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ハタチ
ねえ、君!私、ハタチになったんだよ。君だよ、そこの君!一番大事な時期を一番近くで見てた、君。
もう、カブトムシが車に踏んづけられて泣いてた私はきっともういないの。だってわたし、ハタチになったんだもん。
誕生日の今日は別にいつもと変わらなかった笑
普通に授業を受けて、自転車でうちに帰った。ただ、その日ちょっと違ったのはうちから少し荷物が減った。わたしの心の荷も少し減った。あの懐かしい部屋の鍵も返した、君に。メイクの変化なんか気づくなよ、ばーか!
今日はちょっと夜遊びでもしちゃおう。10000円もしたワンピースなんか着ちゃおう。だって大人になったんだもん。でも、終電は逃さないなー。だって、わたし大人だからね。うそ、勇気がないだけ。
誕生日の翌日。私はすっかり20歳になっていた。その日は静かに雨が降っていた。
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