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星屑201 しょしんのはなし

2020年1月29日

 怒涛の年末進行を乗り越えられず、まさかの社長にのこりの仕事を押し付けてむりやり仕事を納めました。雑誌と違って締切が年をまたいであったり、年末年始の休みを考えていないような進行だったりします。夜遅くなるのはもう仕方のないことなので諦めているのですが、いつ連絡を取ってもすぐに返信があったり、夜中や早朝にメールを送ってくる編集さんもなかなか大変な仕事だと思います。著者とデザイナー、印刷会社もろもろにはさまれて、彼らが一番休みがないのでは……と案じてしまいます。

 そんな怒涛の1月を駆け抜け、気がつけば今月も残すところ数日。駆け抜けた入稿作業も終わり、つい先日見本が上がってきました。2週間前までデータをいじっていたとは思えないほどの印刷・製本の早さに驚きます。できたての本を囲んで、著者、編集者、イラストレーターさんを交えて打ち上げをしました。それぞれの過程で大変だった本なので、みなさん感慨深げにみておりました。本当にできたんだなあ……。

 数ヶ月を共に駆け抜けてきた方々ですが、実際に会うのは数回目という感じで、メールの文面や電話での声は知っていたけど、こういう雰囲気の人なのねと答え合わせのような時間でした。

 今回担当した本の著者は、私が中学生のときにその人の本を読んで衝撃を受け、本の世界に携わりたいと思うようになったきっかけのひとりです。数年前の星屑でも紹介していて、小説で何が好きかと聞かれれば5本の指に入るほど好きな本です。私が出会った時はすでに文庫本でしたが、その単行本・文庫本ともに今勤めている事務所がデザインしたものだと入社してから知り、それにも衝撃を受けました。

 ひょんなことから担当になり、打ち合わせに来られた先生を見て緊張し、直接ではなくともやりとりをして先生の人柄を垣間見たような気分になりひとりでにやにやしたり。打ち上げで、ずっとファンですと自分の口から直接いうことができて感無量でした。恐れ多くて隣に行くことも、サインをねだることもできなかったけど、こうして十数年後に、自分が大好きな著者の本に関わっているなんてことは半年前までは夢にも思いませんでした。本当に何が起きるかわかりませんね。自分のしたいことを突き詰めていてよかったと思うことができています。仕事を続けていて落ち込んだり何かあった時は、この初心の気持ちとも呼べる感覚を思い出して、進んでいきたいものです。


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