつも相手の意識の裏に存在しているからだ。
相手の意識にのぼるようでは、まだまだ技の極致に至ってない。


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