ハンディを持つ息子がコロナに罹り、要介護の義母を抱えているのに、私も陽性者となった日からの療養記録③
9月10日(土)療養3日目。
平熱。のどの違和感もだいぶ解消。咳込むことはほぼなくなった。
療養5日目となる息子も同様。
昨夜は野球中継がなかったこともあり元気がなかったけど、今日は中継あるからちょっと楽しそう。
この日の早朝、娘から電話が入る。
「お母さん、なんだか頭痛がするんだ・・・」
もともと頭痛持ちの彼女ではあるが、この状況ではまずはアレを疑わなければならないだろう。
「今からキット使って検査してみるね」
結果が出るまでの15分間は、永遠のように長く感じた。
「陰性だった!!わたし、強くね??笑」
明るいLINEの返信に、スマホを握り締めながら声を上げて泣いた。
それと同時に、娘から電話が入る。
泣いていたことがバレバレだったようで
「お母さん、泣かないで。心配かけてごめんね」と謝られる。
いやいや!貴女は謝る必要なんてない!!
「でもさ・・・」
明るい娘の声のトーンが下がった。
「一瞬、わたしも陽性だったら今よりもラクになれたんじゃないかって、思っちゃったんだよね・・・」
そう言いながら、娘は声を上げて泣き出した。
彼女の泣き声を聞いたのなんて、どれだけぶりだろう。
兄が発症、ほどなく母も発症。
自身も感染に怯えながら在宅で仕事をし、家族の食事の全てと、要介護の祖母のことまで気に欠けなければならない日々。
「家族だけで何とかしろ」という状況は、責任感の強い彼女を奮い立たせたことは間違いない。
でもまだ24歳の彼女にとって、それがどれだけの負担であったことだろうか。
そりゃ、楽になりたくなって当然だ。
許されることなら。
すぐに飛んで行って抱きしめてあげたかった。
追い詰めてしまってごめんね。
もういいよ、逃げていいよって、言ってあげたかった。
何にも出来ない自分が、ひたすら腹立たしかった。
「みんな、コロナになったお兄ちゃんやお母さんの事よりも、ばあちゃんが大事だって言う。ばあちゃんを守れって言う。女の私が家のことをするのは当然だって思ってる。
ばあちゃんがハイリスクなのは分かってる。命が大事なのも分かってる。
でも、私達家族は、ばあちゃんのことを守るためだけに生きているわけじゃない。
それぞれにそれぞれの人生を生きてるわけで、ばあちゃんのためだけに生きてるわけじゃない!!!」
これほどに、追い詰められていたなんて・・・。
どれだけの時間、ふたりで泣いただろうか。
本音をぶつけ合ったであろうか。
大切な貴女の手をこんなに煩わせなきゃならない現状が、本当に辛い。
心底コロナが憎くて憎くて仕方がない!
女だから家事の一切を引き受けるなんて、ナンセンス極まりないことをいうヤツのことはスルーしよう!!
(介護も同様!女(嫁)がやって当然と思ってるヤツが多すぎる!!)
私も含めて、ばあちゃんのためだけに生きる必要なんてない!!
貴女は貴女の人生を大切にして欲しいし、私は全力で貴女を守る!
このゴタゴタが終わったら、きっと二人で気晴らしに行こう!
口に出して言うことで、ずっと心に溜まっていたモヤモヤがすーっと消えていった(ような気がした)。
もともと、何でも顔を見て話し合って来た私達母娘。
息子の障害のことも、我が家の様々な現状も、一番理解してくれている「同志」のような存在。
私達の絆は、コロナごときに負けるわけがないんだ。
だから、私が晴れて無罪放免になった暁には、今度は私が娘を支える。
全力で甘やかす!(スイーツ食べに行くくらいだよ)
何にも考えないで、ゆっくり眠れる時間を作ってあげる。
ちなみに、息子が療養解除になったら真っ先にやりたいことは
「ガチャガチャをしに行く!!!」ことだそうだ。
その日まで、またみんなで支え合ってがんばろう!
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