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絡まれイベント?

ヤバい。こんなに持ってたら、盗賊に襲われる。アイテムボックスでも持ってたらよかった。そうだ。王都は人口がちょうど200人だった。これをみんなに配れば…
「却下だ、阿保が。そんなことしたら余計に盗賊に狙われるぞ。まあ、ドラゴンが大量にいるダンジョンを未知の魔法で一発で吹き飛ばすやつの心配なんかしねえが。」
と言った。大丈夫なわけがないだろが。まあ、配るのはよそう。大丈夫。
「世界樹のエリクサーってどんな効果なの?」
「世界樹のエリクサーは、魔力を、全回復させ
、呪い解除、状態異j…」
うるせえ!俺は天の声に聞いてるんだ!
(よく分かりません。)
SI○Iみたいな反応すんな!
「世・界・樹・の・エ・リ・ク・サ・ー・って・ど・ん・な・効・果・な・の・?」
ちょっと威圧を込めて言ってやった。
(世界樹のエリクサーは、魔力を全回復させ、呪い解除、状態異常解除、蘇生、さらにステータスが増加する効果を持っています。)
やっと普通に答えてくれた。なるほど、さっきドラゴンのダンジョンを破壊した時に、経験値が9999入ってきて、それを全て使って得たスキルが「状態異常無効」と「呪い無効」だからいらないね。魔力を回復させるなら、黒金貨で魔力回復薬(マナポーション)を買えばいいだけだし。10本ともあげよっと。その代わり、黒金貨200枚を黒金貨500枚にして貰うけどね。ふふふ。これで金儲けだぁ。こちらぼったくりバーの佐藤典和です〜。アイテムボックスが白金貨1枚くらいだから、余裕で買えるね。どうやら、ギルドでも売ってるらしい。早速ギルドに戻って、アイテムボックスを買った。これでOKっと。その時、誰かに声をかけられた。
「おいおい。そこの兄ちゃん。金貸しな。もちろん、そこのアイテムボックスもなぁ!俺様はBランクだぜ。」
見ると、いかにも雑魚そうな奴が立っていた。
「これだから頭の悪い奴は面倒いんだよ。」
と俺が小声で言ったら、相手は青筋を立て、全く怖くない声を出しながら、汚ない手袋を投げてきた。
「よし。決めたぜ。お前、俺様と勝負しろ。どうせ負けるだろうがなあ。10時半に勝負だ。」

約束の時間の10時半になった。コロシアムみたいなところに連れられた。俺の方は今すぐに壊れそうなボロボロの剣を渡されたのに対して、相手の剣は、まだ使ってもなさそうな、オリハルコンの剣だ。でも、あのオリハルコンの剣、拳で折れそう。試合開始の合図が、鳴らされた。
相手はスローモーションを通り越して、止まって見えた。構えも悪い。拳で殴り殺そうと思ったけど、それはやめた。俺がギルドを出禁になるかもしれないし、バリアグにも危害が及ぶ可能性もある。だから、オリハルコンの剣を壊すことにした。オリハルコンの剣を拳でぶっ壊そうとした瞬間、相手の顔がニヤリとした気がした。気のせいか。とにかく、壊そう。轟音が響き、オリハルコンの剣が粉々に砕け散る。そのカケラから、煙が出てきた。しかも、状態異常が出るようだ。それで、確実にやったと思ったのだろう。だけど、俺には「状態異常無効」がある。全く状態異常が効かないことに、相手の顔が驚きに染まった。て言うかこいつ、まったく剣技がなってなかったぞ。仕方がない。殺すのは可哀想だから、骨折で済ませてやろうか。Bランクなんだから、恒星弾も簡単に受け止めれるよな。恒星弾を放つ。相手に直撃した。そしたらーーーー当たっただけで燃え尽きた。え?Bランクってこんなに弱かったの?雑魚じゃん。仕方がない。「世界樹のエリクサー」を使ってやるか。かすかに残った細胞に、「世界樹のエリクサー」をかけてやった。そしたら、そのまま生き返った。はあ。これ、本当は金にするつもりだったのに。
「どうなったかは知らねえが。お前の魔法が雑魚だったってことだな。」
その言葉にちょっとイラっときた。蘇生させてやったのに。その時、会場全体に声が響いた。
「ガイサル選手、反則負けです!」
会場のあちこちから声が聞こえる。
「ガイサルさん、ズルしたのに、負けたんだって。クスス」
「ていうかあの子の魔法なに?見たことないよ。」
「ガイザル雑魚!ギャハハ。」
という罵詈雑言が聞こえるようになった。その声のおかげで、少しスカッとした。ガイサルは、こう言った。
「は!?あいつが雑魚なだけだろ?俺はあのチンケな火を無効化したんだぞ!」
はぁ。やっぱり、頭の悪い奴は、面倒くさい。説明力のある実況が説明する。
「えー。説明しますと、あなたは、あの炎に燃やし尽くされました。ですが、エクストラアイテム「世界樹のエリクサー」と思われるもので、蘇生されました。そのことを認めないというのなら、あなたはギルドを、いえ、冒険者活動をやめてもらう、とギルド長が言っております。実際、彼には本来黒金貨200枚のものを、ギルド長は黒金貨500枚で買いました。」
その言葉を聞いた瞬間、ガイサルは、膝から崩れ落ちた。もう一度、声が響いた。
「もう一度言いますが、ガイサル選手、あなたは反則負けです!」

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