ひとりごと

だよね。薄々、わかってた。ほんとは。
対話すべきは相手とじゃなく、誰か他の人でももちろんなく、自分自身となんだってことは。それを、避けているんだってことは。
誰かと過ごしたかったのは、一人が落ち着かなかったのは、たぶんきっと、そういうことで。
自分と向き合うことから目を逸らしたかった気持ちがあったんだろう。
幸せな気持ちが、ないとは言わない。それが嘘だとは思わない。
でもここまで敢えて、ややこしい関係を選び続ける自分の業的なものが何なんだろうと思う気持ちも心のどこかにはあり。
何も知らない人から見れば、騙されてるの?と思うくらいの好条件な相手に見えると思う。見えるじゃなくて、実際そうだと思う。
見た目も、性格も、収入も、申し分なさすぎるスペックで、間違いなく彼がゲイでなければ、私のような女が結婚できる相手じゃない。
だからきっと、言わない限り、誰に会わせても素敵な人だと言われるに違いないし、それはつまり「すぎた相手」だということだ。
わかっている。
でもそれは、別に間違いじゃないし、私の選択を誰かに責める権利があるはずもない。
何が幸せかなんて誰にも分からないし、結婚に正しいも間違いもない。
恋愛と結婚は別だという価値観があってもいいし、それが相手を大切にしていないことでは必ずしもない。
そう思ったから決めたのだ。そのことを後悔しているわけじゃない。
不安なのはそういうことじゃない。
相手が彼でなければ決められなかったし、こんな風に事は進まなかった。
それは確信を持って言える。そういう意味では運命の人だ。
彼と会わなければ私はこのまま、ずっと結婚しない人生だったと思う。
だから不安なのはそういうことじゃなくて、もっと自分自身の問題なのだ。

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