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価格を予測せずに相場で勝つ方法【BTC】

こんにちは、rinovです。

今回は仮想通貨や株などで応用できる、価格予測をしない戦略の1つとして「定率再分配ポートフォリオ理論」について紹介します。

一般に相場では価格が安い時に買い、高くなった時に売ることでその差益を獲得することが目的になりますが、今回紹介する方法は価格を予測せずに機械的な操作を続けることで収益をあげる方法になります。

価格を予測しない投資・積立戦略としてはマーチンゲール法ドルコスト平均法デルタニュートラルによるファンディングレートの獲得などが有名でしょうか。

今回紹介する「定率再分配ポートフォリオ理論」は前からある手法ですが、意外と知られていなく、内容に関してもやや直感的に理解することが難しいため、あまり個人で運用されている方は少ないのではないかと思い、今更ですが紹介してみようと思いました。

まずは、具体的な手順を先に説明してから、その仕組みとバックテスト による実証結果を共有します。

方法:
前提条件:
- 投資ペア: BTC / JPY (同一でなければなんでも可)
- 1BTCの価格は200万円とする
手順:
1. 軍資金を用意する (例: 100万円)
2. 1の半額分(50万=0.25BTC)のBTCを購入する
3. BTCとJPYの評価額が1:1になるように定期的に売買して調整する
4. 3を繰り返す (例: 1日一回)

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手順としては、このように2つの通貨ペアの評価額が常に釣り合うように調整するだけになります。

では、次はこの手順を踏むことで実際にどのように収益が得られるのか、
例に当てはめてみてみましょう。

具体例:
先ほどの前提条件で開始した場合、手元にはBTCが50万円分(0.25BTC)と日本円が50万円あります。次の日にまさかのBTCが200万円から100万まで下落したとします。すると、手元の資産額は0.25×100万 + 50万 = 75万まで減ってしまいます。そこで75万円で1:1になるようにBTCを37.5万円分(0.375BTC)、日本円を37.5万になるように売買して調整します。

そして、次の日にBTCの価格が100万から元の200万まで戻ったとします。
すると面白いことに、手元の資産額は0.375×200万 + 37.5万 = 112.5万になっています。1BTCの価格は200万からまた200万に戻っただけなので、なにもしなければ価格差は得られなく、収益は0のはずですがこの定率再分配ポートフォリオ理論に基づくと、12.5万円の利益が生まれました。

しかし、なぜ常に資産の割合を1:1にするだけで利益が発生するのでしょうか?

この説明に関しては、こちらの「天才数学者はこう儲ける」にも載っており、通称シャノンの悪魔とも言われています。
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仕組みとしては、この場合まず資産額はBTCの価格変動のみによって変わります。
そのため、1BTCの価格が高い時には少なく購入(A枚)され、1BTCの価格が安いときには多く購入(B枚)されます。そのため、例えば価格が乱高下し下がった後にまた価格が元に戻った場合には、1:1の比率で保有していたことを前提とすると、常に保有BTCの枚数であるAとBは、 B > Aの関係になり、リバランスによって生じたB-Aが利益として得られます。

このように市場が十分に効率的であると仮定すると、最終的に価格は平均回帰するため、常に価格が平均より上の場合は売り、下の場合は買うということを1:1になるように調整することが最適なポートフォリオ戦略になります。

注意点としては、この戦略は価格が大きく変動する、つまり、ボラティリティが大きいペアで組むのが有効ですが、その場合リバランスの回数が多くなり、売買時の手数料や、スリッページなどによって収益化が難しくなることなどが考えられます。

しかし、BTCに限ればバラティリティは十分大きく、売買手数料が0の取引所もあるため比較的やりやすいと思います。

バックテストによる確認
最後に本当にこの戦略を実行するだけで利益が得られるのか、バックテスト による確認をしてみましたので参考までにご覧ください。
※バックテストコードはこの記事では割愛します

前提条件:
取引所: bitFlyer (現物)
通貨ペア: BTC / JPY
取引手数料: 0.01%
スリッページ: 500円
最低購入量: 0.001BTC
軍資金: 100万
期間: 2020/11/6 ~ 12/7 (1ヶ月間)
リバランス間隔: 1時間毎

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検証の結果、100万円をもとに1ヶ月運用した場合6万円の利益となっていました。(利益率: 6%)

BTCに関しては直近2020/11-12月が上昇相場であったこともあり、かなり良い結果が出ました。価格が下落した箇所においても大きなドローダウンはなく、十分本番運用を考えることができる結果だと思います。


まとめ

・定率再分配ポートフォリオ理論は、効率的な市場を仮定した最適なポートフォリオ理論
・手順はシンプルに常に1:1にリバランスをし続けることで、直感に反して利益が生まれる
・運用の際には売買時の手数料や取引コストに注意する

自動化・BOTに興味がある方向け:
シストレやBOTに興味がある方を対象に、今回紹介した理論を実際にbitFlyerですでに運用しているBOTを販売していますので、興味のある方はこちらから購入することができます。すぐに運用を始めたい方、BOTの作り方に興味がある方は参考になると思います。
https://note.com/rinov/n/n49cbbe3e8c88



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