タイプ9は「どうでもいいこと」をしている訳ではない

タイプ9は人に流されるのではなく自分のしたい事を自覚して主体性を持ってそれをやり遂げることが重要だと言われている。

タイプ9の私が「主体性を持つ/自分の怒りを自覚する/怒っている事を主張する」ということを意識した時、自分のしている事に関して「どうでもいいこと」だと見なす観点に対して怒りを感じた。自分にとって価値が理解できなかったら「価値がない」ということを分からせようとする行為に怒りを感じた。

人のしている事を「そんなのどうでもいい事だ」「何の意味もない」と否定しながら「こっちの方が良いのに」と自分のしたい事や価値観を押し付けてくる人はいて、そういう人の意見を鵜呑みにしてしまうことが、人に流されて自分自身が本当にしたい事を見失ってしまうタイプ9の囚われの始まりだと自覚した。

そもそもタイプ9は小さなことで満足するタイプだから大きなことを成し遂げた時の達成感は心からの満足には繋がらなくて、重要なのは自分は小さなことで十分に満足できる人だと伝える事だと思う。他の人が大きなことを成し遂げた時に満足感を得るのだから自分もきっとそうだと同一視することなく、「自分はそれを必要としていない」と他者とは異なる自分のアイデンティティをしっかりと自覚して振り回されない事が重要だと思う。

そうやってタイプ9が「自分のしたい事(=本当に小さなこと)」をして満足感を得ている時に、「そんな事して何のためになるの?」と疑問視したり蔑んでくる人はいるから、そうした時に「私のしている事には意味がないのかも……」とか「私は無駄な時間を過ごしていた」などと振り回されてしまわずに「あなたには私の幸せが分からないかもしれないけど私は十分に満足だ」と揺らがない自我を保つことが重要だと考えている。

「私は平凡な日常が好き」と自覚できるタイプ9は健全度が高いと思う。
これが囚われに囚われている状態だと、周りの人が色々とやっているのを見て自分もつられて色々とやりたくなって、自分は何をやっても十分に満足できない(=心からしたい事が分からない)という状態に陥る。そうすると他タイプのあらゆる欲求に中途半端に同意して自分は全タイプありそうだけどどの囚われもそんなに強くないという自認になる。
この「うっすらやりたくなる気持ち」を「元から自分にあるものではなく周りから影響を受けたものだ」と割り切って「自分にはそれは必要ない」というNOを自覚できるとタイプ9は成長できる気がする。

タイプ9は「どうでもいいことに時間を費やしている」と見なされがちだけど、その「どうでもいい」は外からの評価であってタイプ9自身の内部から生じたものではない。
他のタイプは明確な理由を持って何かするタイプだけど、タイプ9自体が「理由なしの受け入れ」ができるタイプだから、たとえ他人に説明できる理由が思いつかなかったとしても「している事には価値がない」という結論には至らない。それはタイプ9自体が自覚している事。
その証拠として、他の「より重要」だとされるものを勧められると体に抵抗感を感じる。この抵抗感を「感じていなかった事」にするのではなく、自分の心が引き起こした事実だと受け止めるのが重要な過程だと思う。そして爆発するより先に「要らない」と断ることが大切だと思う。

タイプ9の怒りは「どうでもいいと見なすな」という怒りだと思う。
タイプ9がもらえなかったメッセージとして「あなたの存在は重要です」がある。この「存在」は「自分なりの意志」という意味だとも考えられる。だからタイプ9のする事に対して「どうでもいい」と扱われた時に「それを決してどうでもいいとは思っていない自分自身」を自覚して、「自分の意志にも尊重される権利があるんだ」と自覚すると、タイプ9は「自己主張するのはよくない」を乗り越えられると思う。

小さなことで満足を得ることも、快適に過ごすためにぼんやりする事も、タイプ9にとっては決して無駄な事ではなく必要な事だから「自分にはそういうのが必要なんだ」と主張するのが最終目標だと感じる。
少なからず私は、大きなことを達成して満足感を味わおうとした時に「大して満足できなかった」と感じたから、目指す所はそこではない気がした。それとは反対に、小さなことでの満足感を邪魔されないように自己主張すると、まさに自分の望んでいた人生を得られた気がしたから「こちらとして生きていく方が幸せに生きられる」と自覚した。

自分のしたい事を通そうとすると悪影響を及ぼすのではないかと周りのことが気にかかったり、実際の周りの反応を見て「押し通したら後悔する!」と思って主張を引っ込めたり、自分のしたい事が通っても「こんな事して良くないんじゃないか」「他の人の意見に従わない自分は不幸になる」という恐れが出てくる、というのがタイプ9の囚われとして挙げられる。

そこを乗り越えた先に幸せがあると思う。
自分の決定通りに物事を進める時にいつまでも周りはどうかと気にしていないで、周りの人を「領域の外」に置いて切り離して他人事として扱うという勇気、そして「それをしても大丈夫だ」と自信を持つことが大切だと思う。(タイプ9は自分から他人の存在を切り離す事は悪い事だと考えがちだけど……。)
「自分の意志を犠牲にしてまで誰とも繋がっていたい」から「自分のしたい事は明確なんだからそれをやればいい、他人がどう反応しても私の意志は変わらない」に変えていくとタイプ9は生きやすくなる気がする。

私は今現在では途中の段階だけど、自分は少しの事で十分に満足できるという事を自覚して必要であれば主張することは本当に大切だと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?