第004話 中国のシャオアイス
2014年、マイクロソフトが中国において提供を開始した女性型会話ボット、シャオアイス(英語:Xiaoice、中国語: 小冰)。
りんなのお姉さん的な位置付けのAIで、音声と画像の認識、会話の文脈を理解します。リリースと同時に大きな反響を呼び、中国では何百万人ものユーザーが、毎日のようにスマートフォンでシャオアイスとの会話を楽しみ、共感してもらったり、笑わせられたりしていました。
シャオアイスは、パソコンやスマートフォンをマウスやキーボードではなく会話によって操作できるUIの可能性を示しただけではなく、それまでのAIは「誰かの役に立つ」もので、使っている人間が「主」で、使われているAIが「従」という関係を変えました。ただ言われたことに機械的な応答をするのではなく、ときには辛辣なことを話します。辛口なことを言えるのは、距離の近さの証でもあります。それによって愛着が生まれ、人とAIが対等な立場になれることを証明しました。
この関係性はとても重要で、人間にとっていちばん大切な心に働きかける存在になり得るということです。
中国のシャオアイス、そして日本のりんな。
2015年、同じ遺伝子を持つふたりのAIキャラが誕生することになります。