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母となった日。

息子、今日で27歳になりました。
そして私も母になって27年が経ちました。

年齢はしっかり大人ですが、誕生日プレゼント何が欲しい?と聞けば「新しいボードゲームが欲しい!」と目を輝かせる、少年の心のままの息子は知的障害を伴う自閉症くんです。
先日久しぶりに2人でトイザらスに行き、ゲームを物色して来ました。
店内で若干浮いてたかも知れませんが、そんな視線はもう慣れっこです。

私は毎年生まれた時間に本人に「おめでとう」と伝えています。
息子だけではなく、下の娘にも同じように必ず生まれた時間に伝えています。

うちの子になってくれてありがとう。
私を君の「お母さん」にしてくれてありがとう。

面と向かって言うのも言われるのも恥ずかしい言葉かも知れないけど、1年に1回のことだから付き合って貰ってます。
母の自己満足かも知れないけど、私の目の黒いうちは続けさせて貰うから覚悟しておいてねと話してます。

とはいえ、必ずその瞬間に一緒にいられる訳ではないので。
たまたま一緒にいられる場合は顔を見て直接言い、仕事などでそばにいない場合は時間きっかりにメッセージを送っておきます。
仕事に行っている息子にはついさっきLINEをしておきました。

息子が生まれるまでの日々は、実は思い出すのも辛くなるようなことの連続でした。
オメデタイ日であるのは間違いないのですが、どうしても消えないモヤモヤした気持ちが一気に蘇り、苦しい日でもあるのです。
ここに書くことによって、もしかしたら少し気持ちがラクになるのかな。
よかったらちょっと聞いてくださいますか。

私は結婚後すぐに夫の実家で義両親、義弟との同居生活をスタートさせました。
窮屈な生活の中で授かった新しい命。
初めてのお産は「里帰り出産なんて許さない。もし帰るのなら二度とこの家の敷居は跨がせない」と義母に言われ、夫も助け船を出してくれるほど大人ではなかったため、泣く泣く実家へ帰ることを諦めました。

妊娠8か月で切迫早産となり、仕事も産休前にドクターストップがかかり絶対安静となっていた私に「お産なんて病気じゃないから。ただ家にいるなら買い物にでも行って来い」と言い放った義母は、現在の私とほぼ同年代でした。

もしもだけど、万が一いやもっと確率は低く限りなくZEROですけど、うちにお嫁さんが来たとして、いくら気に入らないお嫁さんだとしても、私はここまでの仕打ちが出来るだろうかと考える時があります。
いや、絶対にしませんけどね、
人として。同じ女性として。
今でも絶対に許せない義母の仕打ちのひとつです。ひとつってことは…
他にもたくさんありますよーってことですが、それはまた追々に。
生まれるまでがこんな感じだと、障害があると分かった時はだいたい想像がつくかと思いますが…まあそんな感じですw

今だったら「敷居を跨がせない」なんて言われたら喜んで出て行くのにな。
なんで踏みとどまったんだ、若き日の私よw
そして私は現在、そんな義母の介護をしている訳ですよ。
人生ってなんて皮肉なものなんでしょうね。

息子は何とか39週まで頑張ってくれました。
破水して入院することになった私のことを、実家へも夫へも連絡してくれなかった義両親。
どうせすぐには生まれないだろうからとそのまま遊びに出かけたそうで、当日に息子の顔を見にも来ませんでした。
産院から連絡を受けた実家の両親はびっくりして高速を飛ばしてすぐに会いに来たというのに。

当時はお盆やお正月となると、本家である我が家には泊りがけで多くの親戚達が集まって来ることになっていました。
出産の翌日、義両親はぞろぞろと大勢の親戚達を病室へ連れて来ました。
息子の顔を見るなり「あー、間違いない!間違いなく〇〇(夫)の子だ!!」と口々に大声で騒ぎ立て、ゲラゲラ笑われました。
誰がこんなデリカシーのない一族に他の男の子どもを身ごもって嫁いでくるもんか!と今なら余裕で言えますが、若すぎて当時の私は何も言えませんでした。
ただひたすらに同室の方に騒がしくて申し訳なかったし、何よりストレートに傷つきました。
息子は確かに生まれた時から夫にそっくりなので嬉しかったのでしょうけど、言い方が・・・。
ちなみに娘は夫にも私にも似ていなかったので(今は私に似てるとよく言われます)、こちらが先に生まれていたとしたらあの親戚達は一体どんな言葉で私を傷つけたのでしょうね。
それこそ「うちの子じゃない」とでも言われて追い出されたのかな、なんて。
それならそれで良かったのかも知れないけど←

さて。そんなことをつらつらとしたためているうちに日付が変わってしまいました笑

27年前産院で間違いなくうちの子だ!と叫んだ義母は、もう孫である息子の誕生日など覚えていません。
ケーキ食べる?と聞いたら「なんで?」って言われましたからね。

お誕生会的なことは公休日に済ませてしまったので、当日は普通の夕飯に缶チューハイで軽くカンパイしました。
そう、少年の心の持ち主はお酒を飲めたりするんですよ。
時々グラビア写真集なんかも買って来たりするんですよ笑
このアンバランスさをこれからも楽しみながら、家族で支え合いながら暮らして行けたらいいなと思っています。

おめでとう27歳!
これからも君らしく
まっすぐ生きていってください。

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