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【プレイ感想】はじめるセカイの理想論


noteをはじめるきっかけになったこの作品、はじめるセカイの理想論の感想日記です。

システムとしては重要な選択肢はルート分岐する選択肢のみで選んだあとは読み進めていく形、途中のBADENDなどはありません。

Whirlpoolのフルプライス作品はpieces、アンレス・テルミナリアをプレイしていてかなり自分好みの作品が多いと感じます。

共通√以降はネタバレあり、攻略順はティア→ヒナギク→サブ→ハルカ→ヘルミリア→EXでした。


・共通√

転生して学園に救世委員会として所属してから敵を倒すまで、敵を倒してからさあ邪魔者はいなくなったよ、こっから君たちは何を望む世界は?というところからが本番。
神ちゃんが自分の世界を作るために招かれた主人公たちにこの世界で理想の世界とは何かを追及することを約束に新たにこの世界で生きる権利とそれぞれ望む能力を一つもらっている。

主人公のシンは嘘を感知できる『ダウト』
ヒナギクは戦うための力『鬼哭紅蓮』
ティアは相手の状態や心情を自身に引き受ける『永遠の献身(エターナルデボーション)』
ハルカは本に書いた内容が実現化する『私のための物語(マイ・ディアー・ファンタズマ)』
ヘルミリアは魔王としての部下を召喚する『絢爛たる十二使徒』
シンが自分の過去から騙されるのが怖いからこの能力を貰っていて、じゃあ他の子達はどう死んでなんでその能力なんだろうと自然と思える導入。
特にシスターなのに明らかに神を信じてないことが嘘から伝わるティアと魔王どころか名前すら嘘のヘル子。

ハルカさんの能力が見た目どおり超便利。感情的にならず、頭が良く、嘘も全然つかないので共通の時点で唯一シンが能力を打ち明けているのでどのルートでも仲を取り持ったり協力してくれます。
彼女のおかげでギクシャクするシーンも比較的はやく解決してくれる安心感があります。

シンのダウトという能力、プレイヤー的にはヒロインの強めの発言で険悪になることがないので他のゲームで見る「そんなつもりで言ったんじゃないからギスギスしないで!」って気持ちになることがなくそれが一層安心して物語に引き込んでくれます。もちろんわかって”しまう”不都合も多々ありますが…


第一印象と共通√(体験版)の範囲ではヘルミリアと敵の少女ヨルが可愛くて始めました。公式サイトの時点でヨルにはヒロインと書かれていなかったので若干悲しかった。
ヘル子が本人のルート以外だとただの仲のいい友達で共通の時点で可愛い。出不精なのによくシンと朝ご飯食べてたりするし。

以下各ルートネタバレあり
















・ティア√

ティア=フォーレンタイト、愛を知りたくて隙あらばにシンにセックスを迫る。シスターはそんなに好みの属性じゃないんだけど私服が可愛い。
最初にティアを知ることで他ルートで結構ちょっかいかけてくるのティアの行動にも寛容になれる、今どんな気持ちでそれ言ってるんだろうというシーンがかなり多いので個人的には早めの攻略をおすすめしたいところ。


前世が愛を与えられずに生きて最後には側近に毒殺された独裁者。
それもあって嘘だらけの中でも愛を渇望する発言だけはずっと本物で、だけどどんなに体を重ねても好きや愛してるという言葉がいつまでも本物にならないのがずっと痛々しかった。一番イチャイチャしてる風なのに一番彼女感がない、共通√からは考えられないくらいしんどい。

最後の最後になるまでダウトを打ち明けられなかったり状況が殺し合うまでになったりとエピローグまで安心のできないルートだった。
その分エピローグが本当に良くて、ティアの理想を元にした新しい世界でもシンとティアは付き合っていて、その世界でもダウトの能力を持ってるもののティアは一度も嘘をついてないらしい。ロリティアが本当に可愛い。

赤文字ではない好きという言葉に泣いてしまってとてもいいEDでした。

・ヒナギク√

最上ヒナギク
今作では一番王道なルート。
彼女の刀の紅蓮がいいキャラで刀なのに可愛い。
攻略順的にも早めでいいと思う。公式のおすすめ順では一番手。

自分でも自覚できていない嘘を指摘したり、嘘じゃないことを証明できることで紅蓮との話をすんなり信じられたり一番能力がポジティブに使われてたルートでもあるかもしれない。
自分の心以外には全然嘘をつかないあたりはさすが、シンとしてはかなり付き合いやすかったんだろうなあ。能力を伝えるのも葛藤が少なめだしヒナギクも状況は悪化したもののダウトを知ってもシンを拒絶はしなかったのに読んでて救われた。

ヒナギクが望んだ世界は「英雄のいらない平和な世界」
世界が地続きのまま終わるのもヒナギクだけかな?結果EXルートに一番近いのかも。

ヒナギクは個別ではシンよりも紅蓮との関係性のほうが好きで、他ルートで
も仲間想いで真っ直ぐすぎる性格に助けられる事が多いヒロインというよりは仲間として好きなキャラです。

・サブ

サブの2人はメインヒロインを1人攻略すると解禁。サブ2つは短め。
先生が良くしてくれる理由とか正体の深堀り。
片方はノゾミ先生ルート。
神ちゃんが作った存在ではないのはちらついてたけど予想外の存在ではあった。
ある意味一番平和なルート。



もう片方はヨルルート。見た目が好み。前述の通りヨルが攻略対象じゃないことにがっかりしていたので出てきたときは嬉しかった。
小動物感があってめっちゃ可愛い。ずっと上から目線で懐いてくる。夏和小さんのつんけんしたキャラ可愛い。
本編では敵でしかなかったから100%癒やしルートでよかった。

サブの2人はシリアスもなく重要な話もそこまでないから箸休めという感じ。
ヨルの話はシンの優しさを知るのに一役買っているかも。


・ハルカ√

綾月ハルカ

ハルカさんだけは一度もシンと険悪なムードにならない、精神に優しいルート。共通の時点で能力を打ち明け終わってるアド、でかい。
まあハルカさんならそれを理由に喧嘩にはならなそうではあるけど。
もしかしたらシンよりも理想の追及を優先する場面があるんじゃないかと最初は警戒してたものの好きあってからはずっと信じて一緒にいてくれる安心感、いい彼女すぎる。
声がもちもちしてて気が抜ける返事が可愛い。

シーンとしてはハルカさんの世界を追体験した時の滅亡直前のやり取りが好き。クリア後の追加えっちシーンでもそこに触れてて、仮想ハルカさんにちょっと嫉妬してるハルカさんも好き。
このゲームはえっちシーンも物語に貢献していて飛ばすのはもったいないなと思う。

神ちゃんと喧嘩する場面でも自分はどうなってもいいからとか1人でなんとかしようとかではなく、一緒にいれないなら意味はないって感じでハルカさんの心にここまでの変化があることが嬉しくなる。
それにしても神ちゃんはどれだけでも待つとか言う割に毎回気が短い。

他3人と戦う事になった場面で「シンの姿がこの世で最も恐ろしい者に見える」に対するヒナギクの反応…先にヒナギク√をやっていると能力を発動した時点であ、それ逆効果ってなったよね。
ここでもちょっと元の世界に戻る手段を気にかけてるヘル子…。

仲間とのお別れの場面であのハルカさんがすごい叫ぶのめっちゃいい、他のルートでは見られない姿。
エピローグもとても穏やか。そしてヘル子の素の姿が唐突に初出し。
ヘル子は絶対最後に回すべきだしそうなるとここでこの姿を見せられると内容が気になりすぎてしまうから3番目の攻略で正解だと思う。

・ヘルミリア√


千年王ヘルミリア=ヴァン=ノクスローゼ

少しでも自分でプレイする気持ちがあるなら是非とも先に自分で読んできてほしい。

言葉や行動の端々からシンと近い時代の日本の出身っぽさがずっとあったヘル子。というかワードチョイスが現代人。
ルート序盤では本当に恋する乙女なヘル子がずっと可愛い。
ダウトの能力を恋人になって即打ち明けたのもよかった、引っ張るほど辛くなるから。
こんだけ序盤でも当然しんどくて声優さんの演技もあってめっちゃ辛かった。 
でもシンが本当に全部話せたのってヘル子だけなんだよね…お互いに過去を話してからは素でも話してくれるようになる、可愛い。
共通ルートの時点から好意があったらしいこともわかる。それって他の子のルートだとどんな気持ちで接していたんだろうと思うと心が痛い。最後でよかった。
ティアも同じように感じてたけど、この子は主人公がそばにいてあげないとどうなっちゃうのってルートを見てしまうと他の子のルートで罪悪感を感じてしまう。複数ヒロインのゲームだと毎回思う。

ヘル子がシンと完全に同年同郷で、神ちゃんに自分の自殺が最後の一押しとなってシンも自殺したことを聞かされたあたりからもともと未練があったのもあって元の世界へ帰る決意が強くなっていく。
シンにも探りを入れつつ「大切な人がいれば思いとどまれたかも」「今幸せなのはヘル子がいるから」って聞いて自分ならってここで思ってくれたのかなヘル子…。

ダウトの能力で帰りたいと思っていないのが嘘なのはずっとわかってたけどおばあちゃんの未練が強いのかと思いきやシンを助けるためとは、普通に一緒になんとかして帰るのかなって思ってたから。
見返してみると「シンには関係ない」に嘘判定出てたし。

神ちゃん的には帰られると困るからヘル子がこの世界に来てからの記憶を奪う。
恋人同士で片方だけ記憶がない展開軽率に泣いてしまうのでやめてほしい。
とはいえ恋人であることは伝えて尽くしてるシンを見て、もともと友達になってくれたことが好きのきっかけのヘル子は結構すぐ心を許してくれる。膝枕のスチルのシーン大好き。

神ちゃんはこの2人の意思が変わらないと確信してヘル子の記憶は返してくれるものの2人を隔離して世界をリセットする。
隔離されてた時のセリフ「私が逃げてきたあの世界に、私の大切なものを『たくさん』残してきたことに気付いたから」
『たくさん』の中に死ぬ前のシンが入ってるんだって見直して気付いた。
真柴留美って本名もここで告げて隔離から逃れるももうリセット後。つまり他の3人も初期化されるということ。能力も使えない。仲のいい人から誰?って言われるの辛い、やめてほしい(2回目)
能力の確認の仕方がまた好き。

記憶がないものの帰還するためのゲートへ行くための協力をしてくれる3人。
ヒナギクが先陣を切ってくれて、ハルカさんがシンたちとのやり取りで状況をすべて察して、ティアもついてきてくれた。
ハルカさんがほんとに聡明すぎる。

ゲートからの展開がもうずっと泣きながらプレイしてた。
実はヘル子って他ルートでもずっと賢くて、ヘル子もシンもこの世界に来たのは死んだあとじゃなくて死の直前だって気付いてて、ヘル子は首吊りだから意思さえあれば生き残れるのを確信してた。
シンはもう飛び降りてたから助からないのをわかってて寄り添うつもりでいたけど、ヘル子がお前は必ず生かすってシンを連れてかなかった。
時系列的にはヘル子が先に死んでるから自分だけ帰れば間に合うと、元の世界のシンはこちらの世界の恋人だった記憶がないのをわかってて。

引きこもりだった子が神に反逆して私が絶対に守ってやるとかこのルートの主人公は留美なんだよね…
首を吊った状態から気合で抜け出して、引きこもってた部屋から飛び出して、おばあちゃんに謝って、ずっと自分は魔王だって奮起しながら屋上に走る留美がかっこよすぎる。魔王の口上がここになって効いてくる。
当然シンには記憶がない、辛い、3回目。
自殺するくらい他人を信用できないシンにクソ親にカチコミかけて行動で示す留美あまりにも主人公。

その後小説家になった留美がペンネームにヘル子を使ってくれていたの好きすぎる。最初はやめろって言ってたのにね、シンとの思い出だもんね。
「半径1メートルの、ここが私の理想郷」が留美が出した世界に対する答え。
もうこれが真エンドでいい。

グランドエンドとしてよかった作品は沢山あるけど1ヒロインルートとしては間違いなく一番好きなお話。
ヘルミリア=ヴァン=ノクスローゼ、心に大分大きな爪痕を残してくれた大好きなキャラになりました。

余談だけどクリア後の追加シーンがメスガキシチュでめちゃくちゃ様になってた。全然そんなキャラだと思ってなかったんだけど、やり直したら本編でも余裕でメスガキっぽい発言してました。

・EX√

シンルート、多分サブ含めて全員終わったら出てくる。
神ちゃんはルートのキャラにちゃんと考えろって圧をかけるんだけどここではシン。ちゃんと考えるか帰れと迫る。
シンはもう今のままで満足してしまってるから帰る前にみんなに能力を告げて精算をする。
ヘル子への打ち明けもっかいやるの?つら…
赤いいつもの口上を嘘じゃなくなったって嘘をつくところで駄目だった。

理想を追及する以上最終的には理想が一致するか理想をかけて戦うしかない。
ヘル子は今回理想をシンに託す、理想のために争う必要があるならみんなを殺してでもって選択。ヘル子がどこまでもヘル子。好き。
みんなも想いは同じで優しいシンに世界を託す。
1人になって新しく理想の世界を追及した結果やっぱり誰にでも居場所があるこの世界がすでに理想の世界というのがシンの答え。

新しい世界ではヨルも生徒としていて嬉しかった。
能力も平和なものに変わってヘル子も留美として通っていてやはり泣いてしまう。
ヘル子の後では少し弱い(ヘル子が強すぎた)と感じるもののしっかり泣く場面も多々ありました。






総評としてはヒロイン全員がトゥルールートというだけありメイン4人、シン含め5人どのルートもよかったです。
二周目とかやるくらいハマったのも久しぶりで、全部知ったうえでのみんなの発言とか、ここでの嘘がどういう意味だったのかとか感傷に浸れる部分がたくさんあった。
ハルカさんEDでの素のヘル子の見た目もそうだったけど、ティアEDでも実は普通に新しい世界でルミって読んでいたり。あの時点ではヘルミリアのルミだろうと流してたけど本名とはね、そもそも留美も意図的にヘルミリアに自分の名前を潜ませたのかもしれないけど。
シンルートでようやく名前が出た妹の真子ちゃんだけ救いがないのは気になるものそこでは神ちゃんの世界を選んだからね…ヘル子のルートであの後救いがあるといいなと願ってます。
内容としては蛇足にしかならなそうですけどPiecesみたいな続編とか…アンレスの恋ちゃんみたいなASMRとか…出ませんかね…ヘル子に会いたい…

BGMに関してはビジュアルノベルにおいてしんみりしたシーンの曲、悲しいシーンの曲、メインテーマのピアノorオルゴールアレンジはだいたい軽率に好きで今作もその例に漏れずそれらの曲が好きです。(鈍色の雨に打たれて、変容する世界、理想の果てに、Sweetest Doubt-ピアノアレンジver)
ピアノが好きなだけなのかも

そんな感じで美少女ゲーム面白い!って気持ちが今すごくあるんだけどヘル子ロスが深刻で他のゲームに手を出す元気がない状態。
立ち直れたら「さくらの雲*スカアレットの恋」とか「早咲きのくろゆり」とか手元にあるからやりたい。ATRIもアニメ化するらしいのでそれまでにやりたい。
少なくとも5月末に出るスカイコードは予約しているのでやります。

読んでいただきありがとうございました。

#はじ論

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