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使命のメロディ

真夜中。布団にくるまりイヤフォン着ける。
なんとなく気が向いて、吹奏楽曲を懐かしく漁ってみた。

すると、まだ人もまばらな早朝の澄んだ空気を思い出す。


強豪校に入部した私は当時、毎朝5時に起きて6時台の電車に飛び乗り高校へ向かっていた。

その名のとおり、主に吹く楽器で構成されている吹奏楽。
弦楽器は無くほぼ管楽器。プラス打楽器。
特有のサウンドなのだ。

このブラスサウンドは、たまらなく青春色をしている。


炎天下でマーチング練習をした日の汗。
悔しくてたまらなかった日の涙。
部員一人一人が真剣なので、本気と本気がぶつかりあう、あのピリピリした空気。
バチッとハーモニーが決まったときの結ばれた感情。

総じて混ざり合った、なんともいえない色をしている。

高校1年生のころの記憶だ。

下級生はコンクールの役員をする。
その際、他校が演奏していた曲に身体が震えるほどときめいた。

今の今まですっかり忘れていたはずなのに
なぜかウィズ・ハート・アンド・ヴォイス
の文字を目にした途端。

「あ、あのときの曲だ」と思い出した。

有名な曲なのか、そうでないか。
そんなことはよく分からない。

でもこのメロディに幸せを感じない人っているの?
と大きな声で問いかけたいくらい。
涙がでるほど美しい。

それでもって階段を駆け上がる光のようなトランペットの相槌。パーフェクトすぎますよ、ギリングハムさま。



曲について、当時調べることはなかったけどよくよく見てみると「Come, Christians, Join to Sing(来りて歌え)」という讃美歌のメロディを元に作られたアメリカの高校歌。を、それまたモチーフにした曲。

この「使命のメロディ」と呼ばれるモチーフをさまざまな楽器で掛け合いながら展開していくんだけど。

不穏な場面からトンネルを抜けて小さな光が急激に広がっていくような…。まるでジェットコースター。怒涛の展開つづきのストーリーが見えてきて楽しすぎる!もう一回乗りたい!ってなる曲なのだ。


こちらは原曲。
ハレルヤの言葉のとおり、歓びに満ち溢れている。

調べ出すと止まらない。
今度は聖歌を、漁り始めたわたしだ。
(聖歌もほんとーーーに美しくてハマりそう)

おそらく、吹奏楽部でいた瞬間があったから出会えた曲。

在籍していた時間は長くなかったけど、いろんな音楽に知ることができたことは何より大きな財産だ。

それに部活でしかできなかった仲間とも、出会えてよかった。

ハッピーな音楽に包まれて目を閉じよう。

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