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ハンディを持つ息子がコロナに罹り、要介護の義母を抱えているのに、私も陽性者となった日からの療養記録⑥

9月14日(水)療養7日目。
平熱キープ。無症状キープ。
いよいよ隔離生活最終日。
長かったような、あっという間だったような。

そろそろ部屋の片づけでもしようかと動き始めた瞬間、
何だかイヤな感覚が走った。
やらかした。ぎっくり腰。
なんでこんな時に・・・。しばらく動けずにうずくまる。

義母の車椅子介助が始まり、入浴介助をしていた時期から付き合って来た腰痛。
同じく腰痛持ちの夫はちょっと痛めただけで「仕事行けない」「鍼打って来る」「痛い痛い」と大騒ぎをしてこれらの世話を回避出来るが、私はそうはいかない。
どんなに痛かろうが、透析もデイケアも待ってはくれない。
痛みをだましだましやって来たこの数年間のツケが、一気にこの期に及んで襲って来たということなのか。

きっと痛くても無理をしてでも毎日体を動かしていたから、大きな痛みには至らなかったのに、この1週間籠の中の鳥さん状態だった私の体はすっかりなまり、甘えることを覚えてしまったのかも知れない。

家族のグループLINEに「母、ぎっくり腰になった。またしばらくご面倒かけます。ごめん」と打ちこみ、布団も敷かずに横になった。
娘が湿布薬をドアの外まで届けてくれた。
明日から外へ出られるようになるとはいえ、整骨院などへはしばらく行くことは出来ないだろうから(コロナ明けすぐの患者なんて、どこの病院でも嫌がられるでしょう)、自然に痛みが落ち着くのを待つしかない。

ここ1週間の不眠状態もあったのか、横になって程なく数時間一気に眠ることが出来た。相当疲れていたんだなぁと実感。
無理に体を動かそうとしなければ何とかなりそうなところまで痛みは落ち着いていた。
立ち上がる時が痛いので、出来たら立ったまま生活をしたいところである。
「立ったまま寝たいくらいだ」と娘に電話すると「キリンかよ!」とのツッコミをいただく。*キリンは本当に立ったまま眠ります。
湿布薬と鎮痛剤で、何とか乗り切る!!!

娘に義母のクリニックから連絡が入ったそうだ。
「明日から健康確認の電話は致しません。透析も明日から通常通りとなりますので、送迎サービスを再開してくださって結構です」
デイケア関係は17日まで制限かかってるのに。
ハイリスク患者なのに。大丈夫???
ま、主治医がOkay出したってことなので。
また何かあったら「家族の責任」って言われるだろうから、夫が帰って来たらみんなで一応検査しよう、ということにした。

夕方、家族が揃ったところで、それぞれの部屋で抗原検査を行う。
全員陰性!!
よし!これで明日から堂々と行動解除が出来る!!!
*ちなみに、現在のガイドラインでは解除日前日の検査の必要はありません。示された療養期間を守り、健康観察に問題がなければ自己判断で解除が出来ることになっていますので、それぞれでご確認ください。

私はぶっちゃけ、出来た主婦ではない。
家事も出来たら手抜きをしたいと日々思いながら自己ルールでささっと済ませ、時短料理に情熱をかける、典型的なお気楽主婦である。
そんな私が今一番やりたいこと。
なんと家事である。
掃除がしたい!アイロンをかけたい!(実際一番嫌いな家事w)
そして何より、家族のご飯が作りたい!!!!

家族と顔を合わせないような動線を確保できていれば、私はこの療養期間でも食事の支度くらいは出来たのかも知れない。
でも我が家には、ハイリスク中のハイリスク高齢者(義母)がいた。
息子と私は、トイレなどで廊下へ出るわずかな時間さえピリピリと真剣を尖らせながら過ごす毎日だった。
キッチンへ立つことなんて考えられなかった。
キッチンのすぐ横が義母の部屋だからだ。
だから毎食娘に負担をかけることになってしまった。
今回のことで、本当に大変だったのは間違いなく娘だったと思う。

文字通り、私達家族は命を懸けて義母を守った。
自分たちが「もしかしたら死んでしまうかも知れない感染症」に罹ったこと(罹るかも知れない)の恐怖と闘いながら。

就寝前、私達はそれぞれの思いをグループLINEに綴った。
よく頑張ったと労い合い、支えてくれてありがとうと言い合い、
そして「明日会えるのが楽しみ」と言い合った。

味わなくてもいいような辛く苦しい経験だったけど、間違いなく言えること。

私の家族は最高の家族だ!ということだ。

夫については、まぁ苦言を呈したくなることも多々あったけど何故だろう。
ここまで顔を見ないと何だか寂しいと思えてくるから不思議である。

娘とは、時間の許す限りビデオ通話もしていたから顔は見れていたけれど、やっぱり直接会ってお礼が言いたい。

息子は自宅で療養させた割には、義母のこともあり私とあまり関われず、文字や電話での指示だけで動かなければならないストレスは相当なものであったと思うけど、本当によく頑張って自室で耐え抜いてくれたと思う。

みんなみんな。本当に本当にありがとう!

最後に。
現在この国では、障がいを抱えた家族が感染したら「一緒に罹るくらいの気持ちで自宅で対応しろ」と言われているような状況です。
そこへ更にハイリスクの家族を抱えていたとしても「感染者出した家の中で何とかしろ!その本人が陽性にならない限り何の手立てもないからな!でも陽性にするなよ絶対に!」と言われた心の傷はきっと一生消えないし、そんな対応ばかりで「わかったよ!誰も助けてくれないなら放っておけよ!」ってヤケになったことも、もしかしたら、ずっとずっと根に持ち続けるかもしれません。

でも、後ろばかり振り返る人生はつまらないので。
これからはもし身近でこのように困っている方がいたら、すぐに寄り添える人間になりたいと思いました。
この数日間のジェットコースターのような経験が、誰かにとっての道標になるのかもしれないと考えれば、少しは報われるような気がします。

ごく少数の叫びかもしれないけど、いつの日かこの小さな小さな発信が、私達家族のように辛い思いをする人が減ることに繋がっていけたらいいのにな、と願ってやみません。

このnoteに気づいてくださり、目を通してくださった皆様へ。
心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。

これからも、様々な気づきを記していきます。
またご縁がありましたら、お会いしましょう。


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#要介護の義母 (陰性)
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#全員陰性キープ !!!






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