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作家・歌人など

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作家、歌人などを、本人視点の再現ドラマや仮想のインタビュー記事で紹介しています。
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#再現ドラマ

ルイス・キャロル〜ワンダーランドは嘲笑する〜

イギリス、オックスフォード。 ガバードマーケットを抜けた先の細い路地を左に折れると、表通…

ふでねこ
2年前
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金子みすゞ~月に響く雲雀のうた~

浜に立つとびょおと風が吹き、髪がなびいた。 サンダル履きの足を砂にめり込ませ、グッと力を…

ふでねこ
2年前
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樋口一葉〜書けなかったものたち全てへ〜

【この記事を読むために抑えておくとよい流れ】 ・半井桃水(なからい とうすい)との出会いと…

ふでねこ
2年前
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トーベ・ヤンソン〜ひとりぼっちの物語が世界が照らす〜

いつだって一人ぼっちだ。 絵を描いたって何もならない。 でも、だからこそ描くのだ。 トーベ…

ふでねこ
2年前
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水木しげる〜ゲゲゲの漫画道〜

1961年3月、東京、調布。 房枝※1が玄関の引き戸を開けると、音を聞きつけた茂が飛び出してき…

ふでねこ
2年前
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宮沢賢治〜さよなら銀河鉄道の夜〜

駅の待合室の木のベンチに腰掛けたら、タイツ越しに冷気が腰あたりまでのぼってきた。 伸びを…

ふでねこ
2年前
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【1人の男と2人の女】与謝野鉄幹・晶子・山川登美子を巡る物語1/3(山川登美子篇)

山川登美子篇→与謝野晶子篇→鉄幹篇の順でお読み頂くと、内容が分かりやすくなっております。 ---------------------------------------------------------------- 1902年10月。 京都から乗った汽車の窓外は、郷里、小浜が近づくにつれ小雨模様となった。10月でも北陸の雨は小さな針のように冷たく意地が悪い。 その冷気は、車内にまで及んでいた。 山川登美子は、隣りに座る夫、山川駐七郎の寝顔をまじまじと眺めた。僅かに、青白い