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作家・氷室冴子さん。

私が中学生の頃。同級生の女子がこぞって読んでいた本といえば集英社のコバルト文庫。中でも大人気作家の氷室冴子さん。「クララ白書」「アグネス白書」「雑居時代」同世代の皆さん覚えていますか?
私が一番好きだった作品は「なぎさボーイ」「多恵子ガール」40年ぶり!にKindleで読みました。

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「男はすべからく泰然と構える」のが理想の俺なのに、体は小づくり、しかも女顔、とどめが名前で雨城「なぎさ」! 幼稚園で複数の男どもから求愛(プロポーズ)され、今は蕨第一中全校生徒からなぎさ「ちゃん」呼ばわりだ。その屈辱の過去の元凶・北里と、ちゃん付けの張本人・多恵子が俺に囁いた。三四郎が恋わずらい!? ――恋に、受験に、揺れる青春前期、肩肘つっぱらかったシャイボーイの、悪戦苦闘のラブコメディ!

集英社コバルト文庫「なぎさボーイ」より

主人公の雨城なぎさくんが過ごした中学高校時代の物語。
この本の何が私を夢中にさせたのか?
中学一年の時に初恋の人ができた私。当時友達と恋の話しをよくしていた。男の子の気持ちってよく分からない。少しでも男の子のことを知りたいと夢中になって読んでいた。
雨城なぎさくんの同級生の原田多恵子への想い。それが恋なのか何なのか分からない。素直に好きと言えなくて。高校生になると三角関係?に悩まされたり。親友の北里くんや三四郎くんとの男同士のやりとりも面白い。等身大のティーンエイジャーの男の子が描かれている。何度この作品を読み返したことだろう。

著者の氷室冴子さんに感謝したいのは次の作品「多恵子ガール」が出版されたこと。

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特別な人。たとえば、誰にどんなふうに見られてもいいけど、世間の目なんかかまっちゃいないけど、その人に変に思われたくない、その人の目には、とびきりの自分が映っててほしい。そんなふう? そんな人なら、いる。いるけど。――シャイなクセに肩肘張って、勝手にあたふたしてるあの「なぎさ」くんを、多恵子の目で覗いてみれば…? というわけで、『なぎさボーイ』姉妹編待望の登場です!!

集英社コバルト文庫「多恵子ガール」より

主人公は原田多恵子。なぎさボーイに登場する雨城なぎさくんが好きな女の子。なぎさくんを好きな多恵子側から見たらどうなの?
多恵子にも色々な出来事がある。なぎさくんが起こした行動を多恵子はどう思っていたのか様々な発見がある。なぎさくんの知らない多恵子の一面がでてきては多恵子にもそんなことがあったんだと何度となく頷く。
ボーイ側とガール側の二作品読むことで二人の気持ちの機微がより伝わってくる。

氷室冴子さんの二作品を大人になって読んだけれどまったく色褪せない。ぐんぐん引き込まれていく。十代の頃にこの作品に出会えたことを嬉しく思うと同時に今でも愛すべき作品に変わりはない。

#読書の秋2022
#なぎさボーイ
#多惠子ガール

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