見出し画像

あなたに言いたいこと

「ねぇ、最近きづいたことがあるの」
「あのね、私あなたにさぁ……いや! 迷惑かけてると思ってないよ!? 思ってるけども、そう言いたいんじゃないの」
「もう、ちゃんと聞いてよね、私、珍しく真剣に話してるんだから……ちょっと、聞いてる? スマホいじらないでよ! いじめないでよ!」
「早く言ってじゃなくてさぁ、もう。あのね、私最近気づいたことがあるの。それは聞いたって? だからね、とりあえずだまって聞いてよ。そう、口を閉じてね。いや、だからって鼻歌歌っていいわけじゃないよ?」
「……もういい、知らない。」
「謝っても遅いよ。ふんっ」
「え、ちょっ出かけるって、どこに? 今?」
「いやいやいや、確かに謝っても遅いと言ったけどさ、言ったけどさ! もう一回くらい尋ねてよ」
「うんそう、それでね、私あなたにたくさん褒めてもらってるでしょ? 当然? いや、あなたにとってはそうかもしれないけどね、私、あまり人から褒めてもらったことないのよ。思い込み? そうかもしれないけどさ」
「でもさ、私、あなたがたくさん褒めてくれたおかげで、いろんなことに前向きになってきたんだよ。しかもさ、人のことを初めて好きになって、それでいてこんなにも褒めてもらって、私はあなたに幸せにしてもらってるんだなって」
「当たり前って? そうかもしれないけどさ、私にとっては、初めてのことだったの。人から褒められるってこんなにも嬉しいんだって、そういうことが知れたことが本当に嬉しいの」
「あなたは照れるといつもそうやってやるよね。癖だよね。かわいい」
「いや、私のほうがかわいいとか……あなたのほうが私にとっては私よりも素敵ですよ?」
「うん、わかった。そういうことにしよう。それはとても素敵だと思う」
「私もあなたも最高な人だよね」

2019/05/26

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?