おうた普通民へ贈る、カラオケ90点ホルダーへの道

どうも。カラオケは音ゲー、あざばて。です。趣味はカラオケで、高得点を取るために一人でカラオケに行っては7時間歌い続けるなどしています。

喉を酷使した結果、喉が擦り切れて血を吐いたことがあります。

今回は、「そこまで歌がうまくない奴」が「カラオケで点数を出す」方法について、簡単にポイントを説明できればと思います。

合言葉は「カラオケは音ゲー」。攻略法を考えることで、実力は似たようなもんでも点数をぐーんと上げることができます。


ぼくの腕前

さて、そんなお話を書くくらいなんだからよほどお前はうまいんだろうな? と言われそうですが、ぼくは歌はそんなにうまくないです。世の平均よりはまあ上かなあというところですが、それに関しては趣味でカラオケに行きまくった結果みたいなところがありますし、少なくとも才能にあふれているわけではありません。家族全員音痴ですからね。ぼく楽器も弾けませんし。

たまにニコ動とかTwitterとかでカラオケの音源はあげてるんで、実際にぼくのおうたがどんな感じかっていうのはそちらをご覧ください。

さて、ではカラオケでどんな感じの点数が取れるか? っていうと、97~99を取れる曲がいくつかあります。DAMの精密採点で98.8、全国ランキングで99.2、JOYでは昔とった97.3が最高値ですね。

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こんな点数はもともと取れてたわけじゃなくて、研究と練習とカラオケの採点AIへの忖度で構成されています。

カラオケマンには100点ホルダーが溢れかえっているので僕の数値は決してカラオケを極めた者というわけではないのですが、「歌がうまくないのでカラオケに苦手意識がある」とか、「カラオケの採点で80点台くらいしか出なくて困っている」というみなさんが、90点代を取れるようになるくらいまでの部分をお助けできれば……と思い筆を執りました。点数が出始めるとカラオケが楽しくなりますからね

中学のときの音源とか聴くとぜんぜんうまくないし点数も80点台しか出てなかったので、少なくとも普通レベルの人なら練習しだいでこれくらいまでは伸びると思います。


手っ取り早くポイントのまとめ

長い文章は面倒だというせっかちな皆さんのために、最初にポイントをまとめておきます。

①自分の音域を把握

②曲を適切に選ぶ

③曲の音程を聞き込み、覚える

④カラオケで何度か歌い、喉に覚えさせる

まずはここです。「歌のうまさや技術の話はしないのか?」と思われたかもしれませんが、その辺は後からでいいです。歌のうまさとカラオケの点数なんか別物なんでソシャゲの面白さと売り上げがあんまり関係ないのと一緒です

さて、90点を出すためには、まあもともとの歌い方にもよるんですが、基本的には「①8割台後半の音程正確率 ②抑揚とビブラートで足を引っ張らない」を満たせば十分な点数になると思います。


①自分の音域を把握

音域です。これは「無理矢理hihiAの金切声を上げることを意味しません。自分にとって無理なく出せること。音程を正確に出せること。この範囲を自分で把握することが重要です。また、狭くて歌えないという場合は練習してもいいでしょう。僕の場合は、ざっくりmid1A~mid2Gくらいが「ちゃんと音程を合わせて出せる」音域になります。男性の平均的な音域とほぼ同じと言えると思います。自分で「音域チェック」みたいな動画を見たり、カラオケで音域ごとに歌ったりして確認してみてください。

あ、hiAとかlowGとかいっていうのは音程の名前です。「高いド」みたいなやつ。lowlow→low→mid1→mid2→hi→hihiの順に高くなっていきます。で、「A」が「」です。なんで「」は「C」に対応しています。これはそこまで覚える必要はないですが、曲の音域を調べるときに便利です。

ちなみに、hiAが「粉雪」の「こなああああああああ↑↑↑」で、hihiAはダンスロボットダンスの「あなたに共鳴して止まな↑いの!」のとこです。目安程度に。

これらを考える際に、特に男性にとって重要(女性でもたぶんそうだと思います)なのが、換声点の存在です。特に僕は高音を張り上げるとすごい簡単に声がひっくり返ってしまうんですよね。裏声がひょっこりはん。なので、地声の最高音付近が頻出する曲は避けた方が無難です。人にもよりますが。ぼくだと「頓珍漢の宴」は死にます。「胸いっぱいのダメを」だと死にません。

さらに、これは発展形なので、人によるんですが、「裏声でもコントロールできる」のであればそこを入れてもいいと思います。僕はhiB~hiFくらいが割と高精度で音程合わせれるんで、曲によってはそのへんを入れることもあります。

ただし気を付けてほしいことがあって、ここで換声点が邪魔をするんですね。換声点っていうのは地声と裏声が切り替わる点のことで、基本的に鍛錬を積んでない人間にとっては非常に声が不安定になる音程となります。この音域の周辺を行き来するような曲は避けるのがよいでしょう。っていうか基本的には、点数を出したいなら裏声を使わなきゃいけないような曲は避けるのが吉です。シャルル程度であっても。

なんで、自分の音域は、点数を出すためには、まず地声の音域(ただし最高音周辺は要注意)として認識しておきましょう。


②曲を適切に選ぶ

さっきの音域の話から連結するんですが、上記の自分の音域にあった曲を選ぶというのが基本です。するとあら不思議、ボカロ曲はほぼ全滅します。最近流行の邦ロックもほぼ全滅すると思います。女性ボーカルのアニソンをオク下で歌うあたりがねらい目になるでしょう。ボカロ曲でも、かなり音程の落ち着いた曲ならいくらか残るかもしれません。

そしてもうひとつ重要なのは、「細かい音程の上下は絶対に避ける」これにつきます。なんなら今回の文章で一番大事なのはここです。

細かい音程の上下は絶対に避ける。

大事なことなのでry。

細かく、そして振れ幅がでかい曲ほど避けるべきです。nyanyanyanyanyanyanya!なんかがいい例です。シャルルとかも点数取るにはあんまり適してないと思います。音域が平気ならメルトの方がマシまである。

こういう曲が楽だと思います。音域も優しさの理由オク下→mid1A#~mid2CDestin Histoireオク下→mid1A~mid2Cと良心的。ちょっとこれだと低いって人もいるかもしれないんで、そういう方は自分の好きな曲の音域を検索してみましょう。

上記した2曲は両方ぼくの得意な曲なんですけどね。男子だと女性ボーカルのアニソン(ロック風でない)から探してオク下で歌うのが有効打だと思います。まあこれはぼくがアニソンとかボカロばっか聞いててこれに詳しいアチアチキモオタクだからなんで、ポップスとか邦ロックとかに詳しくていい感じの曲を思いつく方はそれでもいいと思います。昨今のボカロやロックにありがちな高速曲は避けましょう。一音一音ていねいに考えて合わせられるような音符の配置になっている曲がよいです。

また、曲が短すぎず、ロングトーン(長めの音符)がいっぱいある曲が望ましいです。ロングトーンの少ない曲ではロングトーン点ビブラートなどのテクニック点入れにくくなるので。代表例は「モザイクロール」など。この曲は音程は非常に合わせやすく音域も狭いですが、テクニックが入りづらい。

長い音が無いのでビブラート点やロングトーン点が入らねえんだ。こういう曲でテクニック点が入らないのは当たり前なので、避けるのがよいでしょう。

ボカロなら「タイムマシン」とか「いーあるふぁんくらぶ」あたりがいいんじゃないかな……?

ボカロは慣れてると気づかなくなりがちなんですが、音域が思ってるより高かったり音程が思ってるよりテクニカルだったりすることが多いので、慣れてきて以降の方がいいかもしれません。


③曲の音程を聞き込み、覚える

これも大事です。前述の②までが「点数の出しやすい曲を見つける」ことへのアプローチであるのに対して、これは「見つけた曲の点数を上げる」ことへのアプローチになります。

カラオケで正しい音程を出すためには二つのステップを踏む必要があります。ひとつめは「正しい音程を把握・記憶すること。ふたつめは「正しい音程をマイクに出すこと。つまり入力と出力です。

単語帳を使って覚えた単語をテスト用紙に正しく書く。この動作に近いものがあります。

カラオケという出力の場で点数が出されるため、歌のうまさにおいて「出力」ばかりが注目されるんですが、正しい入力がまずは重要です。ぼくもうろ覚えの曲では点数が出ません。なぜなら正しい音で歌おうにも正しい音を把握していないから。

カラオケで歌う前に、音程をAメロ、Bメロ、サビ、Cメロ、……としっかり把握しておくことが大事です。このとき、ニコ動なりyoutubeなりで聞きながら自分でも歌って合わせていきましょう。

ここで忘れてはいけないのが、「1番と2番で音程が若干だけ違う」とか、「2回しのAメロだけど、それぞれ音程が若干だけ違う」とか、「同じ音が続くように見えてところどころ違う音程が混ざる」とかいうパターンです。

これらは暗記漏れしがちなので、よく復習しておきましょう。減点の元です。

まあぶっちゃけ90点くらいなら多少その単体のポイントがひとつくらい怪しくても出せはするんですけど、まあ、余計な減点はどちらにしろ避けたいですからね。


カラオケで何度か歌い、喉に覚えさせる

実際覚えているように思えていても、久々に歌う曲はあやふやだったりします。あやふやな音程は減点の元音程バーの青キラキラ一本80点台の元(格言)。しっかりフル聞いたはずなのに歌ってみるとあれ? ってなることもあります。歌いながら、自分で「音程を合わせてみる」ことを通じて、自分の喉や記憶に定着させていきましょう。英単語の記憶に、細かく自分でテストをすることが大事なのに似ています。引き出せない記憶なんてもったいないので。

それで、歌ってみたら意外と難しいな、とか、歌ってみたら意外としっくりこないな、みたいな感じで点数狙いから外す曲もありますね。ぼくだと「からくりピエロ」とかがそんな感じだったりする。

カラオケに行って実際に通して歌ってみることも大事ですが、それより前に「家で曲を聞きながら、ワンフレーズずつ覚えていく」フェーズを入れていく方がいいでしょう。ぼくは新しい曲を覚えるとき、曲を流しながら、ワンフレーズごとに歌ってみて、自分で合ってるなって思ったら次に行く。これを繰り返しながら音程を掴んでいます。それでだいたい覚えたかなってなったらカラオケで通しで歌ってチェック音程正確率とか通しで声張って歌った時の難易度とかを確認しています。

ここで重要な概念が出てきますね。音楽が苦手だという人にとって最初にして最大の関門かもしれません。

「音程が合ってるかどうか」

練習する際、覚える際、実際に歌う際、どれにしても、自分で「この音が合っているかどうか」を認識できる必要があります。これについては、かなり「能力」が必要になる部分といってもいいでしょう。

ここで極度の音痴・リズム痴(?)であるぼくの父親による名言をご紹介したいと思います。

父親「結局、一拍って何秒のことなの?」

ぼく「なんて?????」

このクラスになるとかなり話が難しいですが……(彼は「手拍子」ができません)とにもかくにも、いわゆる音痴の人は、自分がズレているのか、合っているのか? がそもそも理解できていないことがあります

この場合はまずは「耳を鍛える」ことが重要かと思われます。カラオケの音程バーを「目で見ながら」修正する練習をするとか、音楽の時間にやったような音程の練習(ドレミファソ~って上に上げていくとか)、あとは単純に音程を合わせる作業を繰り返すとか(ぼくはこのパターンです)して耳を鍛えるようにするしかないかと思われます。

ここさえ乗り越えれば、「自分がズレている」ことを認識して、歌うたびに修正を加え、一人で勝手にうまくなりつづけることが可能になります。


ex.ビブラートとか抑揚とか

ここは歌の「技術」になってくるので、後回しでいいと思います。ある程度ちゃんと歌えるって人が「なぜかカラオケの点数はあんまり伸びない」みたいなパターンに通用する話かもしれません。歌が得意じゃなくて……みたいな人はここは後回しで、まずは耳と音域選び・曲選びからいきましょう。

このビブラートや抑揚は補助的な役割にこそなるのですが、90点台に乗ってきたあたりから馬鹿にならない点数の差を生み出します。ただ、まずは音程を8割台後半に乗せることを最初に練習すべきかと思います。その時点で得意な曲なら90点には乗ってくるんじゃないかな。それでもなかなか乗らないって場合は、抑揚を大袈裟につけて、ビブラートも大袈裟につけて、加点を強制的に狙っていきましょう。これはどちらかというと、90点の人が95点に乗るためのノウハウみたいな側面のほうが強い気がしますね。

ビブラートは多さにばかり目が行きがちですが、とにかく表示されたビブラートのマークが多ければいいというわけではありません。不安定に音程がグラついたり、不適な場所で震えたりすると「音程にブレがあるという判定を食らいます。それを避け、安定したビブラートを作りましょう。これについてはいよいよ技術の話になってくるので、各自そのへんのyoutubeの講座系動画でも見て勉強してください

抑揚は、サビだけでかく声を張るってわけじゃなくて、AメロならAメロの中で抑揚をつけるようにする、みたいな細かい抑揚で点数が付きます(DAMの精密採点の場合)。なので、その周辺の音の中で「高い音」が来たらその音の声を大きく出すっていうのが正攻法のひとつです。

で、声の量を落とす……つまり「抑」の部分なんですが、声を抑えると聞き取りづらくなったり、音程が入らなくなったり、逆に「揚」の部分で声を張りすぎると制御が難しくなったりします。

これを避けるためにやるのが、裏技である「マイクとの距離を変える」です。抑えたい部分はマイクを離し、上げたい部分はマイクを近づける。あんまり急激にやるとドップラー効果音程が誤認識されるので気をつけて。

これうまくできるようになると平気で平均点が3~5点くらい上がります。ぼくは上がりました。

じっさいにうまくなったわけじゃないのに。だから最初に言ったんですよね。カラオケで点数とるのと歌のうまさは関係ないって。こういう機械にいかに忖度するかという技術の結晶なんですね、高得点っていうのは。


おわりに

ここまで見てみて、まったく歌の本質の話をしていないのにお気づきでしょうか。カラオケに魂など必要なく、表現力も必要ないのです。必要なのは「加点される技術」。人にアプローチする必要などありません。機械とシステムにアプローチすることで点数は上がっていきます。歌のうまさはそんなに……でも、音程正確率が上がることによって、それなりにうまくは聞こえると思いますよ。

おうた普通部の方も、カラオケに通うことでいくらでも90点ホルダーになれると思います。カラオケは音ゲー。特別な才能は必要ありません。みなさんが成功体験を積むことを願っています。

それでは、ぼくはカラオケに行きたすぎて手が震えてきて、うまくこの記事をタイプできなくなってきたので、今からカラオケに行ってこようと思います。