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犬に嫌われる私の人生

私は、猫愛強めの人間
気が付いた時には、既にそうなっていた

私の母も、お祖母ちゃんも、そのまたお祖母ちゃんも…
その先を溯ったことがないので、一体どこから始まっているのかは不明

3人の娘達も揃って猫派
で、どういうわけかお婿さん達も猫派
目下、孫を同じ世界に引き込むべく日々洗脳中…

そんな私に起こる不思議な出来事

普通に道を歩いている
一軒の家の門扉の向こう側で、犬が一匹、デロ~ンと寝そべってる
犬は、私が視界に入ったと思われる辺りから
「ウウウウウ‥」低くうなり声を上げ始め
私が、門扉付近に差し掛かると、突如「ギャワワワン💨グワオーー」
ちぎれんばかりにリードを引っ張り、狂ったように吠えるのだ

繋がれたリードと、きっちり閉められた門扉がなかったら
私は、間違いなく救急車のお世話になっていると思う

たまたま、だったら、まあ~そんなこともあるよね、で済ます
でも、これまで何度同じことに遭遇して来たか…

つい先日も、夕方の陽が落ちかけた時間、バスを待っていたら、オジサンと散歩中の、体調40㎝程のテリアが通りかかった
ちょこちょこと歩く小型犬の姿の愛らしさに目を細めていたら、私の目の前に差し掛かった途端「キャンキャンキャン!!!」
周囲に響き渡るほどの大きな声で吠え出した
あんな小さな身体から、よくあんな声が出るものだと感心するほどのけたたましい声

びっくりしたオジサンが「こら!人に向かって吠えるんじゃない!」といくら制しても、従う気配はない
困り果てたオジサン
力づくで犬を抱きあげ「いやあ~ホントにすいません💦」と何度も頭を下げる
謝られるほどに、何か変な感じ…
みんなこっち見てるし

立ち去るオジサンの肩越しに、「放せーーー!」とばかりに、バタバタもがきながら身を乗り出す犬
今にも落ちそうになりながら、それでもこっちに向かって吠え続ける犬って…見た事あります?

私は、君に何もしてません
ただ、静かにバスを待っていただけです
納得いきません

友達曰く
「あなたは、生まれながら猫菌に侵されてるのよ。だから犬に敵視される」
はあ…
ウチの娘たちはそんな経験した事ないと笑ってたし
どうも、猫好きあるあるではないようだし
いまだに「えーーー!私もそうなんです!」とかいう人に会ったこともないし

犬に聞いてみたい…
私が何かしたのでしょうか?と

三女が、小学生の頃
学校から帰って来るなり、「お母さん!猫が犬より優れてることを証明しないといけないんだ。協力して!」という
何でも、学校の授業で「犬VS猫」のディスカッションをするのだという

「犬VS猫」?それ自体に疑問を感じたものの、母娘して猫を愛する立場
ここは何としても猫に勝利を収めてもらわなければならない

娘「先生がね、ことわざとか、猫が入る言葉でも良いって。」
私「なるほど。猫にまつわる言葉ね」

私「え…っと、泥棒猫…化け猫…猫ババ…猫を被る…猫の目…猫の額…猫も杓子も…猫に小判…借りてきた猫…それから……」
娘がフグのようにぷーっと頬を膨らませ、明らかに怒っている

娘「じゃあさ、猫が犬より役に立つことは?」
私「そうね…昔はネズミを捕ってたから大いに役立ってたけど、今はね…ご飯食べて寝てるだけだしね…殆ど役には立ってないよね。いるだけで心が癒されます、とかじゃダメ?」

と言ったら、娘は「もういい!お母さんのバカ!」と言い放ち自分の部屋へ行ってしまった

翌日、口も利かずに学校へ行った三女
帰って来た時、彼女の眼は泣きはらして真っ赤だった

娘「私は一生懸命、猫のこと褒めたんだけど、男子が犬は人間のために色々役に立つけど、猫は何の役にも立たないって言って。それで、先生が犬の勝ちですねって。」
悔しさでたまらぬ様子の娘の目から再び涙があふれ出る
聞けば、クラスの殆どが犬の方が勝ち目がありそうだという事になり、ディスカッションが始まる頃には、猫支持者はたった3人だけだったそうだ

クラスの大半を相手に、必死で猫を支持し続けた娘の毅然とした態度が、私は誇らしく思えたが、結果的に、「負け」を受け入れざるを得なかった娘の無念さを思うと、どうにも可哀想でならなかった

そもそも、犬と猫、それぞれを支持する者に分けて議論させるのってどうなの?と初めから引っかかってたけど
人間の役に立つものは「勝ち」であり、そうでないものは「負け」というあまりにも雑な理由付け
これを「答え」として子ども達に教えるのは、果たして正しいのだろうか
「議論すること」を学ばせるのが目的なら、もっと他の選択肢があったように思う

娘が味わった敗北感が気になっていたが、猫への愛が一層深まる結果になったようでホッとした

理不尽にワンコに吠えられるという方がいらっしゃいましたら、ご一報ください!お友達になりましょう!

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