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【連続note小説】日向食堂 小日向真司51歳

「こんちわ」
随分と大柄な男性が日なら日向食堂にやって来た。
「いらっしゃ・・・、えっ!!」
「たいへんご無沙汰してますっ」

それはいまやプロ野球で大活躍している本田利次だった。
真司が夕食を食べさせてやってた頃とは、身体が二回り程大きくなっているが、あの懐かしい顔に間違いない。

「久しぶりにオヤジさんのめし食べたくなって。
今日はチームメイトも連れてきました」

本田に劣らない大きな男性が十人程、本田の後に続いて続々と店に入ってきた。
だれもが超一流の現役プロ野球選手だ。
あおいはすでに写真を撮ってもらっていた。

「どういう風の吹き回しだ」
真司は料理を作りながら、本田に聞いた。
その顔はガスの炎くらいで消されないくらいに笑っていた。

「みんなにオヤジさんに世話になったことを話したんです。
そしたらみんなで行こうってことになって・・・。
オヤジさん、みんなに腹いっぱい食わしてやってください。
売り上げに協力させてもらいますよ」

いつの間にか稲本をはじめ常連のお客さんが集まって来ていた。
現役プロ野球選手のお勧めの店として、「日向食堂」の名前が知れ渡るようになった。
本田の恩返しだった。

▼関連エピソードはこちら


真司が生まれてから人生を全うするまでを連載小説として描いていきます。

<続く…>


<前回のお話はこちら>

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