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小五郎は逃げない

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【連載小説】小五郎は逃げない 第1話からまとめています。
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#歴史小説

【連載小説】小五郎は逃げない 第48話 (最終話)

武士たちの選択 5/5 その後、新選組に捕えられた岡田以蔵は、土佐藩へ強制送還された。新選…

【連載小説】小五郎は逃げない 第47話

武士たちの選択 4/5 最後まで温存しておいた技でも、近藤には歯が立たなかった。手負いの以…

【連載小説】小五郎は逃げない 第46話

武士たちの選択 3/5「犬は命乞いするもんじゃと思っていたが、わしらにしっぽを振らんのか。…

【連載小説】小五郎は逃げない 第45話

武士たちの選択 2/5 桂は以蔵に構うことなく、土方に襲い掛かった。凄まじい気迫と共に、上…

【連載小説】小五郎は逃げない 第43話

闘走 5/5「いや、二本とももう使えない。新しい木刀が必要だ。次の通りまで走るか」  桂の木…

【連載小説】小五郎は逃げない 第41話

闘走 3/5「以蔵殿、斬り込むか」 「いや、相手は二十人程おるきに。まともに斬り合っては、こ…

【連載小説】小五郎は逃げない 第40話

闘走 2/5 以蔵と対峙した隊士は、以蔵が真剣ではなく木刀を持っていることにいち早く気付いた。たとえ木刀で叩かれたとしても、命を落とすことはない。安心感と共に、以蔵に反撃する余裕を与えないように、連続して打ち込んできた。以蔵は斎藤との激闘で傷んだ木刀で、何度となく敵の攻撃を受け止めているうちに、木刀が折られてしまった。隠してある木刀はまだ残っているが、それを取りに行く隙が無い。真剣を持った相手と素手で戦って勝てる確率は、万に一つもない。 「こりゃ、参ったぜよ」  以蔵が独

【連載小説】小五郎は逃げない 第39話

闘走 1/5 走り続ける桂の目前に、戦闘予定ポイントが迫ってきた。そこには、以蔵の姿は見え…

【連載小説】小五郎は逃げない 第38話

奪還 6/6 幾松は竹の棒で、必至に川の底を突き続けた。鴨川の水深は、人の腰くらいまでしか…

【連載小説】小五郎は逃げない 第37話

奪還 5/6 桂はこの戦いが終われば、寅之助を以蔵から引き取りたいと思っていた。以蔵も一緒…

【連載小説】小五郎は逃げない 第36話

奪還 4/6 以蔵の方はとにかく速い。最初に対峙した隊士の正面から接近戦に持ち込むと見せか…

【連載小説】小五郎は逃げない 第35話

奪還 3/6 土手を駆け上がった沖田たちは、目下で右往左往している隊士たちの姿を見た。 「な…

【連載小説】小五郎は逃げない 第34話

奪還 2/6 やがて迎撃隊は三条河原に差し掛かった。土方らの心に諦めムードが漂った。土方は…

【連載小説】小五郎は逃げない 第32話

決別 3/3 子供の頃はよく友達にいじめられていた。しかし、悔しくて泣いた記憶などなかった。剣術を始めてから誰にも負けたことがなかったが、龍馬に始めて試合で負けた時も悔し涙など流すことはなかった。池田屋で新選組の襲撃を受け、仲間を置いて逃げた時に、走りながら泣いていた気がする。友が死に行く姿を思い浮かべると、意識することなく泣いていた気がする。自分が苦しくとも、辛くとも泣くことはなかった。しかし、親愛なる友の苦しみには耐えきれない、耐えきれずに涙してしまう。桂はそういう男だっ