人に裏切られたときに読むエッセイ

人は裏切る生き物だ。
裏切るという表現は少し大袈裟かもしれない。
それは裏切るという行為を無意識にやってしまっているから。

本人は意識しているわけじゃないから、何の罪悪感もない。
やられた方は、猛烈なストレスを受けていることなんて気付きもしない。
ある種、いじめに近い。

やる方は相手を選んでくる。
この人なら裏切ったところで、自分に害が及ばない。
この人なら裏切ったところで、怒りもしない。

だから優しい人がターゲットにされる。

優しい人は当然だが反撃しない。
いや反撃したくてもその術を持っていない。
だからやられるしかない。

裏切る方はなぜ仕掛けてくるのか。
自分の存在を誇示するため。
憂さ晴らしのため。
優しい人は何も感じない人だと錯覚しているから。
三番目の理由が一番大きいかもしれない。

でも優しい人は悲しさや寂しいを知っている。
悲しい過去を乗り越えて、寂しさに耐え続けてきた。
だから人に優しく接することができる。
だから人を裏切ったり、バカにするようなことは言わない。

裏切る方は優しい人のことを何もわかっていない。
それはもっと悲しいこと。
優しい人の陰にある悲哀を理解できない器量の小さい人。
だから相手にしちゃいけない。

でもそんなこと言われたって、裏切られたら悲しいよね。
相手はいっしょにいる限り、何度でも裏切ってくるからね。

そんな時はどうしたらいいだろう。
あなたも裏切り返せばいい。
露骨に態度に表す必要はない。
あなたの心からその人の存在を排除すればいい。

相手を腕、足、頭、胸、腹とバラバラにして考えてみる。
一度裏切られたら腕をあなたの心から無くす。
二度裏切られたら足をあなたの心から無くす。
三度裏切られたら胸をあなたの心から無くす。
五度裏切られたら完全に存在を無くす。

裏切られる度に、あなたの反応は少しずつ冷めていっているはず。
相手は存在が薄れていく人なんだから。
少しずつ、少しずつ、冷めていく。
相手はどんどん消えていってる人なんだから。

もう裏切ってくる相手は実在しない。
余程のバカでない限り、六度目は裏切ってこないよ。

小説を読んでいただきありがとうございます。鈴々堂プロジェクトに興味を持ってサポートいただけましたらうれしいです。夫婦で夢をかなえる一歩にしたいです。よろしくお願いします。